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フレットワークによる《BWV1080フーガの技法》を聴く

2009年04月09日

「バッハ:フーガの技法(6つのヴィオラ・ダ・ガンバ版)」(フレットワーク、harmonia mundi FRANCE、HMU907296)

「BWV1080 フーガの技法」は、楽譜に楽器指定がされておらず、様々な楽器で演奏されてきました。以前、「アレッサンドリーニによる「フーガの技法」を聴く」のところで触れましたが、現在では様々な研究の結果、この作品が鍵盤楽器のためであるとされています。レオンハルトは独自に検証し、この曲が鍵盤楽器用に作曲されたものであるとして、その結論にしたがって、いわゆる「未完のフーガ」を除いて録音しています。

このブログでは、基本的なポリシーとして、バッハの作曲意図を尊重して、できるだけ指定された楽器で演奏されたもの(もちろん古楽器によるもの)を取り上げることにしています。しかし、今回は、最近買った「フーガの技法」のCDがあまりにも素晴らしかったので、紹介したいと思います。

演奏はイギリスのヴィオラ・ダ・ガンバのスペシャリスト集団「フレットワーク」によるもの。6人のガンバ奏者からなっています。様々な録音を精力的に行っています。

さて、このフーガの技法ですが、鍵盤楽器のための作品であるということが一般的な結論とされた後でも、様々な形で録音されています。わたくしが所有しているだけでも、

・ラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクァ・ケルン(Archiv、1984)
・サヴァール指揮、エスペリオンXX(Astree、1986)
・アレッサンドリーニ指揮、コンチェルト・イタリアーノ(Opus111、 1999)
・コレギウム・アウレウム(DHM、1962)

があります。上述のように、オリジナル編成での演奏を尊重しているのですが、実はこのフーガの技法は、上で挙げたように色んな編成で演奏しても、その対位法の極みが損なわれることなく、実に素晴らしいのです。もしレオンハルトの研究結果がなく、未だに指定楽器が不明であったとして、こうした「合奏」で演奏されることが当然だとしても、それが普通に受け止められてしますのです。

もちろんこれはバッハの作品の「普遍性」によるところが大きいと思います。バッハの作品は様々な形で編曲されますが、それでもバッハの崇高な音楽性が失われることがないからです。

さて、このフレットワークによる録音ですが、正直なところびっくりしました。6人のガンバ奏者による演奏なのですが、バッハが対位法を最大限にまで高めて書いた作品の素晴らしさが全面に出ているのです。レオンハルトによる演奏がわたくしの中での究極の一枚なのですが、それを除けば、ある意味この曲の演奏の中ではトップを走る決定版、といってもいいくらいに素晴らしいできです。ガンバが複雑に絡み合って、バッハが究めた対位法を存分に堪能できます。さらにガンバの持つ独特の物悲しい響きが、さらに曲の素晴らしさを高めています。

このCDですが、個人的にはあまり大きな音で聴くよりも、音量を落としてしっとりと聴くのがいいと感じました

演奏;
フレットワーク

録音;
2001年12月16〜19日、Snapes Maltings Concert Hall, Snape, Saxmuntham, Suffork, UK

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