ノートルダム楽派の音楽〜フィリップ・ル・シャンスリエ
「Le Chancelier Ecole de Notre Dame School of Notre Dame」(Sequentia, DHM, RD 77035)
昨日、ノートルダム楽派の音楽を紹介したが、それに追加してCDを紹介したいと思う。
今日紹介するCDは、フィリップ・ル・シャンスリエ(Philippe le Chancelier ca. 1165年 - 1236年)によるコンドゥクトゥスを9曲収録したものである。
フィリップ・ル・シャンスリエは、1165年頃にパリで生まれ、1236年にパリで没したノートルダム楽派の作曲家であるが、ピカルディー地方のノワイヨンの副司祭を務めた後、1217年頃から、パリのノートルダム大聖堂の尚書局(文書管理局)の長として就任するとともに、パリ大学の学長も兼任していた。
作曲家という紹介を冒頭でしたが、
「ジョングルール達の集まりに出かけて歌い、ヴィエラを演奏した。」と同世代の詩人が書き残している程に音楽好きであったらしい。 58曲の単声コンドゥクトゥス、9曲の多声コンドゥクトゥスがフィリップのものとされているが、曲は全て既存の旋律を利用したコントラファクトゥム(替え歌)であり、作曲はしなかったようである。ノートルダム楽派のペロティヌスを良く知っていたと思われ、ミサのオッフェルトリウムもしくはコンムニオの代替曲と思われる"Beata viscera"など幾つかの二人の共作と思われる作品が残されている。さらにフィリップの作品と思われるラテン詩の多くがカルミナ・ブラーナ等に残されている。
「wikipediaより」
ということらしい。
ここで言う「コンドゥクトゥス(conductus)」とは、12〜13世紀に書かれたラテン語の多声歌曲で、歌詞の一音節に旋律の一音が割り当てられたシラビックなスタイルを基本としており、中世の宗教音楽でありながら、グレゴリオ聖歌などの既存の旋律を用いていないという点が特徴となっている。
(引用:「ミサ及び聖務日課の聖歌」)
演奏は、中世の音楽のスペシャリストである、「セクエンツィア 」によるもの。ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの録音など精力的に中世の音楽を緻密な検証をもとに行っているグループである。このグループのCDはいずれも極めて水準が高く、どれもお勧めである。かなり廃盤になったものがあるが、地道にさがせば意外と見つかると思う.
バーゼル・スコラ・カントラムで学んだバーバラ・ソーントンとベンジャミン・バグビーが1977年に結成した中世音楽専門のグループで、基本的にはこの二人が中心だが、曲によってゲストを迎えて録音をしている。今回はフィリップ・ル・シャンスリエのものを紹介したが、上で述べたヒルデガルト・フォン・ビンゲンの録音についてはどれも主逸なので、是非聴いて頂きたいと思う
演奏;
セクエンツィア ;
Barbara Thornton (Gesang / voice, Organetto)
Benjamin Bagby (Gesang / voice, harp)
Margariet Tindemans (Fiddle)
Erick Mentzel , Edmund Brownless, Stephen Grant (vioce)
Richard Corbeil (vioce, symphonie)

