アレッサンドリーニによる「フーガの技法」を聴く
「THE ART OF FUGUE KEYBOARD CONCERTOS」(Concerto Italiano, Rinaldo Alessandrini,
Naïve, OP 20011)
「フーガの技法(BWV1080)」は、「音楽の捧げもの(BWV1079)」と並んでバッハ晩年の大作として知られています。未完であるとも言われ、指定楽器が楽譜に記載されていないことから、これまで様々な楽器で録音されています。
レオンハルトは、独自の研究からこの曲が鍵盤楽器用に作曲されたものであるとし、更にこの曲は未完ではなく完結した作品であるとして、録音では「未完のフーガ」と言われている部分を録音していません。
「フーガの技法&クラヴィーア練習曲集 第2巻」(グスタフ・レオンハルト、DHM BVCD-7007-08)
最初にこの曲を聴いたのがレオンハルトによる上のCDであったので、これまであまり他の演奏を聴くことはありませんでしたが、今回はちょっと浮気をして、鍵盤楽器以外で演奏されたCDを選びました。
ここでは、アレッサンドリーニは自分の手兵であるコンツェルト・イタリアーノを率いて演奏しています。チェンバロの演奏に慣れていたので、最初は違和感があったのですが、やはりこの団体は実に演奏がうまいですね。落ち着いた演奏で好感が持てます。
このCDは二枚組で、一枚目が「フーガの技法」、二枚目にはチェンバロ協奏曲BWV1052、1057、1054、三重協奏曲BWV1044が収録されています。こちらも中々優れた演奏。イタリア勢のバッハは?という印象が大きかったのですが、ヴィヴァルディなどのイタリアの作曲家に対する演奏とは異なっていますね。その辺りもきちんと区別しているのでしょう。彼らの「ブランデンブルク協奏曲」もかなり秀逸な演奏で、お勧めです。
なお、このCDですが、以前は「OPUS111」から出ていたようですが、わたくしの所有しているCDには「Naïve」と記載されています(吸収しましたからね)。
基本的にこのブログでは、バッハの意図した楽器で演奏したものを紹介するようにしていますが、たまにはこういうCDを聴いてみるものも楽しいですね。
なお、上で挙げたレオンハルトの「フーガの技法」に関する文献は、「The art of fugue, Bach's last harpsichord work : an argument」(Gustav M. Leonhardt、The Hague : M. Nijhoff, 1952)で、日本ですと国立音楽大学から入手できます。実際手元にあるのですが、これを読んだだけでは中々レオンハルトの主張するところが理解しずらいのです。なぜなら複数の楽譜を比較しながら議論を進めているので、実際に引用されている楽譜がないとピンときません。彼の主張は、上で紹介したCDの解説で簡潔にわかりやすく書かれているので、そちらの方が手っ取り早いかもしれません。
また「フーガの技法研究所」というサイトで詳しく述べられているので、そちらも参照してみてください

