BWV51 全地よ、神にむかいて歓呼せよ
「バッハ:カンタータ全集第3巻」(ニコラウス・アーノンクール、グスタフ・レオンハルト、TELDEC、WPCS-10913/8)
用途:三位一体節後第15日曜日、およびすべての機会
初演:1730年9月17日?、ライプツィヒ?
書簡章句:ガラテヤの信徒への手紙5、25〜6、10
福音書章句:マタイによる福音書6、24〜34
歌詞作者不詳。第4曲;J. グラマンのコラール「いざ、わが魂よ、主を頌めまつれ」(1530)への付加節(1548)(定旋律=BWV389)
編成:ソプラノ、トランペット、弦合奏、通奏低音
基本資料:自筆総譜、オリジナル・パート譜
構成:
第1曲:アリア(トランペット、弦合奏、通奏低音、ハ長調、4/4)
第2曲:レチタティーヴォ(弦合奏、通奏低音)
第3曲:アリア(通奏低音、イ短調、12/8)
第4曲:コラール(ヴァイオリン2、通奏低音、ハ長調、3/4)
第5曲:アリア(トランペット、弦合奏、通奏低音、ハ長調、2/4)
基本テキスト;
書簡章句:ガラテヤの信徒への手紙5、25〜6、10
5:25 わたしたちは、霊の導きに従って生きているなら、霊の導きに従ってまた前進しましょう。
5:26 うぬぼれて、互いに挑み合ったり、ねたみ合ったりするのはやめましょう。
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◆信仰に基づいた助け合い
6:1 兄弟たち、万一だれかが不注意にも何かの罪に陥ったなら、メ霊モに導かれて生きているあなたがたは、そういう人を柔和な心で正しい道に立ち帰らせなさい。あなた自身も誘惑されないように、自分に気をつけなさい。
6:2 互いに重荷を担いなさい。そのようにしてこそ、キリストの律法を全うすることになるのです。
6:3 実際には何者でもないのに、自分をひとかどの者だと思う人がいるなら、その人は自分自身を欺いています。
6:4 各自で、自分の行いを吟味してみなさい。そうすれば、自分に対してだけは誇れるとしても、他人に対しては誇ることができないでしょう。
6:5 めいめいが、自分の重荷を担うべきです。
6:6 御言葉を教えてもらう人は、教えてくれる人と持ち物をすべて分かち合いなさい。
6:7 思い違いをしてはいけません。神は、人から侮られることはありません。人は、自分の蒔いたものを、また刈り取ることになるのです。
6:8 自分の肉に蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、霊に蒔く者は、霊から永遠の命を刈り取ります。
6:9 たゆまず善を行いましょう。飽きずに励んでいれば、時が来て、実を刈り取ることになります。
6:10 ですから、今、時のある間に、すべての人に対して、特に信仰によって家族になった人々に対して、善を行いましょう。
福音書章句:マタイによる福音書6、24〜34
◆神と富
6:24 「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」
◆思い悩むな
6:25 「だから、言っておく。自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。
6:26 空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。
6:27 あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。
6:28 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。
6:29 しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。
6:30 今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。
6:31 だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。
6:32 それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。
6:33 何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。
6:34 だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。
ソプラノ独奏用カンタータ。
用紙の透かしから、初演は1730年頃と推定される。しかしその用途は、明確ではない。自筆総譜には、「三位一体節後第15日曜日、およびすべての機会に(... et In ogni Tempo)」と記入されているが、歌詞は当日の福音書章句とさしたる関連をもっておらず、本来別の用途のために書かれた作品が、教会歴にあてはめられたと考えられる。ソリストに要求される技巧と音域が前後の作品から際立っているため、ライプツィヒ以外の地の名歌手のために書かれたとする推測が有力である。その候補地は、(1)イタリア人名カストラート(G. ビンディ)のいたドレースデン宮廷、(2)優れたトランペット奏者とソプラノ歌手を擁していたヴァイセンフェルス宮廷(マグダレーナの故郷で、バッハは当地の宮廷作曲家の肩書きをもっていた)などである。
バッハ事典(東京書籍)
引用にあるように、ソプラノの素晴らしい歌唱力が際立っている作品です。また、第1、5曲でのトランペットも目の覚めるような演奏で目をみはるものがあります。第4曲での2挺のヴァイリンを従えたコラールも見事です。二つのヴァイオリンのための協奏曲のような感じです。全体を通して編成は小さいですが、聴き応えのある名曲です
演奏:
ソプラノ;マリアンネ・クヴェクジルバー
レオンハルト・コンソート
指揮:グスフタフ・レオンハルト
録音:1974−1975年

