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BWV772 インヴェンション(2声)第1番

2008年02月25日

「バッハ:インヴェンションとシンフォニア」(レオンハルト、SEON、BVCC-5151)

成立:1720〜23年、ケーテン
基本資料:自筆譜、「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」
ハ長調、4/4

「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」の「プレアンブルム」と「シンフォニア」に手を加えたもので、教育的クラヴィーア作品集となっています。その冒頭には、

クラヴィーア愛好者、とくにその学習希望者に、(1I)2つの声部をきれいに弾きこなすだけでなく、さらに上達したいならば、(2)3つのオブリカート声部をも正しく、かつ、手際よく処理し、あわせて同時によい楽想をたんに得るだけでなく、それをたくみに展開し、ししてとりわけカンタービレの奏法をしっかり身につけ、しかもそのかたわら作曲への強い関心をも養うための明確な方法を教示するところの、正しい手引き
「バッハ事典(東京書籍)」

とあります。単なる指の練習曲ではなく、当時の修辞学的音楽理論が前提となっていて、音楽の着想と楽想の配置・彫琢から演奏に至るプロセス、すなわち作曲から演奏に至るプロセスの全体に対して、基本を教示する狙いを持っています(「バッハ事典」(東京書籍))。

今日はその冒頭の第1曲。冒頭動機とその転回形をモザイクのように組み合わせた、統一性の高い小品(「バッハ事典」(東京書籍))。

知人で子供の頃にピアノのやっていた女性と話していたとき、

「バッハのこの曲辺りで挫折したの。本当に弾くのがしんどい曲だった」

と言っていました。わたくしは鍵盤楽器は弾けませんが、バッハは聴くにはいいですが、演奏をしたいと思えないみたいですね。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータについてあるヴァイオリン奏者の方と話していたら、

「これは人間の弾く曲ではありません」

と苦笑まじりに話していたことを覚えています。この曲は教育的目的があるとはいえ、そう簡単に演奏させてくれないところがバッハらしいと思います。単調な練習曲とは違って、しっかりと美しさ、気品があるところはさすがと思います。

演奏:グスタフ・レオンハルト
使用楽器:マルティン・スコヴロネク、ブレーメン、1962年(J. D. ドゥルケンのモデル、アントアープ、1745年)
録音:1974年11月、オランダ、アムステルダム、ドープスヘヅィンデ教会

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