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BWV1059 チェンバロ協奏曲 ニ短調(断片)

2010年04月30日

「J. S. BACH : HAPSICHORD CONCERTOS COMPLETE RECORDING」(LEONHARDT, LEONHARDT-CONSORT, CONCENTUS MUSICUS WEIN, TELDEC, 4509-97452-2)

編成;チェンバロ、オーボエ、弦合奏、通奏低音

今日聴くのは、第1楽章の冒頭(9小節)のみが現存している『断片』の曲です。

第1楽章の冒頭9小節しか現存しないが、これはカンタータ第35番の導入シンフォニアからの復元が可能である。現在ではさらに、第2楽章をBWV35の第2曲、第3楽章を同第5曲のシンフォニアから復元し、一つの協奏曲として演奏されることが多い。しかし、ともに裏づけがあるわけではなく、とくに第5曲に関しては正当性がまったく欠けている。
バッハ事典(東京書籍)

引用に復元の真偽について触れられていますが、今日聴く演奏も第3楽章の曲として演奏されています。

BWV35の冒頭シンフォニアでは、オルガンが用いられていましたが、ここではチェンバロに置き換えられていて、活発な動きを魅せます。どこか哀愁のある雰囲気が心地よいです

演奏;
グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)
レオンハルト・コンソート

BWV1058 チェンバロ協奏曲 第7番 ト短調

2009年11月28日

「バッハ:チェンバロ協奏曲全集」(トレヴァー・ピノック、イングリッシュ・コンサート、ARCHIV、UCCA-3133/5)

成立:1738年頃
基本資料:自筆総譜
編成:チェンバロ、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:(テンポ指定なし)、2/4
第2楽章:アンダンテ、変ロ長調、4/4
第3楽章:アレグロ・アッサイ、9/8

原曲は、以前聴いた『BWV1041 ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調』です。チェンバロに置き換わったことで、原曲よりも近代的に感じますね

演奏:イングリッシュ・コンサート
チェンバロ・指揮:トレヴァー・ピノック
録音:1980年11月2日、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール

ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるブランデンブルク協奏曲を聴く

2009年11月27日
GardinerBrandenburg.jpg

「ブランデンブルク協奏曲(全曲)」(ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、Sdg、SDG707)

「演奏しない」指揮者であるガーディナーが「ブランデンブルク協奏曲」というと不思議な感じがしますが、まぎれもなく「ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ」によるもの。解説の中で、ずっとこの曲を録音したかったのだが、指揮者がこの曲でやれることはなんだろうか?といった趣旨のことを書いています。実際のところ、古楽での演奏では、いわゆる「指揮者」をおいてこの曲を演奏することはあまりないような気がします。ガーディナーは「第1曲と第2曲」で指揮をしています。この二つの比較的規模の大きな曲では、全体を統率する「演奏しない」役割のものがいてもいいだろう、と考えているようです。

演奏は、ガーディナーらしい、実にドライブ感のある、スリリングな演奏。特に彼が指揮している第1、2曲ではそれが顕著に表れています。「小気味いい」演奏です。

録音;
第1−4、6番;2009年1月10−12日(パリ、Cite de la Musique)
第5番;2009年4月13日(ロンドン、Cadogan Hall)


(余談)
ちょうど1週間前に引っ越しをしたのですが、部屋が広くなったこともあり、オーディオ・セットを新調しました。

スピーカー;QUAD PRO-63
プリアンプ;music referense RM-5 MK-II
パワーアンプ;QUAD606(後期型)
レコードプレーヤー;DENON DP-6000
CDプレーヤー;Marantz SA-15S2

という組み合わせ。スピーカーがQUADのコンデンサ型。新しいESL 2805や2905も聴いたのですが、低音が出るようになった分繊細さを失ってしまったので、古い型のものをオーバーホールしてもらいました。実家の父が持っているので、音の性格についてはよく知っていました。その繊細さがちょうど古楽を聴くのにはいいなと思った次第です。日曜日に届いたのですが、ぼちぼちとエイジングしつつ、音を楽しんでいます。

プリアンプもかなり古いものです。管球式ですが、まだCDが出ていない時代のものですので、セレクタに「CD」というものがありません(笑)。パワーアンプは(予算の都合で)今回はQUADのトランジスタを選びました。レコードは実家の父が、「もうレコードを聴かないからお前にプレーヤーごとやる」と言ってくれたもの。

と書くとレコードプレーヤーだけ父からもらったように聞こえますが、実際はスピーカーとCDプレーヤー以外は父から譲り受けたもの。スピーカーを選んでから、毎週日本橋のオーディオ・ショップにアンプを選びに行っていたのですが、それを聞いた父が自分も新しいものが欲しいと思ったらしく、わたくしに自分の持っていたものを譲ったというわけです。CDプレーヤー以外は実家で父が使っていたのと全く同じわけですが、部屋の大きさや床(畳かフローリングか)が違うので、響き方、鳴り方が異なっています。もちろん元々持っている繊細な部分には変わりはありません。
念願のいい音で音楽を聴く環境に入ることができました。予算の都合もあるので、まだまだなところはありますが、独りで楽しむには今のところ充分です

BWV1048 ブランデンブルク協奏曲 第3番 ト長調

2009年10月03日

「ブランデンブルク協奏曲全集」(ブリュッヘン、クイケン兄弟、ビルスマ、レオンハルト他、SONY, SRCR 2107-8)

成立:1721年、ケーテン(最終稿)
編成:ヴァイオリン3、ヴィオラ3、チェロ3、通奏低音
構成:
1) (テンポ指定なし)、2/2
2) アダージョ、4/4
3) アレグロ、12/8

弦楽器が活躍する「ブランデンブルク協奏曲」の中の1曲。

特定のソロ声部をもたない、「共同体の合奏音楽」(ベッセラー)。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと各3と通奏低音の計10声部が、それぞれ何ほどかのソロ機能を担いつつ、緊密なアンサンブルを繰り広げる。規模は小さいが、密度の高さでは6曲中随一であろう。
バッハ事典(東京書籍)

弦楽器の柔らかな美しさが光っています。第3楽章はジーグのリズムですが、3本のチェロが参加して、かなり快適な演奏です。めまぐるしく動きまわっているという印象がありますね

演奏;
シギスヴァルト・クイケン・アルダ・ストゥーロップ・ヤネッケ・ヴァン・デア・メーア(バロック・ヴァイオリン)
ウィル・ペータース、マリーン・ティアーズ、ルシー・ファン・ダール・(バロック・ヴィオラ)
アンナー・ビルスマ、リヒテ・ファン・デア・メーア、ヴィーラント・クイケン(バロック・チェロ)
ヴィオローネ(ヴィオローネ)
グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)

録音;
1977年3月、Doopsgezinde Kerk in Lutherse Kerk, Haarlem, Hollan

管弦楽組曲原典版を聴く

2009年06月13日

「J.S.バッハ:管弦楽組曲集(原典版)〜若き王子のための(アンハルト・ケーテン候レオポルト王子のために)」(モニカ・ハジェット、アンサンブル・ソネリー、Avie、AV2171)

バッハの「管弦楽組曲」としては、BWV1066 - 1070の4曲が知られています(BWV1071については、Ch. F. ペンツェルによる筆写パート譜が残っているものの、作者名に「バッハ」とだけ記されているため、バッハに近い人物によるもので、偽作と見なされています)。

バッハがこれらの「序曲」の創作にとりかかったのは、自らがオーケストラを指揮できる立場になってからであるとされており、その事情を考慮すると、ヴァイマール時代からケーテン時代がその創作の初期となります。いずれの曲もライプツィヒ時代の筆写譜で伝えられているものの、その創作に至る経緯や成立時代は明らかではありません。バッハ事典(東京書籍)によれば、

第1番(BWV1066);1725年頃、ライプツィヒ?(同時代の筆写パート譜)
第2番(BWV1067);1738/39年、ライプツィヒ(オリジナル・パート譜(一部自筆))
第3番(BWV1068);1731年春、ライプツィヒ(オリジナル・パート譜(一部自筆))
第4番(BWV1069);1725年以前(Ch. F. ペンツェルによる筆写パート譜)

となっています。いずれも完全な自筆譜が存在しないため、例えば第1番については、最初に書かれたもので、作品の成立自体はケーテンもしくはヴァイマール時代であると考えられています。第4番もバッハの死後に作成された筆写譜によって伝えられているのみで、BWV110番の冒頭に転用されていることから、1725年以前(ケーテンもしくはヴァイマール時代)に書かれたものと推測されています。

さて、今回紹介するハジェットらによる演奏は、

「原典版」

と銘打っています。「新たに自筆譜が発見され、それに従って演奏した」、というわけではありません。上に引用した成立事情・時期の推測をもとに、ケーテンのレオポルト候の宮廷楽団と同じ規模の編成を再現して、そこから「原典の響き」を甦らせようとしているのです。

現在一般に演奏される編成と比較してみます。

第1番(BWV1066);オーボエ2、ファゴット、弦合奏、通奏低音
第2番(BWV1067);フラウト・トラヴェルソ、弦合奏、通奏低音
第3番(BWV1068);トランペット3、ティンパニ、オーボエ2、弦合奏、通奏低音
第4番(BWV1069);トランペット3、ティンパニ、オーボエ3、ファゴット、弦合奏、チェロ、ヴィオローネ、通奏低音

ハジェットは、ケーテンの宮廷楽団の編成、

「弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)、オーボエ、ファゴット、チェンバロ」

に基づいて演奏しており、第2番では、フラウト・トラヴェルソのパートをオーボエに置き換え、第3、4番ではティンパニは登場しません。

実際に聴いてみた感じですが、第2番のオーボエによる演奏は、これまでフラウト・トラヴェルソでの演奏を「当たり前」として聴いてきたので、どこか違和感を感じるかな、と思ったのですが、杞憂でした。比較的しっくりと全体に馴染んでいます。演奏がかなり早めなのが気になったところでしょうか(普通はCD2枚組になるのですが、この録音は1枚ですからね)・・・。

この試みが正当なのか否かは不明ですが、違和感を覚えることもありませんし、当時の宮廷の事情を考慮した演奏ということで、ある意味面白いと思います

演奏;モニカ・ハジェット、アンサンブル・ソネリー
録音;2007年9月21〜25日、ロンドン、セント・サイラス教会
ピッチ;a' = 415 Hz

BWV1057 チェンバロ協奏曲 第6番 ヘ短調

2009年05月30日

「Johann Sebastian Bach Harpsichord Concertos Vol. 2」(Lars Ulrik Mortensen, Concerto Copenhagen,cpo 777 248-2)

成立:1738年頃
基本資料:自筆総譜
編成:チェンバロ、リコーダー2、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:テンポ指定なし、3/8
第2楽章:アンダンテ、ニ短調、3/4
第3楽章:アレグロ・アッサイ、2/2

原曲が「BWV1049 ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調」。リコーダーの美しさが心地よい1曲。

ヴァイオリンがチェンバロに置き換えられた結果、独奏パートの主導権が原曲よりはるかに明確になっている。
バッハ事典(東京書籍)

原曲での独奏ヴァイオリンの極めて困難なフレーズは印象的ですが、確かに引用にあるように、独奏パートの主導権が明確という感じは受けます。チェンバロはその独奏ヴァイオリン同様に、かなり激しい動きを見せますが、それでも単なる技巧的な曲とならないところが、バッハらしいですね

演奏:
Lars Ulrik Mortensen(指揮、チェンバロ)
Concerto Copenhagen

使用楽器:Coloin Booth 1996, after Mietke

シュレーダー・ホグウッドによるヴァイオリン協奏曲を聴く

2009年05月06日

「J. S. バッハ ヴァイオリン協奏曲集」(シュレーダー&ホグウッド、オワリゾール、UCCD-2021)

連休最後の昼下がりは、シュレーダーとホグウッドらによるヴァイリン協奏曲集を聴きます。以前発売になっていたものの、再発です。一時期廃盤扱いになって入手不可能でしたが、「オワリゾール名盤」というシリーズで復刻されました。

すっかりバッロク・ヴァイオリン界の長老となったシュレーダーですが、柔らかな音はさすがですね。1665年製のヤコブ・シュタイナーを使用しています。

有名な3つの協奏曲ですが、変わっているなと感じたのが、3曲目に収録されている「BWV1043 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調」の通奏低音。ホグウッドはチェンバロではなく、オルガンを演奏しています。CDの解説に記載されていないので、なぜオルガンを使用したのか不明ですが、何か意図があったのでしょうか?


収録曲;
BWV1041 ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調
BWV1042 ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調
BWV1043 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 


演奏;
ヴァイオリン;ヤープシュレーダー(ヤコブ・シュタイナー、1665年)
エンシェント室内管弦楽団
指揮;クリストファー・ホグウッド(チェンバロ、オルガン)

録音;
1981年9月、キングスウェイ・ホール、ロンドン

エガーによるブランデンブルク協奏曲を聴く

2009年04月24日

「バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)」(リチャード・エガー、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、harmonia mundi、HMU807461)

「遊んでる」というのがこのCDを聴いた感想です。このところ精力的に録音を行っているエガーですが、やっとブランデンブルク協奏曲を録音(といっても昨年ですが)してくれました。予想していた通りの演奏。

まずは第1番ですが、管楽器がかなり「遊んで」います。音が突然高くなったり、長く延ばしたりと好き放題やっています。イタリア勢のラテン的な悪乗りの演奏ではなく、曲をよく熟知して、演奏を楽しんでいるという感じです。

といっても、まったく的外れなことをやっている感じではなく、演奏はさすがにうまいです。テンポも中庸で、走りすぎるところもありません。この辺りがイタリア勢の演奏とは違う点です。第5番などは、エガーがかなり暴走しそうな感じを受けたのですが、そうではなくかなり正統派な演奏。

ピッチがA = 392 Hzとベルサイユ・ピッチで、響きも中々よいです。エガーがCDの解説の中で、この曲が書かれた当時、管楽器はフレンチのものが多かったからというのがその理由。これについては、ブルトルド・クイケンがバッハのフルート・ソナタを録音する時に、同じピッチを使った理由として、まったく同じことを述べています。当時のトラヴェルソは、フランスからフランス人が持ってきたものが多く、当然ピッチはフレンチのものであったはずだから、というもの。

通奏低音にテオルボやバロック・ギターが参加しているもの面白いですね。これについては記述がありませんでした。何か理由があるのでしょうか?

例によって、音律は「ordinaire」です。このところのエガーの録音は、この音律が多いですね

エガーらしい、飄々とした、遊び心に溢れたアルバムです。この曲をたくさん聴き込んだ方なら、楽しめる内容だと思います

演奏;
チャード・エガー(指揮、チェンバロ)、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック

使用楽器:1638年リュッカースのJoel Katzmanによるコピー

ピッチ;A = 392 Hz、音律;ordinaire

録音;2008年5月、St. Jude's-on-the-Hill, Hampstead Garden, London

BWV1064R 3つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調

2009年04月18日

「J. S. Bach : Violin Concertos」(Elizabeth Walfisch, Virgin Veritas, VBD 5 61558 2)

成立;1713〜14年、ヴァイマール
編成;ヴァイオリン3、弦合奏、通奏低音
楽章構成;
第1楽章;アレグロ、4/4
第2楽章;アダージョ、4/4
第3楽章;アレグロ、2/2

3台のチェンバロのための協奏曲(BWV1064)の原曲となった曲で、ブランデンブルク協奏曲第3番(BWV1048)の前提になっています《バッハ事典(東京書籍)》。

第1楽章は、リトルネッロ形式に基づいたもの。かなり長いです。第2楽章では、3つのヴァイオリンが見事に絡み合っていきます。第3楽章は底から印象的な旋律が「わき起こってくる」フーガ。ここでも3つのヴァイオリンが絡み合いながら、見事なソロを聴かせてくれます

先日「一日一バッハ」さんの「ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV1041 [2]」の記事に、この曲のことが触れられていたので聴いてみました。

チェンバロ協奏曲から、そのオリジナルとなっている協奏曲(ヴァイオリン協奏曲、オーボエ協奏曲など)を復元する試みがなされていて、この曲もその一つです。復元されたヴァイオリン協奏曲については、「私的CD評」さんの「バッハのチェンバロ協奏曲の原曲を復元したヴァイオリン協奏曲を聴く」に、今回紹介したものと同じCDで解説されていますので、そちらをご覧下さい


演奏;
ヴァイオリン;
Elizabeth Walfische、Pavlo Beznosiuk、Catherine Mackintosh
Orchestra of the Age of Enlightment

録音;
St Michael's Church, Highgate, London, 1990年3、4、6月

BWV1056a オーボエ協奏曲 ト短調

2009年04月11日

「バッハ:オーボエ協奏曲集」(ハンス=ペーター・ヴェスターマン、カメラータ・ケルン、DHM、BVCD-38077)

成立:ヴァイマール時代
編成:オーボエ、弦合奏、通奏低音
楽曲構成:
第1楽章:モデラート、2/4
第2楽章:アダージョ、変ロ長調、4/4
第3楽章:プレスト、3/8

昨日聴いた「BWV1056 チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調」の原曲となっています。>BWV1056 チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調は1738年頃成立したとされていますが、この原曲は、ヴァイマール時代のヴァイオリンもしくはオーボエのための協奏曲と推定されています。

チェンバロ協奏曲との音域の違いから、ト長調へ変更されています。第2楽章は、チェンバロ協奏曲ではラルゴですが、この曲ではアダージョです。

チェンバロ協奏曲同様に、美しい中間楽章と、物悲しい両端楽章から成っています。どの楽章も実に印象的な旋律に溢れています

カメラータ・ケルンによる名盤に収録された一曲

演奏:
オーボエ:ハンス=ペーター・ヴェスターマン
カメラータ・ケルン

録音:
ケルン、1992年10月

BWV1056 チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調

2009年04月10日

「バッハ:チェンバロ協奏曲集」(グスタフ・レオンハルト、レオンハルト合奏団、TELDEC、WPCS-4103〜4)

成立:1738年頃
基本資料:自筆総譜
編成:チェンバロ、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:テンポ指定なし、2/4
第2楽章:ラルゴ、変イ長調、4/4
第3楽章:プレスト、3/8

第2楽章のラルゴが実に美しい協奏曲。2つの協奏曲を組み合わせたものであるとされています。

両端の早い楽章は、チェンバロの右手の動き方や音域から推して、おそらくヴァイマル時代に書かれたト短調のヴァイオリン協奏曲にさかのぼる。イタリア風の単純な様式が受け継がれていることからすれば、原曲は、バッハ最古の協奏曲のひとつだった可能性がある。これに対し、変イ長調のラルゴは、おそらく本来はヘ長調で、ニ短調のオーボエ協奏曲の中間楽章を形成していたらしい。それはいったんカンタータ《わが片足すでに墓穴に入りぬ》BWV156のシンフォニア(1729年頃)に取り入れられたが、バッハはそのオーボエ・ソロをチェンバロに紡がせる形で、コンチェルトに転用した。その際旋律には、豊かな装飾が与えられている。
バッハ事典(東京書籍)

美しいラルゴの中間楽章と、どこかもの哀しい両端楽章から成っています。この二つの楽章ではチェンバロの動きがかなり活発です

演奏:
グスタフ・レオンハルト(指揮、チェンバロ)
レオンハルト合奏団

録音年月日、場所:未記載

BWV1055a オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調

2009年03月21日

「バッハ:オーボエ協奏曲集」(ハンス=ペーター・ヴェスターマン、カメラータ・ケルン、DHM、BVCD-38077)

成立:早ければケーテン時代
編成:オーボエ・ダモーレ、弦合奏、通奏低音
楽曲構成:
第1楽章:アレグロ、2/2
第2楽章:ラルゲット、嬰ヘ短調、12/8
第3楽章:アレグロ・マ・ノン・タント、3/8

BWV1055 チェンバロ協奏曲 第4番 イ長調」から復元されたもの。今回紹介する曲自体は失われていますが、ケーテン時代のオーボエ・ダモーレ協奏曲と考えられています。

第1楽章は、明るく、朝のように爽やかな雰囲気のリトルネッロ形式。ヴァイオリンでの導入の後、オーボエ・ダモーレが入ってくる部分は、実に美しいですね。
緩徐章である第2楽章では、ゆったりとしたテンポの中で、オーボエ・ダモーレがその名前の通り「愛のオーボエ」にぴったりな旋律、音色を披露します。
第3楽章もリトルネッロ形式。躍動感に溢れ、ここも第1楽章同様に爽やかな雰囲気に満ちています。

ハンス=ペーター・ヴェスターマン率いるカメラータ・ケルンによる極上の一枚から

演奏:
オーボエ:ハンス=ペーター・ヴェスターマン
カメラータ・ケルン

録音:
ケルン、1992年10月

BWV1069 管弦楽組曲 第4番 ニ長調

2009年03月07日

「バッハ、管弦楽組曲全曲」(トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック管弦楽団;2009年3月7日、ザ・シンフォニー・ホール)

成立;1725年以前
基本資料;Ch. F. ペンツェルによる写筆パート譜(1755年頃)
編成;トランペット3、ティンパニ、オーボエ3、ファゴット、弦合奏、チェロ、ヴィオローネ(コントラバス)、通奏低音
楽章構成;
1;序曲(4/4 - 9/8 - 4/4)
2;ブーレーI、II(ロ短調、2/2)
3;ガヴォット(2/2)
4;メヌエットI, II(3/4)
5;レジェイサンス(3/4)

今日はトン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック管弦楽団のコンサートからの1曲。管弦楽組曲の全曲を演奏したコンサートです。

現存するバッハの4つの管弦楽組曲の中で最も大きな編成となっています。バッハの死後に作成された筆写譜のみが伝えられていますが、バッハ事典(東京書籍)によれば、

序曲がカンタータ第110番 BWV110の冒頭楽章に転用されているため、少なくとも序曲の原型は1725年以前、おそらくはケーテンかヴァイマル時代に書かれていたものと思われる。

とのこと。華やかな序曲は、

「この威風堂々たる華やかさを聴くと、美しく着飾った人々の行列が広い階段を降りてくる姿が目に浮かぶようだ」と、ゲーテによって評されたもの。
バッハ事典(東京書籍)

で、4/4拍子 - 9/8拍子 - 4/4拍子と大きく3つの部分から成っています。緩徐楽章がなく、全体を通して、華やかで壮麗なイメージがあります。


演奏のプログラムは以下の通り;

1;BWV1068 管弦楽組曲 第3番 ニ長調
2;BWV1066 管弦楽組曲 第1番 ハ長調

休憩

3;BWV1067 管弦楽組曲 第2番 ロ短調
4;BWV1069 管弦楽組曲 第4番 ニ長調

アンコール1;ヘンデル;組曲「王宮の花火の音楽」より第4曲「歓喜」
アンコール2;ラモー;叙情悲劇「ダルダヌス」より「タンバリン」

1曲終わるたびに、オケの主要なメンバーと握手をしていました。そして会場全体に丁寧に挨拶をしている姿が印象的でした。案外小柄な人でした。

今回のプログラムは、BWV1067 管弦楽組曲 第2番 ロ短調を除けば、どれも長調の曲、大編成で華やかな曲ばかりでしたので、コープマン特有の装飾過多の演奏も、その華やかさを盛り上げるのに一役買っていた感じがしました。演奏するのが楽しくて仕方がないという感じが目一杯表れていました。

バロック・トランペットの響きが美しく、華やかでした。3本のトランペットから成っていましたが、音量がそれほど大きくなく、全体に見事にはまっていました。バロック・トランペットを生で聴くのは初めてでしたので、感動しました。
多くて20人という編成でしたが、きっちりとまとまっていました。チェンバロの前に座ったコープマンが全体の真ん中に座り、左側(2列)にヴァイオリン、チェンバロの奥にヴィオラ、その奥にオーボエとファゴット、チェンバロの右側にチェロとコントラバス、一番右側にトランペットとティンパニという配置。BWV1067 管弦楽組曲 第2番 ロ短調のみ、編成を小さくして、トラヴェルソが出てきました(アンコールでも)。個人的にはヴァイオリンをしっかりと観察していました(大好きなもので・・・)。まったくのノン・ビブラートでした。やはりガット弦の響きは実に美しかったです。

座席が前から4列目のど真ん中で、全体を把握できてよかったです。

今回のコンサートですが、関東では中止になったところが何カ所かあったみたいです(主催元のトラブルだったみたいです)が、運良く関西では中止にならずよかったです。

余談ですが、コンサートが終わって皆が席を立って帰ろうとしているときに、トランペットとティンパニの人が部隊に表れて、並んでデジカメで写真を撮っていました。コンサートが終われば、普通のいいおじさま達なのですね

なお、コープマンは管弦楽組曲を2回録音しています。いずれも入手可能なようです。

「バッハ;管弦楽組曲(全曲)」(トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック管弦楽団、BMG、BVCC-37615、録音;1988年)

「バッハ;管弦楽組曲(全曲)」(トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック管弦楽団、Erato、WPCS-21207、録音;1997年)

このCDに限らず、コープマンがEratoに録音したものは、最近SACDで再発になっています(平均率クラヴィーアやチェンバロ協奏曲など)

BWV1041 ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調

2009年02月07日
CafeZimmermann4.jpg

「さまざまな楽器による協奏曲集 IV」(カフェ・ツィマーマン、Alpha 137)

成立;1730年、ライプツィヒ?
編成;ヴァイオリン、弦合奏、通奏低音
基本資料;オリジナル・パート譜(一部加筆)
楽章構成;
1. (テンポ指定なし)2/4
2. アンダンテ、ハ長調、4/4
3. アレグロ・アッサイ、9/8

源泉資料tなるパート譜(バッハ自身が、独奏ヴァイオリンとヴィオラの全楽章分をはじめとするかなりの部分を作成)は1730年頃のものであり、曲がコレギウム・ムジクム活動の初期に演奏されたことを裏づける。
バッハ事典(東京書籍)

憂いに満ちた第1楽章は、ヴィヴァルディ風のリトルネッロ形式で書かれています。
ハ長調の第2楽章は、ゆったりとしたリズムで、独奏ヴァイオリンと通奏低音が寄り添うような形で進みます。ガット弦の美しい音色を堪能できます。ヴァイオリンがじっくりと歌っているところが聴きどころですね。
ジーグの第3楽章では再びテンポが早くなり、ヴァイオリンの技巧的なフレーズが多くなります。フーガ的な要素が途中で出てきますが、それがちょっとした隠し味になっています。


この曲はチェンバロ協奏曲第7番ト短調(BWV1058)に編曲されています。現存するバッハのヴァイリン協奏曲は、3曲ともチェンバロ協奏曲に編曲されています。

演奏は、カフェ・ツィマーマンによるもの。以前「ラテン系の人達によるバッハ演奏を聴く」で、彼らの演奏をまとめて紹介しましたが、最近ようやくその第4集が発売になりました。これまでの3枚と同じく、快活で心地よい演奏です。限りなく人数をしぼっていますが、それが返って全体の統率感を高めている感じで、全体のまとまりは非常によいです。また名盤が一枚増えましたね

このCDに収録されているのは、下記の4曲。

1. BWV1041 ヴァイオリン協奏曲 イ短調
2. BWV1061 2台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲 ハ長調
3. BWV1044 三重協奏曲 イ短調
4. BWV1047 ブランデンブルク協奏曲 第2番 ニ長調
 

演奏;カフェ・ツィマーマン
パブロ・バレッティ(独奏ヴァイオリン)
ダヴィド・プランティエ、グァダルーペ・デル・モラル(ヴァイオリン)
パトリシア・ガニョン(ヴィオラ)
ペトル・スカルカ(チェロ)
ルジュク・ブラニー(コントラバス)
セリーヌ・フリッシュ(チェンバロ)

録音;
2004年2月、メス(東仏ロレーヌ地方)、アルスナル音楽堂(BWV1061)
2008年7月、ミュルーズ(東仏アルザス地方)、サン=ジャン寺院(他3曲)

BWV1050 ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調

2009年01月01日

「ブランデンブルク協奏曲全集」(ブリュッヘン、クイケン兄弟、ビルスマ、レオンハルト他、SONY, SRCR 2107-8)

成立:1721年、ケーテン(最終稿)
編成:フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、チェンバロ、弦合奏、通奏低音
構成:
1) アレグロ、2/2
2) アフェットゥオーソ、ロ短調、4/4
3) アレグロ、2/4

この6つの協奏曲の中でも、もっとも有名な曲ではないでしょうか・・・。第1楽章のチェンバロの長いカデンツァが特に印象的な曲。この曲の初稿ではカデンツァは19小節ですが、最終稿では65小節へと拡大されています。終始曲全体をチェンバロがリードしていきます。

ケーテン宮廷は、1719年の3月頃、学長バッハの見立てでベルリンのミートケから大型チェンバロを購入した。協奏曲の成立はこの楽器を紹介するためであったとするのが、従来の通説である。しかし今日では、1718年にバッハがケーテン侯のお伴でボヘミアのカールスバートに保養に赴いた際、ブランデンブルク辺境伯に会い着想されたとする説が、有力となりつつある。献呈稿に比べて両端楽章の短い初稿が存在するが、デュルの推測によれば、楽器購入時に初稿が書かれ、献呈時に、現在演奏される形へと拡大された。
バッハ事典(東京書籍)

初稿の短いカデンツァは、以前「BWV1047 ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調」で紹介したコンチェルト・イタリアーノ(リナルド・アレッサンドリーニ指揮)の演奏で聴くことができます。

今日聴いた演奏は、レオンハルト、ブリュッヘン、クイケン、ビルスマらによるこの演奏の決定盤から。30年近く前の演奏ですが、まったく色あせることない珠玉の録音・・・

演奏;
フランス・ブリュッヘン(フラウト・トラヴェルソ)
シギスヴァルト・クイケン(バロック.ヴァイオリン・ソロ)
ルシー・ファン・ダール(バロック・ヴァイオリン)
ウィル・ペース(バロック・ヴィオラ)
ヴィーラント・クイケン(バロック・チェロ)
ソニー・ウィッドロウ(ヴィオローネ)
グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)

録音;
1977年3月、Doopsgezinde Kerk in Lutherse Kerk, Haarlem, Hollan

ベルリン古楽アカデミーによる「管弦楽組曲」を聴く

2008年11月15日

「管弦楽組曲第1〜4番 ベルリン古楽アカデミー(エンハンスド・カタログ付き)」(harmonia mundi、HMX 2901578.9)

harmonia mundiに積極的な録音を行ってきたベルリン古楽アカデミーによる「管弦楽組曲」の全集です。

Disc 1.
・管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066
・管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
・管弦楽組曲第4番ニ長調BWV1069

Disc 2.
・管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
・CD-ROMカタログ

このグループの演奏は、とても落ち着いた味わい深いものであるところが特徴だと思います。過激さはなく、端正な演奏に好感が持てます。ラ・プティット・バンドの演奏に長年親しんだわたくしの耳にも、すっと入って来る実にいい演奏です。このグループの録音を最近あまり見かけなくなりましたが、いかにも旧東ドイツの精鋭という感じがします。かた苦しさは感じることはありません。テンポは相対的にゆったりしています。最近の他の録音を聴いていると、その演奏の早さに驚くことが多いのですがg、このグループの演奏はそれとはまったく逆で、じっくりと聴かせてくれるようになっていて、好感が持てます。

この録音は1996年にされたもののようで、それにCD−ROMカタログが付属しています(分厚い冊子になったものも添付されています)。CD-ROM版のカタログは、これまでのharmonia mundiの録音のすべてが検索できるようになっています

ダントーネによるチェンバロ協奏曲を聴く

2008年11月03日

「チェンバロ協奏曲集」(ダントーネ&アカデミア・ビザンティナ、L'OISEAU-LYRE、475 9355)

バッハの音楽」さんの「ダントーネのバッハ・チェンバロ協奏曲」で紹介されていて、前から気になっていたのですが、ようやく入手できたので、聴いてみました。

これは実によい!という録音です。ビオンディなどで見られるイタリア勢特有の「ラテン的悪乗り」が感じられず、落ち着いた演奏です。「じっくりと聴き込んで欲しい」という姿勢を感じることができる名演だと思います。

収録曲は以下の通り;

・BWV1053 チェンバロ協奏曲第2番 ホ長調
・BWV1055 チェンバロ協奏曲第4番 イ長調
・BWV1056 チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調
・BWV1052 チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 

今回の録音はこれだけですが、是非とも全曲録音を目指して欲しいものです。
恐らく最近出たこの曲集の録音の中では、傑出したものであると思います。編成もかなり小さいですが、その分全体のまとまりがしっかりしています。気心の知れたメンバーで、楽しく演奏している雰囲気が伝わってきます。気負ったところを微塵も感じさせず、恐らくかなり入念に調べて、録音に臨んだのではないかと思います。たまにテンポの早いところもありますが、苦にならない程度で、全体を通して何度も聴いていたいと思う演奏です。お勧めの一枚です
 
演奏:
アカデミア・ビザンティナ
オッターヴィオ・ダントーネ(チェンバロ、指揮)

録音:2007年3月31日-4月4日、ラヴェンナ

復元された「フルート協奏曲ロ短調」を聴く

2008年10月24日
FluteConcertosGatti.jpg

「J. S. バッハ:フルート協奏曲ロ短調(世界初録音)、三重協奏曲、管弦楽組曲第2番 」(ガッティ&アンサンブル・アウローラ、Glossa、GCD921204)

今回紹介するタイトルになっている「フルート協奏曲ロ短調(世界初録音)」ですが、バッハ作品番号はふられていません。この曲ですが、イタリアの音楽学者フランチェスコ・ジメイが長年にわたって研究し復元したものです。

復元にあたって、

BWV209カンタータ第209番「悲しみのいかなるかを知らず」の第1楽章(シンフォニア)
BWV173aカンタータ「いとも尊きレオポルト殿下よ」の第2楽章アリア
BWV207世俗カンタータ「鳴り交わす絃の相和せる競いよ」の第3楽章アリア

の3つの声楽作品がこのフルート協奏曲のもととなっていることを確認し、

Allegro - Andante - Allegro

の3楽章を構成することでこのフルート協奏曲を復元したとされています。

実際のところ、どこまでこの復元された曲の信憑性があるかはわたくしにはわかりません。しかし長年研究してきた結果の一つとして面白いと思います。

このCDには以下の3曲が収録されています。

・フルート協奏曲ロ短調(世界初録音)

・三重協奏曲ニ長調BWV1050a

・管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067

二曲目はブランデンブルク協奏曲第5番(BVW1050)の初期稿(第1楽章のチェンバロのカデンツァが短いもの)と管弦楽組曲第2番ロ短調(BWV1067)が収録されています。

演奏は大好きなヴァイオリニスト、エンリコ・ガッティ率いるアンサンブル・アウロラによるもの。これまで聴いてきた彼の演奏は、同じイタリア系の激しい録音とは一線を画していて、しっとりしてたのですが、このCDに限ってはかなり演奏速度が早いのです。それがかなりびっくりしました

マルチェロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
エンリコ・ガッティ(ヴァイオリン&指揮)
アンサンブル・アウローラ;
ロゼッラ・クローチェ(ヴァイオリン)、ジョアンナ・フシチャ(ヴィオラ)、ジュディス=マリア・オロフソン(チェロ)、リッカルド・コエラティ(ヴィオローネ)、ミケーレ・バルキ(チェンバロ)

録音:2007年11月、イタリア、モデナ、サン・ミケーレ教会

BWV1055 チェンバロ協奏曲 第4番 イ長調

2008年05月23日

「バッハ:チェンバロ協奏曲全集」(トレヴァー・ピノック、イングリッシュ・コンサート、ARCHIV、UCCA-3133/5)

成立:1738年頃
基本資料:自筆総譜
編成:チェンバロ、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:アレグロ、2/2
第2楽章:ラルゲット、嬰へ短調、3/4
第3楽章:アレグロ・マ・ノン・タント、3/8

爽やかな曲調で、原曲はイ長調のオーボエ・ダモーレ協奏曲だったとされています。1723年のカンタータに始めてオーボエ・ダモーレが姿を見せるため、原曲はライプツィヒ時代初期もしくは、早ければケーテン時代に書かれたものと推定されています。

第1楽章:分散和音型のトゥッティ主題を持ち、ソロ主題は歌詞的
第2楽章:「ラメント・バス(嘆きの低音)」と呼ばれる、低音弦の半音下行進行が、この楽章の気分を規定。長い装飾的な息の長いソロが旋律を奏でます。
第3楽章:躍動感溢れる舞曲風トゥッティ主題に基づく曲。きびきびとした曲調

「近代的な爽やかさ」という表現がされる曲ですので(まさにその言葉がぴったりの曲)、「爽やかさ」「清涼感」に溢れるピノックの演奏を選びました

演奏:イングリッシュ・コンサート
チェンバロ・指揮:トレヴァー・ピノック
録音:1980年11月2日、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール

BWV1060a オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調

2008年04月30日

「バッハ:オーボエ協奏曲集」(ハンス=ペーター・ヴェスターマン、カメラータ・ケルン、DHM、BVCD-38077)

成立:1717〜20年
編成:オーボエ、ヴァイオリン、弦合奏、通奏低音
楽曲構成:
第1楽章:アレグロ、4/4
第2楽章:アダージョ、変ホ長調、12/8
第3楽章:アレグロ、2/4

二台のチェンバロのための協奏曲 第1番 ハ短調(BWV1060)から復元されたもの。かつてはニ短調での復元もされていましたが、現在は今回紹介するようにハ短調での復元が一般的です。

今回紹介したCDには、いずれも元々オーボエ(もしくはオーボエ・ダモーレ)のための協奏曲が原曲とされる曲を集めたもので、「私的CD評」の「バッハのチェンバロ協奏曲の原曲とされるオーボエのための協奏曲」で詳しく紹介されています。

この曲ですが、二台のチェンバロのための協奏曲 第1番 ハ短調(BWV1060)よりも聴かれる機会が多いように感じます。ホリガーなどの名手による録音が有名だと思います。

リトルネッロ形式の第1楽章が特に印象的。第2楽章がのどかな雰囲気の曲調で、オーボエとヴァイオリンがからみ合います。第3楽章もリトルネッロ形式ですが、ヴァイオリンとオーボエがより技巧的になっています。この楽章も印象的な旋律です

演奏:
オーボエ:ハンス=ペーター・ヴェスターマン
ソロ・ヴァイオリン:マリー・ウティガー
カメラータ・ケルン

録音:
ケルン、1992年10月

BWV1054 チェンバロ協奏曲 第3番 ニ長調

2008年04月26日

「バッハ:チェンバロ協奏曲集」(グスタフ・レオンハルト、レオンハルト合奏団、TELDEC、WPCS-4103〜4)

成立:1738年頃
基本資料:自筆総譜
編成:チェンバロ、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:テンポ指定なし、2/2
第2楽章:アダージョ・エ・ピアノ・センプレ、ロ短調、3/4
第3楽章:アレグロ、3/8

原曲は、「ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調(BWV1042)」。この原曲同様,とても明るい曲調です。チェンバロ・パートが実に生き生きとしています。

演奏:
グスタフ・レオンハルト(指揮、チェンバロ)
レオンハルト合奏団

録音年月日、場所:未記載

BWV1053 チェンバロ協奏曲 第2番 ホ長調

2008年04月10日

「Johann Sebastian Bach Harpsichord Concertos Vol. 1」(Lars Ulrik Mortensen, Concerto Copenhagen,cpo 999 989-2)

成立:1738年頃
基本資料:自筆総譜
編成:チェンバロ、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:テンポ指定なし、4/4
第2楽章:シチリアーノ、嬰ハ短調、12/8
第3楽章:アレグロ、3/8

失われた原曲の基づいていますが、どの曲であったか定かではありません。「オーボエ協奏曲 変ホ長調」や「フルート協奏曲 ヘ長調」であるとも言われています(前者が有力とされています)。

原曲の3つの楽章を、バッハは1726年にいったんオルガン協奏曲の形に編曲し、2つのカンタータへと転用した(第1,2楽章;BWV169/1, 5。第3楽章:BWV49/1)。しかしチェンバロ稿は、カンタータ楽章からでなくオリジナルの協奏曲から直接編曲され、その際、かなりの加筆と修正が施されたとみられる。
「バッハ事典(東京書籍)」

第1楽章:リトルネッロ形式を、ダ・カーポ形式の大きな枠組みに組み込んだもので、にぎやかな主題で始まります。
第2楽章:表情豊かで情緒に富むシチリアーノ。弦合奏の間にチェンバロが優しく細やかな旋律を奏でます。
第3楽章:第1楽章と構成は似ています。主題の生気に溢れた上行音型が、全体を牽引する。中間部は、対照的な半音階の楽想による(バッハ事典(東京書籍))。

今日は一台のためのチェンバロ協奏曲の2曲目。バッハのチェンバロ協奏曲については、「BWV1052 チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調」のところで、全体像について簡単に書いていますので、興味のある方はそちらを参考になさってください。

演奏はデンマーク、スウェーデンの若手の演奏家が集まって結成された「コンツェルト・コペンハーゲン(通称:COCO)によるもの。きびきびとした演奏に交換が持てます。1台のためのチェンバロ協奏曲を全曲録音していて、今回紹介したCDと「Johann Sebastian Bach Harpsichord Concertos Vol. 2」(Lars Ulrik Mortensen, Concerto Copenhagen,cpo 777 248-2)の2枚に全曲が収録されています。

チェンバロと指揮のモンテルセンは、ジョン・ホロウェイなどとも共演したりと、かなりひっぱりだこの最近売り出し中(?)の人。演奏は心地いいものが多いですね

演奏:
Lars Ulrik Mortensen(指揮、チェンバロ)
Concerto Copenhagen

使用楽器:Thomas Mandrup-Poulsen 1984年

ピッチ:a = 415 Hz

BWV1044 フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲 イ短調 『三重協奏曲』

2008年03月14日

「JOHANN SEBASTIAN BACH TRIPLE CONCERTO BWV 1044, DOUBLE CONCERTO BWV 1060R, HARPSICHORD CONCERTO BWV 1052」(COLLEGIUM AUREUM, DHM 05472 77412 2)

成立:1727年以降(コレギウム・ムジクム活動のため)
編成:フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、チェンバロ、弦合奏、通奏低音
基本資料:J. F. アグリーコラによる筆写譜(第1,2楽章のみ)、J. G. ミューテルによる筆写パート譜
楽章編成:
第1楽章:アレグロ、4/4
第2楽章:アダージョ・マ・ノン・タント・エ・ドルチェ(ハ長調、6/8)
第3楽章:アラ・ブレーヴェ、2/2

第1、3楽章は、プレリュードとフーガ(BWV894)の編曲、第2楽章はトリオ・ソナタ(BWV527)からの編曲。


自作の編曲者としてのバッハの、もっとも円熟した業績の一つ」(H.-J. シュルツェ)

「バッハ事典(東京書籍)」

1、3楽章は編曲と言っても、かなり原曲よりも拡充されています。第2楽章は、独奏楽器のみで演奏されています。ブランデンブルク協奏曲第5番と同じ編成です。

引用したシュルツェの言葉通り、すごく印象的で素晴らしい曲。この曲は大好きな曲の一つで、収録されているCDがあればつい買ってしまうほど。初めてこの曲を聴いた時に、

「こういう曲を探し求めていたんだ」

と思ったことを、この曲を聴く度に思い出します。こういう感じの曲が大好きなんです。

フルート、ヴァイオリン、チェンバロのそれぞれのよさが思う存分に出ている作品です。重厚かつ複雑、しかし印象的。

演奏:
ヴァイオリン:フランツヨセフ・マイヤー
フラウト・トラヴェルソ:バルトルド・クイケン
チェンバロ:ボブ・ファン・アスペレン
コレギウム・アウレウム

録音:Schloss Schwetzingen、1976年4月

BWV1052 チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調

2008年03月10日

「j. s. & c. p. e. bach Harpsichord Concertos in D Minor」(Gustav Leonhardt、SEON、SBK 63188)

成立:1738年頃、ライプツィヒ
基本資料:自筆総譜
編成:チェンバロ、弦合奏、通奏低音
楽章編成:
第1楽章:アレグロ、2/2
第2楽章:アダージョ、ト短調、3/4
第3楽章:アレグロ、3/4

消失したヴァイオリン協奏曲の編曲。1728年頃のカンタータで全楽章がオルガン協奏曲の形に編曲され、1732年〜34年頃、エマーヌエルの手でチェンバロ協奏曲に直されたという経緯があります(1052a)。
これが1733年に再開されたコレギウム・ムジクムのコンサートで披露され、バッハがそれをさらに編曲.自筆総譜の冒頭に加えたのです。

第1楽章:重厚な演奏で始まります。入り組んだん起伏のユニゾン主題から始まり、すぐにチェンバロソロに移ります。
第2楽章:憂い感漂うアダージョ。カンタータに転用されています。
第3楽章:構成は第1楽章と似ていますが、ソロパートがさらに華麗に舞います。

バッハ復活を押し進めたロマン派の作曲家達も魅了されてたそうで、メンデルスゾーンがピアノ協奏曲として演奏した記録が残っていますし(1832年)、「最大傑作の一つ」とシューマンも讃えています。

「チェンバロ協奏曲」(BWV1052〜1065)は、独奏チェンバロと弦楽オーケストラのための協奏曲。大半はバッハ自身の旧作を編曲したもの(一部はヴィヴァルディなど他者の作品)です。
それまで通奏低音であったチェンバロを独奏楽器として用いた作品で、後のピアノ協奏曲へと続く大きな意味を持っています。
このアイデアはここで出てきたものではなく、ヴァイマール時代のイタリア協奏曲の鍵盤楽器への編曲や、ケーテン時代の「ブランデンブルク協奏曲第5番」にさかのぼります。
この協奏曲の誕生は、コレギウム・ムジクム活動と関わっていると考えられています。ここでの重要なレパートリーがチェンバロ協奏曲でした。

独奏チェンバロの数によって、4つに分類されます。
1台用:BWV1052〜1059 (8曲)
2台用:BWV1060〜1062 (3曲)
3台用:BWV1063〜1064 (2曲)
4台用:BWV1065(1曲)
一台用の総自筆譜については、1730年台の終わりにまとめて書かれています。複数代用のものが、時代的には先行しています。恐らくバッハのもとにいたフリーデマン、エマーヌエル、J.L. クレープス(1726年〜35年にバッハに師事)ら弟子の協力を得て演奏されたとされています。

これらの協奏曲群のうち、原曲が存在する作品は,すべてソロ・ヴァイリンのための協奏曲で、原曲が失われたものも、多くはヴァイオリンパートが、ソロパートであったと考えられています。

バッハが行った編曲は、

ソロ・パートをチェンバロの右手に移し、
左手用のバスを添加、
ある程度のチェンバロ的改変を加えた、
ことにあります。
これにしたがって、チェンバロの音域の問題から、全音低く移調されています。

*この逆の作業をすることで、失われた協奏曲を復元できるというわけですね。

演奏はやはりグスタフ・レオンハルト氏によるもの。この人の演奏は本当に何を聴いても素晴らしいという言葉の他に適切な言葉が見つからないのです。

このCDはタイトルの通り、C.P.E. バッハの「チェンバロ協奏曲 ニ短調 WQ. 23」とのカップリングになっています。

演奏:
ヴァイオリン:Marie Leonhardt, Lucy van Dael, Alda Stuurop, Ruth Hesseling, Janneke van der Meer, Antoinette Moonen
ヴィオラ:Linda Ashworth, Staas Swierstra
チェロ:Richte van der Meer, Lidewij Scheifes
コントラバス:Nicholas Pap
チェンバロ:グスタフ・レオンハルト(William Dowd, Paris, 1975)
録音:Lutherse Kerk, Haarlem,nHolland, 1981年11月

BWV1047 ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調

2008年02月23日

「BACH BRANDENBURG CONCERTOS」(Concerto Italiano、Rinaldo Alessandrini、naïve、OP 30412)

成立:1721年、ケーテン(最終稿)
楽器編成:トランペット、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリン、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:テンポ指定無し(2/2)
第2楽章:アンダンテ(ニ短調、3/4)
第3楽章:アレグロ・アッサイ(2/4)

トランペット、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンの4つの楽器が対等に組み込まれて,弦合奏によるトゥッティと対抗させて合奏協奏曲に近い形をとっています(ただし楽章構成は、典型的なヴィヴァルディ的協奏曲)。
ソロ楽器が高音ばかりという面白い楽器編成になっています。上の4つの楽器は対等ですが、特にトランペットが際立っています。1、3楽章でその輝きを存分に見せつけています。第2楽章では、トランペットが出てこず、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音で構成されています。しっとりとしたちょっと切ない感じのメロディー。
第3楽章では、トランペットが主題を提示し、それをリコーダー、オーボエ、ヴァイオリンが受け継いで、独奏声部によるフーガになります。

演奏はアレッサンドリーニ率いるコンチェルト・イタリアーノによるもの。ビオンディらのヴィヴァルディ「四季」や、イル・ジャルディーノ・アルモニコの激しい「四季」の演奏を聴いて、同じイタリア勢の演奏ということで、ちょっとバッハの演奏にあのスタイルは・・・、と思っていたのですが、実際に聴いてみると実にいい演奏。テンポはやはり早めですが、ラテン的な乗りは感じません。今回は取り上げませんが、第5番(BWV1050)では、通常の演奏以外に、初稿のカデンツァの部分も同時に録音しています(最終稿よりもかなり短い)。こういう比較ができるのも面白いですね。

かなりの名盤ではないかなと思っています。

演奏:コンチェルト・イタリアーノ(リナルド・アレッサンドリーニ指揮)
録音:2005年3月、Palazzo Farnese in Rome

BWV1066 管弦楽組曲 第1番 ハ長調

2008年02月19日

「J. S. バッハ:管弦楽組曲(全曲)」(S. クイケン、ラ・プティット・バンド、DHM、BVCD−7001−02)

成立:1725年頃、ライプツィヒ(?)
基本資料:同時代の写筆パート譜
編成:オーボエ2、ファゴット、弦合奏、通奏低音
楽章構成:
第1楽章:序曲(4/4-2/2-4/4)
第2楽章:クーラント(3/2)
第3楽章:ガヴォットI&II(2/2)
第4楽章:フォルラーヌ(6/4)
第5楽章:メヌエットI&II(3/4)
第6楽章:ブーレーI&II(ハ短調、2/2)
第7楽章:パスピエI&II(3/4)

「管弦楽組曲」と言われる様式は、フランス・オペラの始祖であるリュリの宮廷歌劇やバレーの器楽的な部分の抜萃版として起こったと言われています。バッハの時代には、その冒頭を飾る楽章の名前にちなんで、「序曲(Ouvertitire)」と言われました。

バッハの管弦楽組曲の真作とされる4曲の内、もっとも伝統的な管弦楽組曲のスタイルに忠実なのが、この第1番であると言われています。2本のオーボエとファゴットの木管3本が弦の合奏に対置されていて、そのトリオの用い方が、リュリのオーケストラの用法に遡ります。この曲全体を通して、この木管楽器が活躍します。実に生き生きとしていて、躍動的。

演奏はラ・プティット・バンドによるもの。この曲を初めて聴いた想い出深いアルバム。

演奏:ラ・プティット・バンド
録音詳細不明

BWV1043 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調

2008年02月08日
「J. S. バッハ ヴァイオリン協奏曲集」(シギスヴァルト・クイケン、ラ・プティット・バンド、BMG、BVCD−1629)

成立:遅くとも1730/31年頃
編成:ヴァイオリン2挺、弦合奏、通奏低音
基本資料:S. ヘーリングによる写筆パート、バッハ自筆のソロ・パート譜及び通奏低音パート。ヴァイオリンI、IIと通奏低音の3パートのみ現存
楽章編成:
第1楽章:ヴィヴァーチェ 2/2 ニ短調
第2楽章:ラルゴ・マ・ノン・タント 12/8 ヘ長調
第3楽章:アレグロ 3/4 ニ短調

バッハの現存するヴァイオリン協奏曲は3曲のみ。BWV1041と1042、そして今日ご紹介する2挺のヴァイオリンのための協奏曲のみ。他に作曲していた可能性もあり、チェンバロ協奏曲の原曲と考えられるものから復元されている曲もあります(最近そういう録音が増えてきました)。

いずれの協奏曲も、ヴィヴァルディ形式の協奏曲(急ー緩ー急の三楽章で構成。両端楽章はトゥッティとソロの交代によるリトルネッロ形式、緩楽章はソロが全面に出る)を踏襲。この曲は「2台のチェンバロのための協奏曲 第3番 ハ短調 BWV1062」に編曲されています(他の二つの曲も、チェンバロ協奏曲に編曲されています)。

この曲はコレギウム・ムジクム活動の初期に演奏されたものと言われています。2つのヴァイオリンが絶えず旋律を模倣しあいながら、極めて美しい旋律を奏でます。1、3楽章は非常に厳格で気高い印象があり、第2楽章は甘く美しいメロディーを二つのヴァイオリンが奏でます。バッハの曲の中でも、とても好きな曲の一つ。

演奏:
シギスヴァルト・クイケン(ヴァイオリン、Giovanni Grancino, Milano, c1700)
ルーシー・ファン・ダール(第2ヴァイオリン、Januarius Gagliano, Napoli, 1732)
ラ・プティット・バンド

BWV1049 ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調

2008年01月20日

「ブランデンブルク協奏曲全集」(ブリュッヘン、クイケン兄弟、ビルスマ、レオンハルト他、SONY, SRCR 2107-8)

成立:1721年、ケーテン(最終稿)
編成:ソロ・ヴァイオリン、リコーダー(2)、弦合奏、通奏低音
構成:
1) Allegro (3/8拍子)
2) Andante(3/4拍子、ホ短調)
3) Presto (2/2拍子)

独奏ヴァイロリンと2本のリコーダーが活躍する非常に美しく、のどかな曲。6曲からなるこの協奏曲集の中でも一番好きな曲です。特に第三楽章の始まりが、すごく美しいですね。
2本のリコーダーが絡み合いながら美しい旋律を響かせるのと同時に、独奏ヴァイオリンが非常に難しいフレーズを引き続けていきます。

バッハは後にこの曲を、チェンバロ協奏曲へ長調(BWV1057)へ転用しています。

演奏は、古楽器による演奏の決定版と思います。

この曲の演奏は、
フランス・ブリュッヘン(第1ブロック・フレーテ)、ケース・ベーケ(第2ブロック・フレーテ)
シギスヴァルト・クイケン(バロック.ヴァイオリン・ソロ)
ルシー・ファン・ダール(第1バロック・ヴァイオリン)、ヤネッケ・ヴァン・デア・メーア(第2バロック・ヴァイオリン)
ウィル・ペース(バロック・ヴィオラ)、ヴィーラント・クイケン(バロック・チェロ)、ソニー・ウィッドロウ(ヴィオローネ)
グスタフ・レオンハルト(チャンバロ)

と今では考えられないメンバーですね。ここではチェロをヴィーラントが弾いていますが、他の曲ではアンナー・ビルスマも弾いています。

レオンハルト、クイケン兄弟(ここでは、シギスヴァルトとヴィーラント)、アンナー・ビルスマ、ルシー・ヴァン・ダール、ボブ・ファン・アスペレンと言った、現在の古楽界を牽引してきたメンバーが勢揃いというところですね。

有名な曲集ですので、たくさんのCDが出ていますし、どれも素晴らしいですが、わたくしがはじめて買ったブランデンブルク協奏曲のCDであり、もちろんその内容の素晴らしさに圧倒されて、たくさんのこの曲集のCDがありますが、未だにこれを越える演奏にはめぐり逢っていません。

それにしてもくらくらとくるメンバーですね。

さてこの曲集ですが、「ブランデンブルク協奏曲」と一般的にしられていますが、ブランデンブルク辺境伯クリスチャン・ルートヴィッヒに献呈された自筆総譜が残っていますので、そう言われていますが、実際は

「種々の楽器のための6つの協奏曲集 Six Concerts Avec plusieurs Instruments」

で、ブランデンブルク辺境伯クリスチャン・ルートヴィッヒ (プロイセンの先王の先王フリードリヒ一世の弟、フリードリヒ大王の叔父)の名にちなんで、シュピタ以来「ブランデンブルク協奏曲と言われています。

ルートヴィッヒの依頼で、依頼があってから作曲したと思われがちですが、実際は依頼があってから、元々バッハが書いていた協奏曲を手直ししたと言うのが定説ですね。
根拠はルートヴィッヒの抱える演奏家では、演奏できない編成の曲が多いですからね、

「種々の楽器」のためと書かれているように、6つの協奏曲の中でも、本当に様々な楽器が活躍する素晴らしい作品です。

録音が1977年3月、Doopsgezinde Kerk in Lutherse Kerk, Haarlem, Hollan