BWV9 われらに救いの来たれるは
「バッハ:カンタータ全集第1巻」(ニコラウス・アーノンクール、グスタフ・レオンハルト、TELDEC、WPCS-10901/6)
用途:三位一体節後第6日曜日
成立:1732年7月20日、ライプツィヒ(再演:恐らく1735年7月15日、1740〜47年頃)
書簡章句:ローマの信徒への手紙6、3〜11
福音書章句:マタイによる福音書5、20〜26
歌詞:作者不詳。第1、7曲;P. スペラートゥスの同名コラール(1524年)第1、12節(定旋律=BWV251)。第2、4〜6曲;同コラール第2〜9、11節の書き換え
編成:ソプラノ、アルト、テノール、バス、合唱;フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、弦合奏、通奏低音
基本資料:自筆総譜、オリジナル・パート譜
楽曲構成
第1曲:コラール合唱(フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、弦合奏、通奏低音、ホ長調、3/4)
第2曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第3曲:アリア(テノール、ヴァイオリン、通奏低音、ホ短調、12/16)
第4曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第5曲:二重唱(ソプラノ、アルト、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、通奏低音、イ長調、2/4)
第6曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第7曲:コラール(合唱、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、通奏低音、ホ長調、4/4)
基本テキスト;
書簡章句:ローマの信徒への手紙6、3〜11
6:3 それともあなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスに結ばれるために洗礼を受けたわたしたちが皆、またその死にあずかるために洗礼を受けたことを。 6:4 わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。 6:5 もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。 6:6 わたしたちの古い自分がキリストと共に十字架につけられたのは、罪に支配された体が滅ぼされ、もはや罪の奴隷にならないためであると知っています。 6:7 死んだ者は、罪から解放されています。 6:8 わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなると信じます。 6:9 そして、死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない、と知っています。死は、もはやキリストを支配しません。 6:10 キリストが死なれたのは、ただ一度罪に対して死なれたのであり、生きておられるのは、神に対して生きておられるのです。 6:11 このように、あなたがたも自分は罪に対して死んでいるが、キリスト・イエスに結ばれて、神に対して生きているのだと考えなさい。
福音書章句:マタイによる福音書5、20〜26
5:20 言っておくが、あなたがたの義が律法学者やファリサイ派の人々の義にまさっていなければ、あなたがたは決して天の国に入ることができない。」
◆腹を立ててはならない
5:21 「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。 5:22 しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。 5:23 だから、あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、 5:24 その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。 5:25 あなたを訴える人と一緒に道を行く場合、途中で早く和解しなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官に引き渡し、裁判官は下役に引き渡し、あなたは牢に投げ込まれるにちがいない。 5:26 はっきり言っておく。最後の一クァドランスを返すまで、決してそこから出ることはできない。」
「人は信仰によってのみ義とされる」というルター福音主義の基本命題が、このカンタータの主題となっています。
コラール・カンタータ年巻への補いとして恐らく1732年に書かれたとされています。その理由として、1724年の当該日曜日にバッハがケーテンへ演奏旅行し、新作を提供できなかったからとされています。晩年の再演時にはオルガンの役割が強化されています。(「バッハ事典(東京書籍)」)
7曲の内の3曲がレチタティーヴォで、そのすべてをバスが担当しています。
演奏:
ソプラノ:レーゲンスブルク大聖堂少年合唱団隊員
アルト:ポール・エスウッド
テノール:クルト・エクヴィルツ
バス:マックス・ファン・エグムント
合唱:ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団
合唱指揮:デイヴィッド・ウィルコック
レオンハルト合奏団
指揮:グスタフ・レオンハルト
録音:1970−1971年

