BWV50 いまや、われらの神の救いと力と(単一楽章)
「バッハ:カンタータ全集第3巻」(ニコラウス・アーノンクール、グスタフ・レオンハルト、TELDEC、WPCS-10913/8)
用途:おそらくミカエルの祝日
初演:1723年9月29日?、ライプツィヒ
書簡章句:ヨハネの黙示録12、7〜12
福音書章句:マタイによる福音書18、1〜11
歌詞:ヨハネの黙示録12、10
編成:二重合唱、トランペット3、ティンパニ、オーボエ3、弦合奏、通奏低音
基本資料:C. G. ゲルラッハによる総譜の写し(1750年以降)。18世紀後半の総譜の写し
ニ長調、3/4
基本テキスト;
書簡章句:ヨハネの黙示録12、7〜12
12:7 さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、
12:8 勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。
12:9 この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者は、投げ落とされた。地上に投げ落とされたのである。その使いたちも、もろともに投げ落とされた。
12:10 わたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。神のメシアの権威が現れた。我々の兄弟たちを告発する者、/昼も夜も我々の神の御前で彼らを告発する者が、/投げ落とされたからである。
12:11 兄弟たちは、小羊の血と/自分たちの証しの言葉とで、/彼に打ち勝った。彼らは、死に至るまで命を惜しまなかった。
12:12 このゆえに、もろもろの天と、/その中に住む者たちよ、喜べ。地と海とは不幸である。悪魔は怒りに燃えて、/お前たちのところへ降って行った。残された時が少ないのを知ったからである。」
福音書章句:マタイによる福音書18、1〜11
◆天の国でいちばん偉い者
18:1 そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と言った。
18:2 そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、
18:3 言われた。「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。
18:4 自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。
18:5 わたしの名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。」
◆罪への誘惑
18:6 「しかし、わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、深い海に沈められる方がましである。
18:7 世は人をつまずかせるから不幸だ。つまずきは避けられない。だが、つまずきをもたらす者は不幸である。
18:8 もし片方の手か足があなたをつまずかせるなら、それを切って捨ててしまいなさい。両手両足がそろったまま永遠の火に投げ込まれるよりは、片手片足になっても命にあずかる方がよい。
18:9 もし片方の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出して捨ててしまいなさい。両方の目がそろったまま火の地獄に投げ込まれるよりは、一つの目になっても命にあずかる方がよい。」
◆「迷い出た羊」のたとえ
18:10 「これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父の御顔を仰いでいるのである。
<18:11> 人の子は、失われたものを救うために来た。
単一の合唱楽章のみが伝承されている作品です。
資料がいずれもバッハの死後作成された筆写譜であるため、オリジナルの形態を推測することは難しい。編成からみて、おそらく何らかの祝典的なカンタータの冒頭楽章、ないし終曲であったと考えられる。歌詞と礼拝との対応からすれば、そのカンタータは「ミカエルの祝日」用であった可能性が高く、その場合は、当日用のカンタータの欠けている1723年が、成立年の候補となる。ただし、全曲はケーテン候レーオポルトのための誕生日祝祭カンタータBWV Anh. 5 (1718年12月10日初演;歌詞のみ現存)のパロディーであったらしい。なお現存する二重合唱のための版は他者による編曲で、第2・第3トランペットとティンパニも、編曲時に加えられたと推定される(以上は、基本的にはW. シャイデの説によるが、K. ホーフマンはBJ1994で、上記の編曲はバッハ自身の手によるものであり、曲はカンタータならざる独立局であるとの新説を発表している)。
バッハ事典(東京書籍)
引用が長くなりましたが、力強いバスに導かれ、華麗な合唱へと展開します。トランペット3本、ティンパニを従えて堂々とした曲です。これだけ華麗で堂々とした曲の全体を知りたいと思います。ここで聴けるのは、単一楽章のみですが、その中にも様々な変化に飛んでいて、聴いていて楽しい曲です
演奏:
ウィーン少年合唱団、ウィーン合唱隊
合唱指揮:ハンス・ギレスベルガー
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
指揮:ニコラウス・アーノンクール
録音:1974−1975年

