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クイケン、ラ・プティット・バンドによるミサ曲ロ短調を聴く

2009年08月22日
KuijkenBminor.jpg

「JPHANN SEBASTIAN BACH h-Moll-Messe」(La Petite Bande Sigiswald Kuijen, Challenge Classics, CC72316)

少し前に入手したクイケンらによる「ミサ曲ロ短調 BWV232」を紹介したいと思います。チャレンジ・クラシックスでの大作録音の2作目となります(1作目は、モンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』)。

この曲の概要については、以前レオンハルト盤で取り上げましたのでそちらを参照してください。

演奏の特徴ですが、大きく二つあります。

一つ目は、声楽パートが、OVPP(One Voice Per Part)を採用していること。これはクイケンだけの特徴ではなく、最近OVPPによる録音が非常に多く(恐らく新しい録音はほとんどがこちらを採用していると思います)、「特徴」というには語弊があるかもしれないですね。声楽陣の編成は下記の通りです;

第1部:ミサ(Missa、キリエ(Kyrie)、グローリア(Gloria));ソプラノ2、アルト、テノール、バス

第2部:ニケーア信教(Symbolum Nicenum);ソプラノ2、アルト、テノール、バス

第3部:(サンクトゥス(Sanctus));ソプラノ2、アルト2、テノール、バス

第4部:(オサンナ(Osanna)、ベネディクトゥス(Benedictus)、アニュス・デイ(Agnus Dei));ソプラノ2、アルト2、テノール2、バス2

となっています。第1部のソプラノは、コンチェルティストが、Gerlinde Sämannで、リピエニストが3人から成っていて、こちらはそれぞれの曲に応じて、担当者が変わります(Patrizia Hardt (第1、2、6曲), Elizabeth Hermans (第3、4、5、7、12曲), GerlindeGerlinde Sämann (第9曲))。

二つ目は、チェロの代わりに、「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」を用いているということです。クイケンはこの楽器の導入に積極的で、このブログでも紹介していますが、「無伴奏チェロ組曲 」(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ、シギスヴァルト・クイケン、ACCENT、ACC24196)や、同じACCENTに録音したヴィヴァルディの四季でも用いています。ただし、今回紹介している録音では、クイケンはヴァイオリンを担当していて、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラはMarian Minnenが弾いています。

この楽器が実際のところどうなのか?(かなり曖昧な表現ですが?)ということもありますが、個人的には、過去の様々な資料を基に、色んなアプローチをして、その演奏を聴く機会が増えることは大いに結構だと思っています。なおこの楽器については、私的CD評さんが、「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラとバッハの無伴奏チェロ組曲 」で詳しく解説されていますので、是非ご一読下さい。

楽器の編成も小さく、声楽陣も上で述べた人数で行っており、かなり規模としては小さいですね。その分、全体の統一感が素晴らしく、演奏、声楽ともに優れていると思います

録音場所;San Lorenzo de El Escorial (Spain), Teatro Auditorio
録音年月日;2008/3/16-19

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コメント (2)
» 投稿者: ogawa_j

ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラについての「私的CD評」へのリンクをしていただきありがとうございます。先日NHK BShiで昨年東京で行われたラ・プティ・バンドの演奏会で、ヴィヴァルディの「四季」とチェロ協奏曲を、ジギスヴァルト・クイケンがヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを演奏している模様を放送していました。テレビのスピーカーで聞いている範囲では、楽器が小さいことによる響きはあまり気になりませんでした。
 ところで「ロ短調ミサ」は、確かジョシュア・リフキンが、最初のOVPPによるバッハの演奏をした曲だと記憶しています。まあ、この曲はバッハが生きている間には一度も演奏されたことがなかったと思われますので、初演の際の編成というものはないのですが、私にはOVPPにすることには無理があるように思われます。演奏自体の良し悪しとは、関係ないかも知れませんが・・・。私が今最も良いと思っている演奏は、「バッハのロ短調ミサ曲をオリジナル編成で聴く」で紹介したhyperionのロバート・キング指揮の男声のみによる演奏ですね。ちょっと編成が大きすぎますが・・・。

» 投稿者: くらんべりぃ

コメント有難うございます。

多忙でばたばたしておりまして、返信が遅れまして申し訳ございません。

OVPPによる録音ですが、当時の編成に関する議論以前の問題があるように思っています。大編成の合唱団を、それなりのレベルにまで持っていくのが大変であることを考慮すると、OVPPで成人の優れた声楽陣を集めれば済みますからね。しかも人数が少ないので、高いレベルを持った声楽陣をすぐに召集できる、ということが大きなネックになっている気がしています。

レオンハルト、アーノンクールの教会カンタータ全集を聴いてみると、合唱のレベルにばらつきを感じる時がいくつかありました。20年近くかけて録音しているので仕方がないのかもしれないですが、こうしたばらつきを抑えるためには、少数でやる方が、録音の企画をする際に楽なのかもしれないですね

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