Time Table
カテゴリー
最近のエントリー
最近のコメント
なんとか別リスト
Tag cloud

メイン

BWV1078 バッソ・オスティナート上の7声のカノン

2009年10月24日

「MUSIKALISCHES OPFER」(Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel, Deutsche Grammophon, 463 026-2)

成立:1749年3月1日、ライプツィヒ
基本資料:18世紀半ば(バッハの死後数年後)
構成:ヘ長調、4/4

F-A-B-Eの4音を反復する固執低音上に構成された、7声のカノン。上記資料には、弟子キルンベルガーの手により、次のように記されている。「ファ・ミとミ・ファは音楽のすべてである。ファ・ミに基づく7声のカノン。尊敬する所有者殿、あなたがご存知の通り、忠実な友をもつことは幸せなことです。それゆえ、芸術のたずさわるひとりの人を、あなたの忠実な友人として受け入れて下さい。ライプツィヒ、1749年3月1日」。ラテン語で書かれたこの献辞は、FABER-BACH-ITの折り句となっている。シュピッタによれば、FABERは献呈相手の名前、ITは「アイゼナハ/テューリンゲン」の略称であるという。一方スメントは、折り句全体がドイツ名Schmidt(出版業者のB. シュミート?)に、アルファベット数の一致によって置き換えられるとする。
(バッハ事典、東京書籍)

優しい音が連なり、音がダンスをしているような感じです。シンプルな曲ですが・・・

演奏:Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel
録音:1984年

BWV1077 低音主題上の4声カノン

2009年09月26日

「MUSIKALISCHES OPFER」(Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel, Deutsche Grammophon, 463 026-2)

成立:1747年10月15日、ライプツィヒ
基本資料:J. G. フルデの記念帳
構成:ト長調、4/4

1747年10月15日の日付けで、ヨーハン・ゴットフリート・フルデ(当時のライプツィヒ大学神学生)。に献呈された作品。「主題上の二重カノン」というタイトルをもつ。その主題はBWV1076の低音声部と同一で、やはりBWV1087に初稿がある。添え書きとして、「象徴。キリストは十字架を担う者たちに冠をかぶせるであろう。」と記されている。
(バッハ事典、東京書籍)

ゆったりとしたテンポで、優しい曲調です。引用にあるように、以前紹介した「BWV1087 14のカノン(「ゴルトベルク変奏曲」の主題に基づく)」の第11曲が初稿となっています

演奏:Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel
録音:1984年

フレットワークによる《BWV1080フーガの技法》を聴く

2009年04月09日

「バッハ:フーガの技法(6つのヴィオラ・ダ・ガンバ版)」(フレットワーク、harmonia mundi FRANCE、HMU907296)

「BWV1080 フーガの技法」は、楽譜に楽器指定がされておらず、様々な楽器で演奏されてきました。以前、「アレッサンドリーニによる「フーガの技法」を聴く」のところで触れましたが、現在では様々な研究の結果、この作品が鍵盤楽器のためであるとされています。レオンハルトは独自に検証し、この曲が鍵盤楽器用に作曲されたものであるとして、その結論にしたがって、いわゆる「未完のフーガ」を除いて録音しています。

このブログでは、基本的なポリシーとして、バッハの作曲意図を尊重して、できるだけ指定された楽器で演奏されたもの(もちろん古楽器によるもの)を取り上げることにしています。しかし、今回は、最近買った「フーガの技法」のCDがあまりにも素晴らしかったので、紹介したいと思います。

演奏はイギリスのヴィオラ・ダ・ガンバのスペシャリスト集団「フレットワーク」によるもの。6人のガンバ奏者からなっています。様々な録音を精力的に行っています。

さて、このフーガの技法ですが、鍵盤楽器のための作品であるということが一般的な結論とされた後でも、様々な形で録音されています。わたくしが所有しているだけでも、

・ラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクァ・ケルン(Archiv、1984)
・サヴァール指揮、エスペリオンXX(Astree、1986)
・アレッサンドリーニ指揮、コンチェルト・イタリアーノ(Opus111、 1999)
・コレギウム・アウレウム(DHM、1962)

があります。上述のように、オリジナル編成での演奏を尊重しているのですが、実はこのフーガの技法は、上で挙げたように色んな編成で演奏しても、その対位法の極みが損なわれることなく、実に素晴らしいのです。もしレオンハルトの研究結果がなく、未だに指定楽器が不明であったとして、こうした「合奏」で演奏されることが当然だとしても、それが普通に受け止められてしますのです。

もちろんこれはバッハの作品の「普遍性」によるところが大きいと思います。バッハの作品は様々な形で編曲されますが、それでもバッハの崇高な音楽性が失われることがないからです。

さて、このフレットワークによる録音ですが、正直なところびっくりしました。6人のガンバ奏者による演奏なのですが、バッハが対位法を最大限にまで高めて書いた作品の素晴らしさが全面に出ているのです。レオンハルトによる演奏がわたくしの中での究極の一枚なのですが、それを除けば、ある意味この曲の演奏の中ではトップを走る決定版、といってもいいくらいに素晴らしいできです。ガンバが複雑に絡み合って、バッハが究めた対位法を存分に堪能できます。さらにガンバの持つ独特の物悲しい響きが、さらに曲の素晴らしさを高めています。

このCDですが、個人的にはあまり大きな音で聴くよりも、音量を落としてしっとりと聴くのがいいと感じました

演奏;
フレットワーク

録音;
2001年12月16〜19日、Snapes Maltings Concert Hall, Snape, Saxmuntham, Suffork, UK

BWV1076 6声のカノン

2009年02月13日

「MUSIKALISCHES OPFER」(Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel, Deutsche Grammophon, 463 026-2)

成立:1746年以前、ライプツィヒ
基本資料:E. G. ハウスマン筆の肖像画。オリジナル出版譜
構成:ト長調、4/4

ミツラーの音楽学術協会への入会にあたって提出された作品のひとつで、有名なE. G. ハウスマンの肖像画にも描かれている。楽譜は3声で記されているが、各声部から反行形を派生させることによって6声のカノンが導き出される。しかし解決の可能性はただひとつだけではなく、スメントの研究によれば、声部の入れ替え、鏡影転回、蟹行等を通じて、480通りもの解決法が可能であるという。また、同じくスメントの指摘では、バッハ自身はもちろん、入会決断の鍵となったヘンデルの名前、入会年などが、音符数によって暗示されている。
(バッハ事典、東京書籍)

淡々と曲は進行しますが、明るさに満ちた曲。飛び跳ねるようなリズムが印象的な一曲。以前紹介した「BWV1087 14のカノン(「ゴルトベルク変奏曲」の主題に基づく)」の第13曲が初稿となっています

演奏:Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel
録音:1984年

BWV1075 2声のカノン

2008年12月21日

「MUSIKALISCHES OPFER」(Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel, Deutsche Grammophon, 463 026-2)

成立:1734年1月10日、ライプツィヒ
基本資料:同時代の記念帳
構成:ハ長調、4/4

同時代のある記念帳(1929年発見)に記された作品。「この曲を、名付け親氏の思い出のために記す」との献辞がある。かつてはトーマス学校長J. M. ゲスナーに捧げられたとされていたが、最近では従兄弟J. G. ヴァルターの同名の息子が献呈の相手だったと考えられいる。
(バッハ事典、東京書籍)

短い小品。淡々としたリズムですが、どこか軽やかな印象があります

演奏:Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel
録音:1984年

自筆譜を見ながら、クイケン・アンサンブルによる「BWV1079 音楽の捧げもの」を聴く

2008年11月11日

「J. S. バッハ:音楽の捧げもの」(クイケン・アンサンブル、DHM、BVCD-1663)

このブログで以前2度にわたって書きましたが(「BWV1079 音楽の捧げもの」(レオンハルトらによるもの)、「音楽の捧げもの(BWV1079)とフォルテピアノ」)、バッハの作品の中でも、「BWV1079 音楽の捧げもの」はとりわけ好きな作品です。その記事の中で触れましたが、バッハの持てる才能をいかんなく発揮した作品というだけでなく、たくさんの謎が仕掛けられている作品としても有名ですね。

国内でもいわゆる「解決譜」は売られていますが、この作品に対する愛着心から是非自筆譜が見たいと思っていました。以前、「ビブリオポリ」から、「バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(BWV1001-1006)」の自筆譜を取り寄せたのですが、やはり「音楽の捧げもの」の自筆譜も見てみたいという衝動にかられ、7月の頭に「ビブリオポリ」へ問い合わせをしました。この曲の楽譜は、ベルリン国立図書館に自筆譜があること、オリジナル出版譜が出ていることを「バッハ事典(東京書籍)」を見て知っていたので、取り寄せをお願いしていました。

それ以来一切連絡がなかったのですが、昨日仕事から帰ってきたら郵便局から不在通知が入っていました。それで今日の仕事帰りに取りに行ったのですが、中を見てにんまり。自筆譜と出版譜のコピーでした。A3用紙にコピーされていて、折らないようにとかなり厳重な入れ物に入っていました。

この曲の詳細については、様々な本を読んで知っていましたので、それなりに知識はあったのですが、自筆譜を見ながら演奏を聴くのはまた格別ですね

演奏はクイケン・アンサンブルによるものですが、クイケン兄弟にとっては2回目の録音となります。1回目は、レオンハルトと録音した「BWV1079 音楽の捧げもの」ですが、この録音に際して、シギスヴァルトは、この曲を録音するそうですねと聞かれて、

そう望んでいます。私たちはすでにこの曲を録音していますが(セオン盤のこと)、その発想に誤りがあったと思うからです。例えばカノンの楽器編成などで、オリジナルの楽譜の解釈が間違っていたと感じています。また、この作品が理論的なだけでなく、実際的な音楽であることも気がつきましたし。トリオ・ソナタやあるカノンにははっきりと編成が記されており、全曲もこの4つの楽器の編成で演奏されるべきで、それで十分なのです。ですからこのとてもシンプルな編成でコンサートでも演奏し、それに満足しているのです。
CDのライナー・ノーツより

と答えています。実際に演奏は、クイケン兄弟3人とローベル.コーネンの合わせて4人だけで演奏されています。個人的にはレオンハルト盤が大好きですが、この録音も実に優れており、さすが!と思わせるものです。

演奏;
バルトルド・クイケン(フラウト・トラヴェルソ)
シギスヴァルト・クイケン(バロック・ヴァイオリン)
ヴィーラント・クイケン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローベル.コーネン(チェンバロ)

録音;
1994年2月22日〜25日、オランダ、ハーレム、ドープスヘヅィンデ教会

BWV1074 4声のカノン

2008年08月31日

「MUSIKALISCHES OPFER」(Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel, Deutsche Grammophon, 463 026-2)

成立:1727年、ライプツィヒ
基本資料:G. Ph. テレマン『忠実なる音楽の師』など、同時代の音楽理論的著作
構成:ハ長調、4/4

ハンブルクの法律学者、L. F. フーデマンに献呈されたカノン。模倣の音程は示されているが、各声部の入りは記されていない。
(バッハ事典、東京書籍)

ゆったりとした曲。どこか哀しさを感じます

演奏:Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel
録音:1984年

セリーヌ・フリッシュによるゴルトベルク変奏曲を聴く

2008年08月20日
Celine%20FrischGoldberg014.gif

「J. S. バッハ ゴールトベルク変奏曲 BWV988」(セリーヌ・フリッシュ、Alpha014)

今日紹介するのは、先日「ラテン系の人達によるバッハ演奏を聴く」で紹介したカフェ・ツィンマーマンのチェンバリスト、セリーヌ・フリッシュによる「ゴルトベルク変奏曲」。この曲の説明はまたいずれ紹介するとして、詳細はすでに「私的CD評」さんの「グスタフ・レオンハルトによるゴルトベルク変奏曲 」に詳しく書かれていますので、そちらを参照してください(いつもながら、拡張高い記事で感服します)。
そこで指摘されていますが、この曲の録音は繰り返しを行っていないものが多いのですが、セリーヌ・フリッシュは繰り返しを行っています。

演奏はカフェ・ツィンマーマンの快活な演奏とは逆で、実に落ち着いた繊細な演奏です。それも力強い演奏で、やはりカフェ・ツィンマーマンらしさも兼ね備えています。この曲の名演の一つではないかと思います。

また、この曲以外に、以前に紹介した「BWV1087 14のカノン(「ゴルトベルク変奏曲」の主題に基づく)」も収録されています。以前に紹介したリチャード・エガーの演奏はチェンバロ独奏でしたが、ここではカフェ・ツィンマーマン(ヴァイオリン2、ヴィオラ・チェロ、コントラバス)が演奏しています。これも実にいい感じの演奏です。彼ら特有のスピード感のある演奏とは、まったく逆の演奏で、テンポはかなりゆったりしています。

そして面白いのが、二枚目のCDの最後に収録されている「ドイツ民謡2編〜「ゴルトベルク変奏曲第30変奏のクォドリベットの原曲」で、あのドミニク・ヴィスが参加しています。

このCD(2枚組)もあまり店頭で見かけないですが、実に心和むいい演奏ですので、機会があれば聴いてみて下さい

アレッサンドリーニによる「フーガの技法」を聴く

2008年06月21日
ArtOfFugueAlessandrini.jpg

「THE ART OF FUGUE KEYBOARD CONCERTOS」(Concerto Italiano, Rinaldo Alessandrini,
Naïve, OP 20011)

「フーガの技法(BWV1080)」は、「音楽の捧げもの(BWV1079)」と並んでバッハ晩年の大作として知られています。未完であるとも言われ、指定楽器が楽譜に記載されていないことから、これまで様々な楽器で録音されています。

レオンハルトは、独自の研究からこの曲が鍵盤楽器用に作曲されたものであるとし、更にこの曲は未完ではなく完結した作品であるとして、録音では「未完のフーガ」と言われている部分を録音していません。

「フーガの技法&クラヴィーア練習曲集 第2巻」(グスタフ・レオンハルト、DHM BVCD-7007-08)

最初にこの曲を聴いたのがレオンハルトによる上のCDであったので、これまであまり他の演奏を聴くことはありませんでしたが、今回はちょっと浮気をして、鍵盤楽器以外で演奏されたCDを選びました。
ここでは、アレッサンドリーニは自分の手兵であるコンツェルト・イタリアーノを率いて演奏しています。チェンバロの演奏に慣れていたので、最初は違和感があったのですが、やはりこの団体は実に演奏がうまいですね。落ち着いた演奏で好感が持てます。
このCDは二枚組で、一枚目が「フーガの技法」、二枚目にはチェンバロ協奏曲BWV1052、1057、1054、三重協奏曲BWV1044が収録されています。こちらも中々優れた演奏。イタリア勢のバッハは?という印象が大きかったのですが、ヴィヴァルディなどのイタリアの作曲家に対する演奏とは異なっていますね。その辺りもきちんと区別しているのでしょう。彼らの「ブランデンブルク協奏曲」もかなり秀逸な演奏で、お勧めです。
なお、このCDですが、以前は「OPUS111」から出ていたようですが、わたくしの所有しているCDには「Naïve」と記載されています(吸収しましたからね)。

基本的にこのブログでは、バッハの意図した楽器で演奏したものを紹介するようにしていますが、たまにはこういうCDを聴いてみるものも楽しいですね。

なお、上で挙げたレオンハルトの「フーガの技法」に関する文献は、「The art of fugue, Bach's last harpsichord work : an argument」(Gustav M. Leonhardt、The Hague : M. Nijhoff, 1952)で、日本ですと国立音楽大学から入手できます。実際手元にあるのですが、これを読んだだけでは中々レオンハルトの主張するところが理解しずらいのです。なぜなら複数の楽譜を比較しながら議論を進めているので、実際に引用されている楽譜がないとピンときません。彼の主張は、上で紹介したCDの解説で簡潔にわかりやすく書かれているので、そちらの方が手っ取り早いかもしれません。

また「フーガの技法研究所」というサイトで詳しく述べられているので、そちらも参照してみてください

BWV1087 14のカノン(「ゴルトベルク変奏曲」の主題に基づく)

2008年05月17日
Goldberg14CanonsEgarr.jpg

「ゴルトベルク変奏曲、14のカノン」(リチャード・エガー、Harmonia Mundi、HMU907425)

成立:1747年頃〜1748年8月、ライプツィヒ
基本資料:「ゴルトベルク変奏曲(BWV988)」の自家用保存本への自筆の書き込み(旧作の浄書)
ト長調、2/4(ただし、12曲目:4/4、13曲目:2/2、14曲目:4/4)
第1曲:単純カノン(2声カノン)
第2曲:逆行形(2声カノン)
第3曲:先のカノンを基本形と反行形で同時に進行(2声カノン)
第4曲:反行形と基本形。第3曲の転回(2声カノン)
第5曲:4声の二重カノン
第6曲:3声の単純カノン
第7曲:3声カノン
第8曲:3声の単純カノン
第9曲:3声の同度カノン
第10曲:シンコペーションと掛留による2声の異形、およびその発展形(タブラチュアで記載)
第11曲:5声の二重カノン
第12曲:二重カノン
第13曲:6声の三重カノン
第14曲:拡大と縮小による4声のカノン


第11曲及び第13曲には改訂稿(それぞれ、BWV1077とBWV1076)あり。

ゴルトベルク変奏曲の主題低音部に基づく、14曲のカノン。1975年にストラスブールで発見された《ゴルトベルク》初版の自家用保存本に書き込まれているもので、「先のアリアの8つの基礎音に基づく種々のカノン」というタイトルをもつ。 バッハ事典(東京書籍)

音楽の捧げもの(BWV1079)」と同じように様々なカノンから成っています。比較的短い曲が多いですが、美しさに溢れています。

このCDでは、最後の13曲と14曲を演奏する順番が逆になっています。演奏はこのところ気に入っているエガー。今年、アンドルー・マンゼとともに来日しますね

演奏:リチャード・エガー(チェンバロ)
使用楽器:リュッカース(1638年)モデル
録音:2005年3月8〜11日、Vereenigde Doopsgzinde Gemeente Te Haaelem, Netherlands

BWV1073 4声のカノン

2008年03月20日

「MUSIKALISCHES OPFER」(Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel, Deutsche Grammophon, 463 026-2)

成立:1713年8月2日、ヴァイマール
基本資料:同年代の記念帳
構成:ハ長調、4/4

「1713年8月2日」付けで、ある記念帳に記された作品。1段譜表に4種の音部記号を共存させる形で記譜されている。タイトルは「4声の無限カノン」。このささやかな曲を、快き思い出に寄せて、〔記念帳の〕持ち主のためにここに記入します」というもの。持ち主は、シュピッタ以来J. G. ヴァルターと考えられてきたが、真相は不明である。 (バッハ事典、東京書籍)

2分足らずの短い曲。バッハらしいカノン。短い曲ながら、美しさ、気品を併せ持った作品です

演奏:Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel
録音:1984年

BWV1079 音楽の捧げもの

2008年02月03日

「バッハ:音楽の捧げもの BWV1079」(バルトルド・クイケン、シギスヴァルト・クイケン、ヴィーラント・クイケン、マリー・レオンハルト、ロベール・コーネン、グスタフ・レオンハルト、SEONB20D-38010)

成立:1747年夏、ライプツィヒ
基本資料:自筆譜、オリジナル出版譜
楽章編成:
・3声のリチェルカーレ ハ短調 4/4(王の主題による3声フーガ。リチェルカーレはフーガの古称。楽器の指定はないが、チェンバロ独奏がふさわしい)

・王の主題による無限カノン ハ短調 4/4(原譜には2段の譜表に記されている。上段が王の主題、下段の旋律がソプラノとバスの音域にわかれ、王の主題を取り巻いて無限に繰り返す)
・王の主題による種々のカノン(5曲) 
a) 逆行カノン ハ短調 2/2
b) 同度のカノン ハ短調 4/4
c) 2声部反行のカノン ハ短調 4/4
d) 2声部反行の拡大カノン ハ短調 2/2(楽譜の欄外に、「のびゆく音とともに王の繁栄の栄えんことを(Notulis crecentibus crescat, Fortuma Regis)」と書き加えられている)
e) 螺旋カノン ハ短調 4/4(螺旋を描くように、一回演奏するごとに一全音高い調へ移行する。ハ短調→ニ短調→變ヘ短調→変イ短調→変ロ短調→ハ短調(1オクターブ上の元の調)となる。「昇りゆく旋律とともに王の栄光の昇りゆかんことを」と書き加えられている)

・上方5度のフーガ・カノニカ ハ短調 2/2

・6声のリチェルカーレ ハ短調 2/2

・2声のカノン ハ短調 2/2(「尋ねよさらば見いださん」と欄外に記された「謎のカノン」)

・4声のカノン ト短調 4/4(同様謎のカノン)

・トリオ・ソナタ ハ短調(4楽章)
第1楽章:ラルゴ ハ短調 3/4
第2楽章:アレグロ ハ短調 2/4
第3楽章:アンダンテ 変ホ長調 4/4
第4楽章:アレグロ ハ短調 6/8

・無限カノン ハ短調 2/2

プロイセン大王フリードリヒ2世(大王、CDジャケットの男性)が提示したと単一主題に基づく曲集。1747年5月、ポツダムのフリードリヒ大王のもとをバッハは訪れました(フルートの名手であった大王のお抱えであったのが、バッハの息子の一人エマーヌエルで、バッハに会いたいと願ったからだと言われています)。大王はバッハにジルバーマン制作のフォルテピアノの試奏を請い、バッハが試奏。試奏の後、バッハは大王にフーガ主題の提示を求めます。そこで示したのが、この曲を通して聴かれる「王の主題」。これをもとに即興演奏を披露した、と言われています。後日、この主題による楽曲を楽譜にして1747年7月7日付けに大王に献呈、さらにいくつかの楽曲をつけたして、同年の9月末に出版。

たくさんの謎が散りばめられた曲で、王の主題による種々のカノンの「同度のカノン」、トリオ・ソナタと最後の無限カノン以外は楽器編成の指定がなく、一部のカノンは、いくつかの解決方法が可能な「謎のカノン」となっています。現在も議論や解釈の面で解決がついておらず、様々な演奏がされています。

数あるバッハの曲の中で一曲だけ選べと言われたらかなり苦労しますが、わたくしはこの「音楽の捧げもの」を選びます。とても美しく、崇高で、気高く気品に溢れる曲。バッハの上に書いたように、バッハの晩年の作品で、フーガの技法(BWV1080)と並んで、バッハがその作曲技法の限りを尽くした作品ですね。謎が多い曲ですが、その中に王の繁栄を盛り込み、聖書の言葉を巧みに盛り込んでいるところはさすがにバッハです。

クイケン兄弟は後に

「楽器の指定の解釈を誤っていた」

と言って録音をしなおしています。それも素晴らしいのですが、レオンハルト氏が参加しているこのCDを何度も聴いて馴染んでいるので、このCDを選びました。セオンはすでにありませんが、ソニーから同じCDが発売になっています(ただしジャケットは違います)。

演奏:
バルトルド・クイケン(フラウト・トラヴェルソ、G. A. ロッテンブルク(ブリュッセル)18世紀頃)
シギスヴァルト・クイケン(バロック・ヴァイオリン、マッジーニ派のヴァイオリン(ブレッシア)17世紀中頃)
マリー・レオンハルト(バロック・ヴァイオリン、ヤコブ・シュタイナー(アブサム)1676年)
ヴィーラント・クイケン(ヴィオラ・ダ・ガンバ、作者不明(チロル)18世紀)
ロベルト・コーネン(チェンバロ)
グスタフ・レオンハルト(独奏チェンバロ、指揮、J. D. ドゥルケン(アントワープ)1745年によるマルティン・スコヴロネック(ブレーメン製)、J. D. ドゥルケン(アントワープ)1755年)
(*チェンバロはレオンハルトとコーネンがいずれを使用したか不明)
録音:1974年11月、アムステルダム、ドーペスヅィンデ教会)

BWV1072 8声のカノン

2008年01月30日

「MUSIKALISCHES OPFER」(Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel, Deutsche Grammophon, 463 026-2)

成立:不明
基本資料:F. W. マールプルクのフーガ論(1754年)に譜例として挙げられた作品(他の資料もあるがいずれも解決譜)
構成:ハ長調、4/4

マールプルクの著作には、「今は亡き楽長バッハ氏は、このカノンを三和音によるカノンと名付けた。なぜなら、それ以外の和音はまったく現れないからである。 (バッハ事典、東京書籍)

1分足らずの短い曲。同じ旋律をヴァイオリンが繰り返す曲です。それだけなのですが、実に美しい響きがあります

演奏:Musica Antiqua Koln, Reinhard Goebel
録音:1984年