BWV20 おお永遠、そば雷の言葉
「バッハ:カンタータ全集第2巻」(ニコラウス・アーノンクール、グスタフ・レオンハルト、TELDEC、WPCS-10907/12)
用途:三位一体節後第1日曜日
初演:1724年6月11日、ライプツィヒ
書簡章句:ヨハネの手紙一 4、16〜21
福音書章句:ルカによる福音書16、19〜31
歌詞:作者不詳。第1、7、11曲;J. リストのコラール「おお永遠、そば雷の言葉」(1642)第1、11、16節(定旋律=BWV397)。第2〜6、8〜10曲;同コラールの引用を含む書き換え。
編成:アルト、テノール、バス、合唱;スライド・トランペット、オーボエ3、弦合奏、通奏低音
基本資料:自筆総譜、オリジナル・パート譜
構成:
第1部:
第1曲:コラール合唱(トランペット、オーボエ3、弦合奏、通奏低音、ヘ長調、4/4-3/4-4/4)
第2曲:レチタティーヴォ(テノール、通奏低音)
第3曲:アリア(テノール、弦合奏、通奏低音、ハ短調、3/4)
第4曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第5曲:アリア(バス、オーボエ3、通奏低音、変ロ長調、4/4)
第6曲:アリア(アルト、弦合奏、通奏低音、ニ短調、3/4)
第7曲:コラール(合唱、トランペット、ボーボエ3、弦合奏、通奏低音、ヘ長調、4/4)
第2部
第8曲:アリア(バス、トランペット、オーボエ3、弦合奏、通奏低音、ハ長調、4/4)
第9曲:レチタティーヴォ(アルト、通奏低音)
第10曲:二重唱(アルト、テノール、通奏低音、イ短調、3/4)
第11曲:コラール(合唱、トランペット、オーボエ3、弦合奏、通奏低音、ヘ長調、4/4)
基本テキスト;
書簡章句:ヨハネの手紙一 4、16〜21
4:16 わたしたちは、わたしたちに対する神の愛を知り、また信じています。神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。 4:17 こうして、愛がわたしたちの内に全うされているので、裁きの日に確信を持つことができます。この世でわたしたちも、イエスのようであるからです。 4:18 愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。 4:19 わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。 4:20 「神を愛している」と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。 4:21 神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です。
福音書章句:ルカによる福音書16、19〜31
◆金持ちとラザロ
16:19 「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。 16:20 この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、 16:21 その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。 16:22 やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。 16:23 そして、金持ちは陰府でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。 16:24 そこで、大声で言った。『父アブラハムよ、わたしを憐れんでください。ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの炎の中でもだえ苦しんでいます。』 16:25 しかし、アブラハムは言った。『子よ、思い出してみるがよい。お前は生きている間に良いものをもらっていたが、ラザロは反対に悪いものをもらっていた。今は、ここで彼は慰められ、お前はもだえ苦しむのだ。 16:26 そればかりか、わたしたちとお前たちの間には大きな淵があって、ここからお前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの方に越えて来ることもできない。』 16:27 金持ちは言った。『父よ、ではお願いです。わたしの父親の家にラザロを遣わしてください。 16:28 わたしには兄弟が五人います。あの者たちまで、こんな苦しい場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。』 16:29 しかし、アブラハムは言った。『お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい。』 16:30 金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』 16:31 アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」
コラール・カンタータ年巻の第2年巻の第1作。フランス風序曲から始まり、2部構成となっています。
「永遠」という畏敬すべき言葉を、歌詞作者は恐怖の対象として捉えた。すなわち、罪に悩むこの世の人間にとって、永遠とはおそるべき言葉であり、最後の審判のあとに待つのは、罪の報いたる責苦と災いにほかならないーこうした恐れ、苦悩を、第1部は扱う。そして、最後の審判のラッパの響きとともに始まる第2部において、現世の超克が促され、財貨への執着が戒められるのである
「バッハ事典(東京書籍)」
2部構成になっており、かなり長大でスケールの大きな曲。トランペットの使い方が実に印象的
演奏:
アルト:ポール・エスウッド
テノール:クルト・エクヴィルツ
バス:マックス・ファン・エグムント
合唱:ウィーン少年合唱団、ウィーン合唱隊
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
指揮:ニコラウス・アーノンクール
録音:1971−1972年

