モンセラートの朱い本 (Llibre Vermell de Montserrat)
「LLIBRE VERMELL」(Capella De Ministrers, Carles Magraner, Licanus, CDM0201)
「モンセラートの朱い本」 (Llibre veremell de Montserrat)は、14世紀に編纂されたとされている10曲からなるスペインの曲集である。「モンセラート」の由来になっている「モンセラート修道院」は、リポール修道院長オリバによって1023年にスペインのカタルーニャ地方に建設されたものである。この曲集は、このモンセラート修道院に残されているもので、「朱い本」と呼ばれるのは、赤いビロードの表装に由来しているが、それが施されたのは19世紀末になってからのことである。
モンセラート修道院は1811年にナポレオン軍によって破壊され、それまで保管していた多くの古文書などを失ってしまった。19世紀初頭にフランスのリオー侯爵がモンセラート修道院からこの写本を借り出していたために、この「モンセラートの朱い本」はその破壊による消失から免れることができた。写本は侯爵の遺族によって1885年にモンセラート修道院に戻された。
この写本に収められた曲は、モンセラート修道院のラ・モレネータと呼ばれる12〜13世紀に作られた木造の黒い聖母に思いを寄せて作られたもので、当時スペインのキリスト教の二大聖地の一つであったモンセラート修道院への聖地巡礼に訪れた人々を楽しませるために歌い、踊られたのではないかと言われている。
その写本に収録された曲は、収録順に、
1. おお、輝く聖処女(O virgo splendens、3声カッチャ)
2. 輝ける星よ(Stella splendens、聖なる踊り/ヴィルレー)
3. 処女なる御母を讃えん(Laudemus Virginem、3声カッチャ)
4. 笏杖もて輝ける御身(Splendens ceptigera、3声カッチャ)
5. 七つの喜び(Los set gotxs、バラータ)
6. 声をそろえ歌わん(Cuncti simus concanentes、ヴィルレー)
7. あまねき天の女王よ(Polorum Regina、ヴィルレー)
8. 母なるマリアに(Mariam, matrem virginem, attolite、ヴィルレー)
9. 悦びの都の女王(Imperayritz de la ciutat joyosa / Verges ses par misericordiosa、2声の歌曲)
10. われら死をめざして走らん(Ad mortem festinamus、死の踊り/ヴィルレー)
となっている。今回紹介しているCDでは、以下のように曲順が違っている。
Contrafactum de Morella
1. Morir, ffrares, nos convé (Instrumentaal)
Llibre Vermell de Montserrat
2. O Virgo splendens in monte celso
3. Stella splendens in monte
4. Laudeamus Virginem Mater est
5. Los set goyts recomptarem
6. Splendens ceptigera
7. Polorum regina omnium nostra
8. Cuncti simus concanentes: Ave Maria
9. Mariam Matrem Virginem
Contrafactum de Morella
10. Morir, ffrares, nos convé
Llibre Vermell de Montserrat
11. Imperayritz de la ciutat joyosa
12. Ad mortem festinamus
「モンセラートの朱い本」からの10曲に2曲加えられている。どこかアラブ風の雰囲気を持つ曲ばかりで成り立っている。
「聖地巡礼に訪れた人々を楽しませるために歌い、踊られたのではないかと言われている」と上で書いたが、その一種の「祭り」を再現したアルバムもある。
「モンセラートの『朱い本』〜中世スペイン、カタリューニャ地方の歌と踊り」(アンサンブル.ミレナリウム、声楽集団”プサレンテス&レ・パストゥロー”、ナミュール室内合唱団、総指揮:クリストフ・デリーニュ、RICERCAR、MRIC260)
1. 導入部:巡礼者の行列
2. ともに歌おう、「アヴェ・マリア」と
3. この祝福されたる街の女王
4. キリエ:乙女たちの王よ
5. それは不思議なこと(器楽合奏)
6. アヴェ・マリア(めでたし、マリア様)
7. 母にして乙女なるマリア様を
8. バル・レドン(器楽合奏)
9. 七つの喜びについて、お話ししましょうか
10. 我らが導き手にお祈りしましょう
11. おお、この山の上で輝く乙女マリア
12. 朱色の踊り(器楽合奏)
13. 乙女マリアを讃えましょう
14. 山の上に星が輝き
15. フォーヴェルは私たちの前で(器楽合奏)〜『フォーヴェルの物語』より
16. 母よ、父よ、そして息子よ
17. 輝く宝玉、我らが導き手となれ、聖母マリア
18. この世々の、我らすべての女王
19. 神の子羊&アヴェ・マリア
20. 我らは死にむかって駆けゆくもの
このアルバムでは、モンセラートの朱い本だけでなく、様々な曲を織り交ぜて、巡礼に集まった人達が一夜の祭りをしているというシーンを再現しようとする試みである
本記事は、「古楽CD100ガイド」(国書刊行社)を参考に書いた


こんにちは、はじめまして。
ふと「モンセラートの朱い本」を検索して、検索ページからこちらに伺いました。
モンセラートの朱い本は、数年前、クラシック音楽好きの集まりで、古楽好きな人の音頭取りで Cuncti simus concanentes... を皆でノリノリで歌ったのが縁でした。 頭のなかでぐるぐるしだすと止まらない曲ですね~。 鳴り物も衝動買いしたくなったり。
その後、古楽系CDを時々聴いたりランディーニにはまったり竹山さんのリコーダーを買ってしまったりしましたが、どれも衝動のままで、恥ずかしながら修めるとかという感じではありません。
日本イタリア京都会館で催された古楽セミナーは喜び勇んで受講したものの、古楽系書籍の衝動買いは積ん読のまま。 ……何年経っても勉強の面ではいまひとつ。 古楽が好きなだけで詳しいとは言えません。
こんな私ですが、時々こちらにお邪魔させていただこうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
コメント時刻: 2009年03月30日 19:31
Fish様
コメントありがとうございます。お返事が遅れて申し訳ありません。
わたくしも特に詳しいわけでもなく、CDを聴きながら本やCDの解説を読んで、極めて主観的・独断的に記事を書いていますので、あまり参考になるかはわかりませんよ
またよかった遊びにきてくださいね
コメント時刻: 2009年04月19日 10:51