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BWV99 神なしたもう御業こそ いと善けれ

2010年01月02日

 

「バッハ:カンタータ全集第5巻」(ニコラウス・アーノンクール、グスタフ・レオンハルト、TELDEC、WPCS-10925/30)

用途:三位一体節後第15日曜日
初演:1724年9月17日、ライプツィヒ(再演;1732/35年)
書簡章句:ガラテヤの信徒への手紙5、25〜6、10
福音書章句:マタイによる福音書6、24〜34
歌詞;作者不詳。第1、6曲;S. ローディカストの同名コラール(1674)第1、6節(定旋律=BWV250)。第2〜5曲;同コラール第2〜5節の書き換え。
編成:ソプラノ、アルト、テノール、バス、合唱、ホルン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、弦合奏、通奏低音
基本資料:自筆総譜、オリジナル・パート譜
構成:
第1曲:コラール合唱(ホルン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、弦合奏、通奏低音、ト長調、4/4)
第2曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第3曲:アリア(テノール、フラウト・トラヴェルソ、通奏低音、ホ短調、3/8)
第4曲;レチタティーヴォ(アルト、通奏低音)
第5曲;二重唱(ソプラノ、アルト、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、通奏低音、ロ短調、4/4)
第6曲;コラール(合唱、ホルン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、弦合奏、通奏低音、ト長調、4/4)

基本テキスト;
書簡章句:ガラテヤの信徒への手紙5、25〜6、10

5:25 わたしたちは、霊の導きに従って生きているなら、霊の導きに従ってまた前進しましょう。
5:26 うぬぼれて、互いに挑み合ったり、ねたみ合ったりするのはやめましょう。

[ 6 ]

◆信仰に基づいた助け合い

6:1 兄弟たち、万一だれかが不注意にも何かの罪に陥ったなら、メ霊モに導かれて生きているあなたがたは、そういう人を柔和な心で正しい道に立ち帰らせなさい。あなた自身も誘惑されないように、自分に気をつけなさい。
6:2 互いに重荷を担いなさい。そのようにしてこそ、キリストの律法を全うすることになるのです。
6:3 実際には何者でもないのに、自分をひとかどの者だと思う人がいるなら、その人は自分自身を欺いています。
6:4 各自で、自分の行いを吟味してみなさい。そうすれば、自分に対してだけは誇れるとしても、他人に対しては誇ることができないでしょう。
6:5 めいめいが、自分の重荷を担うべきです。
6:6 御言葉を教えてもらう人は、教えてくれる人と持ち物をすべて分かち合いなさい。
6:7 思い違いをしてはいけません。神は、人から侮られることはありません。人は、自分の蒔いたものを、また刈り取ることになるのです。
6:8 自分の肉に蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、霊に蒔く者は、霊から永遠の命を刈り取ります。
6:9 たゆまず善を行いましょう。飽きずに励んでいれば、時が来て、実を刈り取ることになります。
6:10 ですから、今、時のある間に、すべての人に対して、特に信仰によって家族になった人々に対して、善を行いましょう。



福音書章句:マタイによる福音書6、24〜34

◆神と富

6:24 「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」

◆思い悩むな

6:25 「だから、言っておく。自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。
6:26 空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。
6:27 あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。
6:28 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。
6:29 しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。
6:30 今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。
6:31 だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。
6:32 それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。
6:33 何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。
6:34 だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」

今日聴くのは、先日聴いた「BWV98 神なしたもう御業こそ いと善けれ」と同じく、ローディガストの同名コラールに基づくコラール・カンタータです。 

S. ローディガストの同名コラールに基づく3つのカンタータの中、最初の作品。コラールを両端楽章に使った、第2年巻の典型的なコラール・カンタータである。原コラールをかなり忠実にパラフレーズとした台本は、福音書章句(日常の思い煩いが人間にとっていかに無益であるかを述べるもの)との密接な連携を図りつつ、神に信頼すべきことを勧める。音楽面では、冒頭合唱曲を彩る協奏曲風の器楽パートが注目されるが、この楽章は、実際にケーテン時代の協奏曲の転用とも考えられる。
バッハ事典(東京書籍)

第1曲目のコラール合唱は、ホルン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレの明るい合奏が魅力的です。《バッハ事典(東京書籍)》には「ブランデンブルク協奏曲の世界を思わせる、と書かれていますが、フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリンの明るい響きが全体を牽引しています。それに寄り添う合唱が実に晴れやかです。この曲は次回紹介予定のBWV100に転用されています。
このカンタータではフラウト・トラヴェルソが効果的に用いられており、第3曲目のアリアでもその巧みな使われ方が楽しめます。

続けて聴いているレオンハルト・アーノンクールによる教会カンタータ全集(全10巻)ですが、ようやく5巻の最後の曲となりました。ようやく折り返し地点ですね

ソプラノ;ヴィルヘルム・ヴィードル(ハノーファー少年合唱団員)
アルト;ポール・エスウッド
テノール;クルト・エクヴィルツ
バス;フィリップ・フッテンロッハー
テルツ少年合唱団(合唱指揮;ゲルハルト・シュミット=ガーデン)
ウィーン・コンチェントゥス・ムジクス
指揮:ニコラウス・アーノンクール
録音:1977−1978年

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