BWV85 われは善き牧者なり
「バッハ:カンタータ全集第5巻」(ニコラウス・アーノンクール、グスタフ・レオンハルト、TELDEC、WPCS-10925/30)
用途:復活節後第2日曜日
初演:1725年4月15日、ライプツィヒ
書簡章句:ペテロの手紙一、2、21〜25
福音書章句:ヨハネによる福音書10、12〜16
歌詞;作者不詳。第1曲;ヨハネによる福音書10、12。第3曲;C. ベッカーのコラール「主はわが真実なる牧者にいませば」(1598)第1節(定旋律=ドイツ語グローリア「いと高きところでは神にのみ栄光あれ」(BWV260)。第6曲;E. Ch. ホルムブルクのコラール「神はわが盾、護り手なり」(1658)第4節(定旋律=「100の宗教的アリア」(ドレースデン、1694)所収)
編成:ソプラノ、アルト、テノール、バス、合唱、オーボエ2、ヴィオロンチェロ・ピッコロ、弦合奏、通奏低音
基本資料:自筆総譜、オリジナル・パート譜
構成:
第1曲:アリア(バス、オーボエ2、弦合奏、通奏低音、ハ短調、4/4)
第2曲:アリア(アルト、ヴィオロンチェロ・ピッコロ、通奏低音、ト短調、4/4)
第3曲:コラール(ソプラノ、オーボエ2、通奏低音、変ロ長調、3/4)
第4曲;レチタティーヴォ(テノール、弦合奏、通奏低音)
第5曲;アリア(テノール、弦合奏、通奏低音、変ホ長調、9/8)
第5曲;コラール(合唱、オーボエ2、弦合奏、通奏低音、ハ短調、4/4)
基本テキスト;
書簡章句:ペテロの手紙一、2、21〜25
2:21 あなたがたが召されたのはこのためです。というのは、キリストもあなたがたのために苦しみを受け、その足跡に続くようにと、模範を残されたからです。
2:22 「この方は、罪を犯したことがなく、/その口には偽りがなかった。」
2:23 ののしられてもののしり返さず、苦しめられても人を脅さず、正しくお裁きになる方にお任せになりました。
2:24 そして、十字架にかかって、自らその身にわたしたちの罪を担ってくださいました。わたしたちが、罪に対して死んで、義によって生きるようになるためです。そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました。
2:25 あなたがたは羊のようにさまよっていましたが、今は、魂の牧者であり、監督者である方のところへ戻って来たのです。
福音書章句:ヨハネによる福音書10、12〜16
10:12 羊飼いでなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。——狼は羊を奪い、また追い散らす。——
10:13 彼は雇い人で、羊のことを心にかけていないからである。
10:14 わたしは良い羊飼いである。わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている。
10:15 それは、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じである。わたしは羊のために命を捨てる。
10:16 わたしには、この囲いに入っていないほかの羊もいる。その羊をも導かなければならない。その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。
「牧者としてのイエス」を取り上げたカンタータ。
こうした「牧者」の譬えは田園的で穏やかなイメージを想起させるもので、実際BWV104と112ではそのイメージで詩と音楽が綴られた。しかし、このBWV85は牧者のイメージとしてのイエスの本質をその「犠牲死」に見、他の2作にはない教訓的な要素を盛り込みつつ展開されている。
バッハ事典(東京書籍)
器楽編成は簡素ですが、オーボエ、弦楽器を巧みに使って、引用にある牧者のイエスのイメージを表現しています。
2曲目のアリアでは、アーノンクールの弾くヴィオロンチェロ・ピッコロが、非常に印象的な旋律を奏で、アルトの美しい歌声に華を添えます
ソプラノ;ヴィルヘルム・ヴィードル(テルツ少年合唱団員)
アルト;ポール・エスウッド
テノール;クルト・エクヴィルツ
バス;リュート・ファン・デア・メール
テルツ少年合唱団(合唱指揮;ゲルハルト・シュミット=ガーデン)
ウィーン・コンチェントゥス・ムジクス
指揮:ニコラウス・アーノンクール
録音:1977−1978年

