テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー
「Georg Philipp Telemann : Twelve Fantasies for Solo Violin - 1735」(Rachel Podger, CHANNEL CLASSICS, CCS 18298)
演奏:レイチェル・ポッジャー
録音:St. Michaels's Church, West Compton, Dorset, UK、2001年11月
使用楽器:Pesarinius 1739
昨日は、テレマンの「無伴奏フルートのための12のファンタジー」を紹介したが、その続編ということで、今回は「無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー」である。
ヴァイオリンの無伴奏曲というと、バッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」を引き合いに出さざるを得ない感もあるが、優劣をつけることに意味を感じないので、今回はバッハについてはあえて触れずにおく。
第1番:変ロ長調(ラルゴーアレグローグラーヴェーアレグロ)
第2番:ト長調(ラルゴーアレグローアレグロ)
第3番:ヘ短調(アダージョープレストーグラーヴェーヴィヴァーチェ)
第4番:ニ長調(ヴィヴァーチェーグラーヴェーアレグロ)
第5番:イ長調(アレグロープレストーアンダンテーアレグロ)
第6番:ホ短調(グラーヴェープレストーシチリアーナーアレグロ)
第7番:変ホ長調(ドルチェーアレグローラルゴープレスト)
第8番:ホ長調(ピアチェヴォルメンテースピリトゥオーソーアレグロ)
第9番:ロ短調(シチリアーナーヴィヴァーチェーアレグロ)
第10番:ニ長調(プレストーラルゴーアレグロ)
第11番:ヘ長調(ウン・ポーコ・ヴィヴァーチェーソアーヴェーウン・ポーコ・ヴィヴァーチェーアレグロ)
第12番:イ短調(モデラートーヴィヴァーチェープレスト)
二つの長調の後に一つの短調が続くという形式から成っている。とても快活で聴きやすい曲集である。急ー緩ー急もしくは緩ー急ー緩ー急という形が基本となっているが、楽章の配列が自由奔放で、聴き飽きない構成になっている。
ポッジャーのもつ天真爛漫な演奏が、この曲集に実に見事にはまっている。録音の残響音も感じがよく、愛聴している一枚である。かなり骨太な音作りをしている。特にG線の音が太く感じられる。ごりごりと弾いている感じもするが、その中にも繊細さを感じる好演である。バロック・ヴァイオリンの音とはこういう音だ、ということを感じさせてくれる演奏である。音が実に綺麗で、ずっと聴き続けられる演奏である。
さて、このブログでモダン楽器が苦手ということを何度も書いているが、特にモダン・ヴァイオリンの音が苦手で、どうしても聴く気分になれない。延々とかけ続けるヴィヴラート、金属弦のきんきんした音などに、拒絶反応を起こしてしまう。
父は幅広くクラシックを聴く人なので、子供の頃から実にたくさんのクラシック音楽を聴いてきた。その中でモダン楽器に対するアレルギー反応が培われていったのだが、実はモダン・ヴァイオリンでも心地いいと感じることがあった。それが、フランコ=ベルギー派のアルテュール・グリュミオーの演奏である。彼もこの曲集を録音しているので、紹介しておく。
「テレマン:12の幻想曲(ソロ・ヴァイオリンのための」(アルテュール・グリュミオー、PHILIPS、PHCP-9648)
グリュミオーらしい、気品に溢れ、優雅さを伴った演奏である。音の美しさはやはりさすがである。
アンドルー・マンゼもこの曲集を録音しているが未聴。他にも録音がいくつかあるらしいが、あまり店頭で見かけない。この曲集の録音については、「テレマン: 無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア」で紹介されているので、興味のある方はご一読下さい

