BWV84 われはわが命運に満ち足れり
「バッハ:カンタータ全集第5巻」(ニコラウス・アーノンクール、グスタフ・レオンハルト、TELDEC、WPCS-10925/30)
用途:復活節前第9日曜日
初演:1727年2月9日、ライプツィヒ
書簡章句:コリントの信徒への手紙一、9、24〜10、5
福音書章句:マタイによる福音書20、1〜16
歌詞;ピガンダー1728に基づく。第5曲;エミーリエ・ユリアーネ・シュヴァルツブルク=ルードルシュタットのコラール「たれぞ知らん、わが終わりの近づけるを」(1686)第12節(定旋律=「尊き御神の統べしらすままにまつろい」、BWV434)
編成:ソプラノ、合唱、オーボエ、弦合奏、通奏低音
基本資料:自筆総譜、オリジナル・パート譜
構成:
第1曲:アリア(オーボエ、弦合奏、通奏低音、ホ短調、3/4)
第2曲:レチタティーヴォ(通奏低音)
第3曲:アリア(オーボエ、弦合奏、通奏低音、ト長調、3/8)
第4曲;レチタティーヴォ(弦合奏、通奏低音)
第5曲;コラール(合唱、オーボエ、弦合奏、通奏低音、ロ短調、4/4)
基本テキスト;
書簡章句:コリントの信徒への手紙一、9、24〜10、5
9:24 あなたがたは知らないのですか。競技場で走る者は皆走るけれども、賞を受けるのは一人だけです。あなたがたも賞を得るように走りなさい。
9:25 競技をする人は皆、すべてに節制します。彼らは朽ちる冠を得るためにそうするのですが、わたしたちは、朽ちない冠を得るために節制するのです。
9:26 だから、わたしとしては、やみくもに走ったりしないし、空を打つような拳闘もしません。
9:27 むしろ、自分の体を打ちたたいて服従させます。それは、他の人々に宣教しておきながら、自分の方が失格者になってしまわないためです。
[ 10 ]
◆偶像への礼拝に対する警告
10:1 兄弟たち、次のことはぜひ知っておいてほしい。わたしたちの先祖は皆、雲の下におり、皆、海を通り抜け、
10:2 皆、雲の中、海の中で、モーセに属するものとなる洗礼を授けられ、
10:3 皆、同じ霊的な食物を食べ、
10:4 皆が同じ霊的な飲み物を飲みました。彼らが飲んだのは、自分たちに離れずについて来た霊的な岩からでしたが、この岩こそキリストだったのです。
10:5 しかし、彼らの大部分は神の御心に適わず、荒れ野で滅ぼされてしまいました。
福音書章句:マタイによる福音書20、1〜16
◆「ぶどう園の労働者」のたとえ
20:1 「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。
20:2 主人は、一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った。
20:3 また、九時ごろ行ってみると、何もしないで広場に立っている人々がいたので、
20:4 『あなたたちもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を払ってやろう』と言った。
20:5 それで、その人たちは出かけて行った。主人は、十二時ごろと三時ごろにまた出て行き、同じようにした。
20:6 五時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので、『なぜ、何もしないで一日中ここに立っているのか』と尋ねると、
20:7 彼らは、『だれも雇ってくれないのです』と言った。主人は彼らに、『あなたたちもぶどう園に行きなさい』と言った。
20:8 夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。
20:9 そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。
20:10 最初に雇われた人たちが来て、もっと多くもらえるだろうと思っていた。しかし、彼らも一デナリオンずつであった。
20:11 それで、受け取ると、主人に不平を言った。
20:12 『最後に来たこの連中は、一時間しか働きませんでした。まる一日、暑い中を辛抱して働いたわたしたちと、この連中とを同じ扱いにするとは。』
20:13 主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。
20:14 自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。
20:15 自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』
20:16 このように、後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」
ソプラノ独唱用のカンタータ。第3年巻に含まれます。
天国は人の業応じては開かれないと語る当日の福音書章句をもとに、おのがものに満足すべしとの教えを展開する。台本は1728年に出版されたピガンダーの詩集に基づくが、細部はかなり異なっている。器楽パートは簡素で、合唱は終結コラールのみで用いられている。
バッハ事典(東京書籍)
簡素な楽器編成ですが、オーボエが実にうまく使われています。第3曲目のアリアでは、オーボエに独奏ヴァイオリンが加わり、見事な美しさを醸し出しています。わずか二つの楽器ですが、極上の美しさがあります
ソプラノ;ヴィルヘルム・ヴィードル(テルツ少年合唱団員)
テルツ少年合唱団(合唱指揮;ゲルハルト・シュミット=ガーデン)
ウィーン・コンチェントゥス・ムジクス
指揮:ニコラウス・アーノンクール
録音:1977−1978年

