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もはやチェンバロは過去の遺産なのか?

2008年08月06日

わたくしが持っているCDの中で圧倒的に多い作曲家はバッハです。余裕がある範囲内でできるだけ買っているのですが、到底この大作曲家の音源を全て網羅することは不可能でしょう。

このところ、毎週月、火曜日と平均律クラヴィーア曲集を聴いているのですが、メインとなっているのはレオンハルトによる名演。それとこのところよく聴いているリチャード・エガーのもの。この二人の演奏を隔週で聴いています。この「鍵盤楽器のための旧約聖書」とされる作品ですので、録音も圧倒的に多い。

のですが、実はCDショップに行くとチェンバロによる演奏がほとんどないのです。バッハの鍵盤音楽の中でも群を抜く作品ですので、おいそれと録音できないのは理解できますが、ほとんどがピアノによるもの。レオンハルト盤については、大抵どこへ行っても見つけることができるのですが、他の演奏家によるものがほとんど見当たらないのです。あっても、1巻のみ。もちろんよほどのことがないかぎり、1巻を録音した演奏家であれば、2巻も構想に入っているでしょうし、エガーも1巻しか発売になっていませんが、先日コンサート後に聞いたところ、2巻の録音は済んでいて、そろそろ発売になると思うとのことでした。後入手しやすいのは、アスペレンくらいでしょうか・・・

ピアノでの演奏については、苦労せずに手に入るのです。しかし、個人的にチェンバロという楽器に愛着を持ち、古楽器による演奏にストーカーともいえる執着心を持っているわたしくとしては実に哀しく思います。おそらくチェンバロによる録音は過去にいくつもあったのでしょうが(ピノックやコープマンなど)、すでに廃盤となっているのでしょう。

これ以外にも、インヴェンションとシンフォニアも壊滅的(これもレオンハルト盤を見かけるくらい)ですね。

これに対して入手に苦労しないのが、ゴルトベルク変奏曲。こちらはチェンバロの演奏がたくさんあり、入手に苦労しません。メジャーなタイトルのものですと、イギリス組曲、フランス組曲、パルティータ、イタリア協奏曲などは、まだチェンバロ演奏のものは入手しやすいかなと思います。それでもピアノ演奏の録音に比べると、劣勢の感は否めません。「グールド・フェア」でもやっているのか?と思うくらいにバッハのチェンバロ曲のコーナーは、グールドに汚染されていますねえ・・・。すごいファンがいるので怒られそうですが、彼の演奏を聴いて感動を覚えることが全くできなかったのです。

話がそれましたが、平均律クラヴィーア曲集の全集。若い世代の優れた演奏家がもっと積極的に録音して欲しいですし、廃盤になってしまったものも、もう一度再発していただきたい、と思う次第です。

ピーエル・アンタイ、オリビエ・ボーモン、クリストフ・ルセ。あなた達、次世代を担うチェンバリストなのです、気合を入れて録音してください。期待していますから

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コメント (2)
» 投稿者: ogawa_j

バッハの鍵盤楽器のための作品の演奏、チェンバロよりピアノによるものが圧倒的に多いという状態に対しては、私も全く同感です。あるCD販売のサイトでざっと見たところ、ピアノ3に対してチェンバロ1という比率でした。
渋谷のタワー・レコードのような店でも、バッハの鍵盤楽器のための作品の棚で、やたらとグレン・グールドのCDが目立ちます。私は彼の演奏を必ずしも否定はしませんが、いささか多すぎると思います。
どうも一般的には、チェンバロはピアノの登場によって廃れてしまった、古い楽器という認識があるのでしょうね。「私的CD評」はささやかな努力ですが、それによってチェンバロに注目する人が少しでも出てくれたら、と思って紹介いるのですが・・・。
ところで、ピエール・アンタイは「巧みに調律された鍵盤楽器のための前奏曲とフーガ」の第1集を録音しています。Mirareと言うレーベルから出ていまして、渋谷のタワー・レコードやHMVで見かけましたし、Amazon、HMVのネット・ストアーでも購入出来るようです。値段はちょっと高いですが・・・。

» 投稿者: くらいんべりぃ

おはようございます。
コメントありがとうございます。

オリジナル楽器による演奏が、過去ほどは特殊な領域でなくなっているのは事実だとは思いますが、この曲については、鍵盤楽器を演奏する人にとっての、一つの到達点(ヴァイオリンでいうと、無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ)のような感じで、ピアノを弾く人達にとっても、大きな目標であるのかもしれないですね。そういう意味で、ピアノでの録音数が多いのだと思っています。
ただ、やはり何か寂しさを感じます。

わたくしも、このブログはもちろん、「素晴らしき古楽の世界」で、なるべくチェンバロやクラヴィコードを取り上げているつもりなのですが、チェンバロはピアノより劣るというのが、一般の認識みたいですね。音を鳴らす仕組みなど、ピアノと大きく違う点が多く、単純に比較できる楽器ではないと思っています。鍵盤楽器という一つのカテゴリーでくくられているだけで、まったく別物なのですが・・・。同じ鍵盤楽器で、パイプオルガンとピアノを同等に扱う人はいないのに、チェンバロはどうもピアノに比べて劣勢ですね。そういう意味では、ひたすら批判に耳を傾けず、チェンバロを突き詰めているレオンハルトに共感を覚えるのです。

ピエール・アンタイのものについては、第1巻は入手しています。割と前に録音されたものだった記憶があって、早く第2巻が出るのが楽しみなのですが・・・

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