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テルツ少年合唱団によるクリスマス・オラトリオを聴く

2009年12月26日

「バッハ:クリスマス・オラトリオ(全曲)」(ゲルハルト・シュミット=ガーデン指揮、テルツ少年合唱団、コレギウム・アウレウム合奏団)

このブログでは、昨年にアーノンクールの演奏で「BWV248 クリスマス・オラトリオ」を聴いていますが、例によって(?)よく観に行くブログ記事に感化されて聴いてみました。記事元は、「私的CD評」さんの「バッハのクリスマスオラトーリオをオリジナル編成で聴く 」です。わたくしが昨年聴いたのは、アーノンクールの後年の録音で、女性ソプラノを起用していますが、上記ブログでは記事タイトルの通り、男性ソプラノ、混声合唱団ではないオリジナル編成での演奏となっています。

今回紹介する録音も、テルツ少年合唱団と、各声部が男性(ソプラノ及びアルトはテルツ少年合唱団のメンバー)となっています。

この曲の詳細は、上記記事で取り上げたので割愛します。

伸びやかな少年達の声が印象的ですね。「クリスマス」からは一日遅れですが、QUADのスピーカーで楽しむことができました。大きな編成(例えばマーラー)は苦手ですが、あまり大きくない編成の曲では、その独特の繊細さが際立ってくれます

演奏;
ハンス・ブッフヒール(ボーイ・ソプラノ)
アンドレーアス・シュタイン(ボーイ・アルト)
テーオ・アルトマイヤー(テノール)
バリー・マクダニエル(バス・バリトン)
フランツ・レールンドルファー(ポジティーヴ・オルガン)
テルツ少年合唱団
コレギウム・アウレウム合奏団
指揮:ゲルハルト・シュミット=ガーデン

録音;
1973年4月、レングリース教区教会

ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるブランデンブルク協奏曲を聴く

2009年11月27日
GardinerBrandenburg.jpg

「ブランデンブルク協奏曲(全曲)」(ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、Sdg、SDG707)

「演奏しない」指揮者であるガーディナーが「ブランデンブルク協奏曲」というと不思議な感じがしますが、まぎれもなく「ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ」によるもの。解説の中で、ずっとこの曲を録音したかったのだが、指揮者がこの曲でやれることはなんだろうか?といった趣旨のことを書いています。実際のところ、古楽での演奏では、いわゆる「指揮者」をおいてこの曲を演奏することはあまりないような気がします。ガーディナーは「第1曲と第2曲」で指揮をしています。この二つの比較的規模の大きな曲では、全体を統率する「演奏しない」役割のものがいてもいいだろう、と考えているようです。

演奏は、ガーディナーらしい、実にドライブ感のある、スリリングな演奏。特に彼が指揮している第1、2曲ではそれが顕著に表れています。「小気味いい」演奏です。

録音;
第1−4、6番;2009年1月10−12日(パリ、Cite de la Musique)
第5番;2009年4月13日(ロンドン、Cadogan Hall)


(余談)
ちょうど1週間前に引っ越しをしたのですが、部屋が広くなったこともあり、オーディオ・セットを新調しました。

スピーカー;QUAD PRO-63
プリアンプ;music referense RM-5 MK-II
パワーアンプ;QUAD606(後期型)
レコードプレーヤー;DENON DP-6000
CDプレーヤー;Marantz SA-15S2

という組み合わせ。スピーカーがQUADのコンデンサ型。新しいESL 2805や2905も聴いたのですが、低音が出るようになった分繊細さを失ってしまったので、古い型のものをオーバーホールしてもらいました。実家の父が持っているので、音の性格についてはよく知っていました。その繊細さがちょうど古楽を聴くのにはいいなと思った次第です。日曜日に届いたのですが、ぼちぼちとエイジングしつつ、音を楽しんでいます。

プリアンプもかなり古いものです。管球式ですが、まだCDが出ていない時代のものですので、セレクタに「CD」というものがありません(笑)。パワーアンプは(予算の都合で)今回はQUADのトランジスタを選びました。レコードは実家の父が、「もうレコードを聴かないからお前にプレーヤーごとやる」と言ってくれたもの。

と書くとレコードプレーヤーだけ父からもらったように聞こえますが、実際はスピーカーとCDプレーヤー以外は父から譲り受けたもの。スピーカーを選んでから、毎週日本橋のオーディオ・ショップにアンプを選びに行っていたのですが、それを聞いた父が自分も新しいものが欲しいと思ったらしく、わたくしに自分の持っていたものを譲ったというわけです。CDプレーヤー以外は実家で父が使っていたのと全く同じわけですが、部屋の大きさや床(畳かフローリングか)が違うので、響き方、鳴り方が異なっています。もちろん元々持っている繊細な部分には変わりはありません。
念願のいい音で音楽を聴く環境に入ることができました。予算の都合もあるので、まだまだなところはありますが、独りで楽しむには今のところ充分です

クイケン、ラ・プティット・バンドによるミサ曲ロ短調を聴く

2009年08月22日
KuijkenBminor.jpg

「JPHANN SEBASTIAN BACH h-Moll-Messe」(La Petite Bande Sigiswald Kuijen, Challenge Classics, CC72316)

少し前に入手したクイケンらによる「ミサ曲ロ短調 BWV232」を紹介したいと思います。チャレンジ・クラシックスでの大作録音の2作目となります(1作目は、モンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』)。

この曲の概要については、以前レオンハルト盤で取り上げましたのでそちらを参照してください。

演奏の特徴ですが、大きく二つあります。

一つ目は、声楽パートが、OVPP(One Voice Per Part)を採用していること。これはクイケンだけの特徴ではなく、最近OVPPによる録音が非常に多く(恐らく新しい録音はほとんどがこちらを採用していると思います)、「特徴」というには語弊があるかもしれないですね。声楽陣の編成は下記の通りです;

第1部:ミサ(Missa、キリエ(Kyrie)、グローリア(Gloria));ソプラノ2、アルト、テノール、バス

第2部:ニケーア信教(Symbolum Nicenum);ソプラノ2、アルト、テノール、バス

第3部:(サンクトゥス(Sanctus));ソプラノ2、アルト2、テノール、バス

第4部:(オサンナ(Osanna)、ベネディクトゥス(Benedictus)、アニュス・デイ(Agnus Dei));ソプラノ2、アルト2、テノール2、バス2

となっています。第1部のソプラノは、コンチェルティストが、Gerlinde Sämannで、リピエニストが3人から成っていて、こちらはそれぞれの曲に応じて、担当者が変わります(Patrizia Hardt (第1、2、6曲), Elizabeth Hermans (第3、4、5、7、12曲), GerlindeGerlinde Sämann (第9曲))。

二つ目は、チェロの代わりに、「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ」を用いているということです。クイケンはこの楽器の導入に積極的で、このブログでも紹介していますが、「無伴奏チェロ組曲 」(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ、シギスヴァルト・クイケン、ACCENT、ACC24196)や、同じACCENTに録音したヴィヴァルディの四季でも用いています。ただし、今回紹介している録音では、クイケンはヴァイオリンを担当していて、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラはMarian Minnenが弾いています。

この楽器が実際のところどうなのか?(かなり曖昧な表現ですが?)ということもありますが、個人的には、過去の様々な資料を基に、色んなアプローチをして、その演奏を聴く機会が増えることは大いに結構だと思っています。なおこの楽器については、私的CD評さんが、「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラとバッハの無伴奏チェロ組曲 」で詳しく解説されていますので、是非ご一読下さい。

楽器の編成も小さく、声楽陣も上で述べた人数で行っており、かなり規模としては小さいですね。その分、全体の統一感が素晴らしく、演奏、声楽ともに優れていると思います

録音場所;San Lorenzo de El Escorial (Spain), Teatro Auditorio
録音年月日;2008/3/16-19

管弦楽組曲原典版を聴く

2009年06月13日

「J.S.バッハ:管弦楽組曲集(原典版)〜若き王子のための(アンハルト・ケーテン候レオポルト王子のために)」(モニカ・ハジェット、アンサンブル・ソネリー、Avie、AV2171)

バッハの「管弦楽組曲」としては、BWV1066 - 1070の4曲が知られています(BWV1071については、Ch. F. ペンツェルによる筆写パート譜が残っているものの、作者名に「バッハ」とだけ記されているため、バッハに近い人物によるもので、偽作と見なされています)。

バッハがこれらの「序曲」の創作にとりかかったのは、自らがオーケストラを指揮できる立場になってからであるとされており、その事情を考慮すると、ヴァイマール時代からケーテン時代がその創作の初期となります。いずれの曲もライプツィヒ時代の筆写譜で伝えられているものの、その創作に至る経緯や成立時代は明らかではありません。バッハ事典(東京書籍)によれば、

第1番(BWV1066);1725年頃、ライプツィヒ?(同時代の筆写パート譜)
第2番(BWV1067);1738/39年、ライプツィヒ(オリジナル・パート譜(一部自筆))
第3番(BWV1068);1731年春、ライプツィヒ(オリジナル・パート譜(一部自筆))
第4番(BWV1069);1725年以前(Ch. F. ペンツェルによる筆写パート譜)

となっています。いずれも完全な自筆譜が存在しないため、例えば第1番については、最初に書かれたもので、作品の成立自体はケーテンもしくはヴァイマール時代であると考えられています。第4番もバッハの死後に作成された筆写譜によって伝えられているのみで、BWV110番の冒頭に転用されていることから、1725年以前(ケーテンもしくはヴァイマール時代)に書かれたものと推測されています。

さて、今回紹介するハジェットらによる演奏は、

「原典版」

と銘打っています。「新たに自筆譜が発見され、それに従って演奏した」、というわけではありません。上に引用した成立事情・時期の推測をもとに、ケーテンのレオポルト候の宮廷楽団と同じ規模の編成を再現して、そこから「原典の響き」を甦らせようとしているのです。

現在一般に演奏される編成と比較してみます。

第1番(BWV1066);オーボエ2、ファゴット、弦合奏、通奏低音
第2番(BWV1067);フラウト・トラヴェルソ、弦合奏、通奏低音
第3番(BWV1068);トランペット3、ティンパニ、オーボエ2、弦合奏、通奏低音
第4番(BWV1069);トランペット3、ティンパニ、オーボエ3、ファゴット、弦合奏、チェロ、ヴィオローネ、通奏低音

ハジェットは、ケーテンの宮廷楽団の編成、

「弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)、オーボエ、ファゴット、チェンバロ」

に基づいて演奏しており、第2番では、フラウト・トラヴェルソのパートをオーボエに置き換え、第3、4番ではティンパニは登場しません。

実際に聴いてみた感じですが、第2番のオーボエによる演奏は、これまでフラウト・トラヴェルソでの演奏を「当たり前」として聴いてきたので、どこか違和感を感じるかな、と思ったのですが、杞憂でした。比較的しっくりと全体に馴染んでいます。演奏がかなり早めなのが気になったところでしょうか(普通はCD2枚組になるのですが、この録音は1枚ですからね)・・・。

この試みが正当なのか否かは不明ですが、違和感を覚えることもありませんし、当時の宮廷の事情を考慮した演奏ということで、ある意味面白いと思います

演奏;モニカ・ハジェット、アンサンブル・ソネリー
録音;2007年9月21〜25日、ロンドン、セント・サイラス教会
ピッチ;a' = 415 Hz

シュレーダー・ホグウッドによるヴァイオリン協奏曲を聴く

2009年05月06日

「J. S. バッハ ヴァイオリン協奏曲集」(シュレーダー&ホグウッド、オワリゾール、UCCD-2021)

連休最後の昼下がりは、シュレーダーとホグウッドらによるヴァイリン協奏曲集を聴きます。以前発売になっていたものの、再発です。一時期廃盤扱いになって入手不可能でしたが、「オワリゾール名盤」というシリーズで復刻されました。

すっかりバッロク・ヴァイオリン界の長老となったシュレーダーですが、柔らかな音はさすがですね。1665年製のヤコブ・シュタイナーを使用しています。

有名な3つの協奏曲ですが、変わっているなと感じたのが、3曲目に収録されている「BWV1043 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調」の通奏低音。ホグウッドはチェンバロではなく、オルガンを演奏しています。CDの解説に記載されていないので、なぜオルガンを使用したのか不明ですが、何か意図があったのでしょうか?


収録曲;
BWV1041 ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調
BWV1042 ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調
BWV1043 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 


演奏;
ヴァイオリン;ヤープシュレーダー(ヤコブ・シュタイナー、1665年)
エンシェント室内管弦楽団
指揮;クリストファー・ホグウッド(チェンバロ、オルガン)

録音;
1981年9月、キングスウェイ・ホール、ロンドン

エガーによるブランデンブルク協奏曲を聴く

2009年04月24日

「バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)」(リチャード・エガー、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、harmonia mundi、HMU807461)

「遊んでる」というのがこのCDを聴いた感想です。このところ精力的に録音を行っているエガーですが、やっとブランデンブルク協奏曲を録音(といっても昨年ですが)してくれました。予想していた通りの演奏。

まずは第1番ですが、管楽器がかなり「遊んで」います。音が突然高くなったり、長く延ばしたりと好き放題やっています。イタリア勢のラテン的な悪乗りの演奏ではなく、曲をよく熟知して、演奏を楽しんでいるという感じです。

といっても、まったく的外れなことをやっている感じではなく、演奏はさすがにうまいです。テンポも中庸で、走りすぎるところもありません。この辺りがイタリア勢の演奏とは違う点です。第5番などは、エガーがかなり暴走しそうな感じを受けたのですが、そうではなくかなり正統派な演奏。

ピッチがA = 392 Hzとベルサイユ・ピッチで、響きも中々よいです。エガーがCDの解説の中で、この曲が書かれた当時、管楽器はフレンチのものが多かったからというのがその理由。これについては、ブルトルド・クイケンがバッハのフルート・ソナタを録音する時に、同じピッチを使った理由として、まったく同じことを述べています。当時のトラヴェルソは、フランスからフランス人が持ってきたものが多く、当然ピッチはフレンチのものであったはずだから、というもの。

通奏低音にテオルボやバロック・ギターが参加しているもの面白いですね。これについては記述がありませんでした。何か理由があるのでしょうか?

例によって、音律は「ordinaire」です。このところのエガーの録音は、この音律が多いですね

エガーらしい、飄々とした、遊び心に溢れたアルバムです。この曲をたくさん聴き込んだ方なら、楽しめる内容だと思います

演奏;
チャード・エガー(指揮、チェンバロ)、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック

使用楽器:1638年リュッカースのJoel Katzmanによるコピー

ピッチ;A = 392 Hz、音律;ordinaire

録音;2008年5月、St. Jude's-on-the-Hill, Hampstead Garden, London

西山まりえによる「クラヴィーア練習曲集 第2巻」を聴く

2009年04月12日

「バッハ・イタリア協奏曲&フランス風序曲」(西山まりえ、Anthonello Mode、AMOE-10005)

以前から店頭で見かけていて、気になっていたCD。ジャケットが印象的だったもので・・・。

さてその感想ですが、実にいい演奏!ということです。
1曲目の「BWV831 フランス風序曲 ロ短調」は、かなり遅いテンポで始まります。さらりとBGM的に聴こうと思っていたのですが、この遅さに驚いて、じっくりと聴き入ってしまいました。全体がそういう感じというわけではなく、各楽章をじっくりと考えて弾いているという感じを受けました。この遅さに驚いたというところですが、「バッハの音楽」さんの「西山まりえさんのバッハ」でも、同じことが書かれています。

線が細い演奏という感じでもなく、繊細な部分と大胆に弾いている部分があって、3曲収録されていますが、楽しんで聴くことができました。ジャケットには目をつぶってチェンバロを弾いているところが描かれていますが、その絵の通りの印象を与える弾き方だと思います。

レオンハルトの質実剛健な演奏が基準となっていて、中々他の演奏家のチェンバロを聴いてもぴんとこないことが多いのですが、久しぶりにいい演奏に出会えたと思います。ゴルトベルク変奏曲やフランス組曲も録音されているようなので、それも機会があれば聴いてみたいと思います。

なお、彼女の情報は、「Marie*rism チェンバロ&ヒストリカルハープ奏者西山まりえファンサイト」でわかるようです

収録曲;
1)フランス風序曲 ロ短調 BWV831
2)ファンタジアとフーガ イ短調 BWV904
3)イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971

使用楽器;Bruce Kennedy, 1997 (model Taskin, in France 1769)
Pitch;A = 415
録音;2006年10月2-4日、神奈川県立相模湖交流センター

フレットワークによる《BWV1080フーガの技法》を聴く

2009年04月09日

「バッハ:フーガの技法(6つのヴィオラ・ダ・ガンバ版)」(フレットワーク、harmonia mundi FRANCE、HMU907296)

「BWV1080 フーガの技法」は、楽譜に楽器指定がされておらず、様々な楽器で演奏されてきました。以前、「アレッサンドリーニによる「フーガの技法」を聴く」のところで触れましたが、現在では様々な研究の結果、この作品が鍵盤楽器のためであるとされています。レオンハルトは独自に検証し、この曲が鍵盤楽器用に作曲されたものであるとして、その結論にしたがって、いわゆる「未完のフーガ」を除いて録音しています。

このブログでは、基本的なポリシーとして、バッハの作曲意図を尊重して、できるだけ指定された楽器で演奏されたもの(もちろん古楽器によるもの)を取り上げることにしています。しかし、今回は、最近買った「フーガの技法」のCDがあまりにも素晴らしかったので、紹介したいと思います。

演奏はイギリスのヴィオラ・ダ・ガンバのスペシャリスト集団「フレットワーク」によるもの。6人のガンバ奏者からなっています。様々な録音を精力的に行っています。

さて、このフーガの技法ですが、鍵盤楽器のための作品であるということが一般的な結論とされた後でも、様々な形で録音されています。わたくしが所有しているだけでも、

・ラインハルト・ゲーベル指揮、ムジカ・アンティクァ・ケルン(Archiv、1984)
・サヴァール指揮、エスペリオンXX(Astree、1986)
・アレッサンドリーニ指揮、コンチェルト・イタリアーノ(Opus111、 1999)
・コレギウム・アウレウム(DHM、1962)

があります。上述のように、オリジナル編成での演奏を尊重しているのですが、実はこのフーガの技法は、上で挙げたように色んな編成で演奏しても、その対位法の極みが損なわれることなく、実に素晴らしいのです。もしレオンハルトの研究結果がなく、未だに指定楽器が不明であったとして、こうした「合奏」で演奏されることが当然だとしても、それが普通に受け止められてしますのです。

もちろんこれはバッハの作品の「普遍性」によるところが大きいと思います。バッハの作品は様々な形で編曲されますが、それでもバッハの崇高な音楽性が失われることがないからです。

さて、このフレットワークによる録音ですが、正直なところびっくりしました。6人のガンバ奏者による演奏なのですが、バッハが対位法を最大限にまで高めて書いた作品の素晴らしさが全面に出ているのです。レオンハルトによる演奏がわたくしの中での究極の一枚なのですが、それを除けば、ある意味この曲の演奏の中ではトップを走る決定版、といってもいいくらいに素晴らしいできです。ガンバが複雑に絡み合って、バッハが究めた対位法を存分に堪能できます。さらにガンバの持つ独特の物悲しい響きが、さらに曲の素晴らしさを高めています。

このCDですが、個人的にはあまり大きな音で聴くよりも、音量を落としてしっとりと聴くのがいいと感じました

演奏;
フレットワーク

録音;
2001年12月16〜19日、Snapes Maltings Concert Hall, Snape, Saxmuntham, Suffork, UK

レオンハルト/バッハ:鍵盤作品集成(20CD)

2009年03月21日
BachLeonhardtDHM20CD.jpg

「レオンハルト/バッハ:鍵盤作品集成(20CD)」

今年来日が決まっているグスタフ・レオンハルトが、ドイツ・ハルモニア・ムンディとセオン・レーベルに録音したバッハのチェンバロ、オルガンのためのソロ作品すべてとチェンバロ協奏曲第1番(2種)を収録した20枚組BOXセットが発売になるそうです。

以下、HMVのサイトより引用

初回生産限定盤
日本独自企画/特製ボックス・セット
日本語解説書付
1枚あたり¥500の低価格

【収録概要】
Disc 1-2
平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)
Disc 3-4
平均律クラヴィーア曲集第2巻(全曲)
Disc 5-6
パルティータ(全曲)[クラヴィーア練習曲集第1部]
Disc 7-8
フーガの技法(全曲)&クラヴィーア練習曲集第2部
(パルティータ ロ短調、イタリア協奏曲、プレリュード、フーガとアレグロ)
Disc 9
ゴルトベルク変奏曲[クラヴィーア練習曲集第4部]
Disc 10-11
ソナタ、パルティータ&組曲[トランスクリプション集]
Disc 12
インヴェンションとシンフォニア(全曲)
Disc 13-14
イギリス組曲(全曲)
Disc 15
フランス組曲(全曲)
Disc 16-17
チェンバロ協奏曲第1番(2種)、イタリア協奏曲、半音階的幻想曲とフーガ、組曲(2曲)、「アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帖」より 
Disc 18-20
オルガン作品集
Disc18
・前奏曲とフーガ ハ長調BWV547
・カノンの技法による変奏曲「高き天よりわれは来たり」BWV769
・マニフィカトによるフーガBWV733
・コラール「いと高きところにいます神のみ栄光」BWV633
・コラール「われらの救い主なる主イエス・キリスト」BWV665
・コラール「われらの救い主なる主イエス・キリスト」BWV666
・コラール「われ汝の御座の前に進みいで」BWV668
・前奏曲とフーガ ホ短調BWV548

Disc19
・トッカータとフーガ ニ短調BWV565
・コラール「おお罪なき神の子羊」BWV618
・パルティータ「汝明るき日なるキリスト」BWV766
・前奏曲とフーガ ハ短調BWV546
・コラール「われらキリストのしもべ」BWV710
・コラール「われ汝に別れを告げん」BWV736
・パルティータ「おお汝正しく善なる神よ」BWV767
・幻想曲ハ短調BWV562
・幻想曲ト長調BWV572

Disc20
・トッカータ ニ短調BWV913

「27のコラール」より
・「愛しきイエスよ、我らはここに」BWV731
・「キリストは死のとりことなられても」BWV718
・「我汝に別れを告げん」BWV736
・「キリスト者よ、汝らとともに神を讃えよ」BWV732

教理問答コラール集[クラヴィーア練習曲集第3巻より]
・「キリエ、父なる神よ」BWV672
・「クリステ、世の人すべての慰めなるキリストよ」BWV673
・「キリエ、聖霊なる神よ」BWV674
・「いと高き神にのみ栄光あれ」BWV675
・「いと高き神にのみ栄光あれ」によるフゲッタBWV677
・「これぞ聖なる十戒」によるフゲッタBWV679
・「我ら皆唯一の神を信ず」によるフゲッタBWV681
・「天にまします我らの父よ」BWV683
・「我らの主キリスト、ヨルダン川に来り」BWV685
・「深き淵より、我汝に呼ばわる」BWV687
・「我らの救い主なるイエス・キリスト」によるフーガBWV689
・前奏曲とフーガ ホ短調BWV533

昨年よりレオンハルトにとっては、大きなセットが二つ発売になっていますが(「グスタフ・レオンハルト「ジュビリー・エディション」」「グスタフ・レオンハルト・エディション(21CD)」)、今回はオール・バッハで構成されています。すべて持っていますので、さすがに購入することはないと思いますが、ブリュッヘンをして「現代のバッハ」と言わしめたレオンハルト。彼の見事な演奏を聴いていない方にとっては、いい機会かもしれないですね

ミンコフスキーによるミサ曲ロ短調を聴く

2009年01月25日
MassInHmollMinkowski.jpg

「bach messe in h-moll」(les musiciens du louvre, grenobre, marc minkowski, naïve, V5145)

ふと気がついてみると、このブログもなんとか一年間やっていくことができました。そういうわけで昨日、自分へのご褒美にCDを買ってきました。今月発売になることを楽しみにしていた一枚ですが・・・

ミンコフスキらによる「 ミサ曲 ロ短調」。ここではすでに、レオンハルトらによる演奏を取り上げているので、曲の詳細については、そちらに譲ります。

こうした「おおがかりな曲」の録音に意欲的なミンコフスキですが、ようやくバッハに手を伸ばしてくれたか、という感じですね。この録音では、ソプラノ4人、アルト、バス、テノールがそれぞれ2人と、合計10人で歌っています。ソプラノはIとIIにそれぞれ2人ずつ割り当てているので、各声部に2人ずつ割り当てることになります。それでも歌の部分が薄っぺらくならないのは、さすがです。どちらかというと、各ソリストとリピエーノの力量が素晴らしいというべきでしょうね。また、演奏を努めるレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルも素晴らしいです。派手さはないものの、堅実な演奏だと思います。曲にあった演奏であると思います。

なお、このミンコフスキらによる演奏については、「一日一バッハ」さんの「ミンコフスキによる「ロ短調ミサ曲」」で詳しく解説されていますので、そちらを参照してください。

ソプラノパートに女性を用いているとはいえ、ミンコフスキの力量がフルに使われている素晴らしい録音です。
100ページに及ぶブックレットがついています(日本語訳はありません)

演奏;
ソプラノ;ルーシー・クロー、ジョアン・ラン、ユリア・レージネヴァ、ブランディーヌ・スタスキェヴィチ
アルト;ナタリー・シュトゥッツマン、テリー・ウェイ
テノール;コリン・バルザー、マークス・ブルチャー
バス;クリスティアン・インムラー、ルカ・ティットート
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル(ルーヴル宮音楽隊)
マルク・ミンコフスキ(指揮)

録音年月日:2008年7月
録音場所:スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、サン・ドミンゴス・デ・ボナバル教会

アーノンクールによるヨハネ受難曲を聴く

2009年01月23日

「J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV.245」(アーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、エクウィルツ、エグモント、Warner Das Alte Werk、2564 69644-4)

昨年、コンサートで聴いた「BWV245 ヨハネ受難曲」(オランダ・バッハ教会合唱団&管弦楽団、ヨス・ファン・フェルトホーヴェン指揮)ですが、久しぶりにCDで聴いています。

バッハの教会カンタータや受難曲は、バッハの環境、つまり彼がルター派のプロテスタントであったことを考えると、当時は女性が教会で唄うことが禁じられていたため、ソプラノは男性が唄うべきであると考えられます。成人男性では無理がありますから、少年合唱団を採用することがベストでしょう。今回はそうした録音から選びました。

1965年の録音と古いですが、ソプラノをウィーン少年合唱団のメンバーが歌い、すべてのパートを男性が担当しています。現在でもバッハの受難曲、カンタータの録音がたくさん発売されていますが、常に安定したボーイソプラノを確保することが困難であることが多いためか、女性ソプラノを起用することが多いですね。そういう環境の中で、このアーノンクールが指揮したヨハネ受難曲は大きな意味があると思います。

昨年末にアーノンクールが一昨年に発売した「BWV248 クリスマス・オラトリオ」を聴きましたが、この時にはソプラノを女性にまかせています。ボーイソプラノに対する限界をアーノンクールが考えたのかはわかりませんが、今回聴いたヨハネ受難曲を録音した時点では、アーノンクールにはボーイソプラノ以外の選択肢は思いつかなかったと思います。

クルト・エクヴィルツ(福音史家;テノール)、マックス・ファン・エグモント(イエス;バス)といった人たちは、アーノンクールがレオンハルトとともに教会カンタータ全集を録音するのに活躍した人ですね。毎週日曜日に順番に聴いているこのシリーズに頻繁に出てきます。彼らの歌ももちろん見事ですが、ウィーン少年合唱団員のソプラノやアルトも実に見事ですね。女性ソプラノとは違った美しさがあります。なお、オルガンでレオンハルトも参加しています。また、今では演奏をほとんどしていないと見受けられるアーノンクールが、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェロで参加しています。

上に書いたように、バッハのカンタータや受難曲は本来ボーイソプラノで唄われる方が好ましいのですが、中々そうした録音がたくさんあるわけではありません。こうしたバッハの作品で、ボーイソプラノ、アルトを採用しているCDを集めたサイトがありますので、最後に紹介しておきます

少年合唱・ボーイソプラノ・アルトによるBach のCDの紹介


演奏;
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
ソロ・ボーイ・ソプラノ&ソロ・ボーイ・アルト(ウィーン少年合唱団員)
ウィーン少年合唱団、コールス・ヴィエネンシス
クルト・エクヴィルツ(福音史家;テノール)
ベルト・ヴァント・ホフ(テノール)
マックス・ファン・エグモント(イエス;バス)
ジークフリート・シュネーヴァイス(バス)
ジャック・ヴィリゼック(バス)
グスタフ・レオンハルト&ヘルベルト・タヘツィ(オルガン)
録音:1965年

レオンハルトのフランス組曲を聴く

2009年01月07日

「バッハ:フランス組曲(全曲)」(グスタフ・レオンハルト、SEON、B18D-38018-19)

ねむり猫のバッハ日記」さんの「レオンハルト/フランス組曲」を読んで、久しぶりにCD棚から引っ張りだして来ました。バッハを聴き始めた頃、クラヴィーア曲のCDをどんどんと集めていったのですが、当然チェンバロはレオンハルトのものばかりでした。以来、チェンバロといえば、グスタフ・レオンハルトという人以外は、あまり聴く機会がありません。

さて、フランス組曲は、イギリス組曲(BWV806〜811)、パルティータ(BWV825〜830)と並んで、バッハのクラヴィーア作品の中の組曲の大作の一つです。このフランス組曲(BWV812〜817)を、フォルケルは、

『六つの小組曲』

と、「バッハの生涯と芸術」(フォルケル著、柴田治三郎訳、岩波書店)で述べています(イギリス組曲を「六つの大きな組曲」と書いています)。

イギリス組曲では大規模なプレリュードが始めにおかれていますが、この組曲ではプレリュードを持たず、たしかにフォルケルの言うように、イギリス組曲を「大きな」組曲とすれば、「小さい」とも言えるでしょう。しかし、それは曲自体が小さいのではなく、可憐にまとまっているものと感じます。この組曲の成り立ちが、「アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集 第1巻」を基本資料としている(BWV812〜816)ことを考えると、それなりに納得がいく感じがします。

この曲集についての詳細は、「私的CD評」さんの「バッハのフランス組曲を2台のオリジナルチェンバロで」を参考にしてください。格調高い文章で書かれています。

今年来日が決まっているレオンハルト。初めて古楽のコンサートに行ったのは、この「現代のバッハ」でした。生で聴いたチェンバロの美しさは、まさに感動の一言以外見つかりませんでした。もう、19年前になりますね。その時にサインを頂くことができたのですが、大切な宝物です。

それ以来、昨年の来日をのぞいてすべて足を運んでいます。運良く、今年のチケットも入手できたので、楽しみです。

ねむり猫のバッハ日記」さんの「レオンハルト/フランス組曲」で紹介されているCDと同じものですが、ジャケットが違います(もちろん、再発(?)になった方も持っています)。あえて同じ音源で、違うジャケットを選んでみました


演奏:グスタフ・レオンハルト
使用楽器;デイヴィッド・ルビオ、オックスフォード、1973 / 1975(パスカル・タスカンによる)
録音;1975年2月、12月、オランダ、ハーレム、ドープスヅィンデ教会

クイケンらによるカンタータを聴く

2009年01月01日
KuijkenCantatsa04.jpg

「Johann Sebastian Bach CANTATAS 16-153-65-154」(La Pettite Bande Sigiswald Kuijken、ACCNENT、ACC 25304)

新年ということで、初演が1726年1月1日(再演:1731年1月1日、1749年1月1日)の、新年用カンタータ「BWV16 主なる神よ、汝をわれらは讃えまつらん」も併せて聴きたいと思います。この曲の詳細は上のリンクを参照してださい。

どの演奏にしようかと思って悩んだのですが、まだここで紹介していないクイケンらのものを選びました。ACCENTレーベルに地道に録音を進めているカンタータ集の第4巻に収録されています。全曲録音を目指しているわけではないですが、2006年から2011年までに20CDをリリースする予定になっています。

今回紹介したCDに収録されているのは以下の通り;

・BWV16 主なる神よ,あなたを私たちは誉めたたえます
・BWV153 見たまえ、御神、いかにわが敵ども(用途;新年後の日曜日)
・BWV65 人々シバよりみな来たりて(用途;顕現節)
・BWV154 いと尊きわがイエスは見失われぬ(用途;顕現節後第1日曜日)

新年から順番に聴けるようになっています。

派手な演奏ではないですが、じっくりと落ち着いて聴くにはいい演奏です

ソプラノ;エリザベト・ヘルマンス
アルト;ペトラ・ノスカイオヴァ
テノール;ヤン・コボウ
バリトン;ヤン・ファン・デル・クラッベン
ラ・プティット・バンド
指揮;シギスヴァルト・クイケン

録音:2006年1月 ブリュッセル

オルガン作品全集 ヴァインベルガー(22CD)届く

2008年12月10日
BachOrganCopleteWeinbergercpo.jpg

「バッハ:オルガン作品全集」(ヴァインベルガー(22CD)、cpo)


先日「オルガン作品全集 ヴァインベルガー(22CD)」で紹介したCD22枚組のものが届きました。この人のこのcpoでの一連の録音は数枚持っていたのですが、全部持っておらず、残りを全部ばらで揃えるよりも、こちらの方がはるかに安かったので、ボーナスを期待して予約していたのです。

HMVの記事によれば

オンライン会員特価(税込): ¥15,929
一般価格(税込): ¥17,315

ですから、1枚800円弱。実はばらで買おうと思っていたのですが、廃盤扱いになっているものもあったので、助かったというのが正直なところですが、ばらで全集を揃えた人にとっては、腹立たしいでしょうね。なんせ最後の22巻の発売がつい最近のことですからね。

収録曲は以下の通りです(相当長いので、HMVのサイトから持ってきました。すいません・・・)

CD1
・前奏曲とフーガ ハ短調 BWV 549
・『ただ愛する神の摂理にまかす者』 BWV 690
・『ただ愛する神の摂理にまかす者』 BWV 691
・『われいずこに逃れ行かん』 BWV 694
・『キリストは死の絆につかせたもう』 BWV 695
・前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 531
・『われらキリストをたたえまつる』 BWV 696
・『イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ』 BWV 697
・『神のひとり子なる主キリスト』 BWV 698
・『いざ来たれ、異教徒の救い主よ』 BWV 699
・『高き天より、われは来たり』 BWV 700
・『高き天より、われは来たり』 BWV 701
・『神の子は来れり』 BWV 703
・『全能の神をたたえん』 BWV 704
・前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 533
・『最愛なるイエスよ、われらここにあり』 BWV 706
・『主イエス=キリスト、われを顧みたまえ』 BWV 709
・『われらキリスト者』 BWV 710
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 711
・『主よ、汝のうちにのみわれ望みをもつ』 BWV 712
・『イエスわが喜び』 BWV 713
・前奏曲とフーガ イ短調 BWV 551

CD2
・前奏曲とフーガ ト長調 BWV 541
・さまざまな手法による18のライプツィヒ・コラール BWV 651-658
 Fantasia super Komm, Heiliger Geist, BWV 651
 Komm, Heiliger Geist, BWV 652
 An Wasserflussen Babylon, BWV 653
 Schmucke dich, o liebe Seele, BWV 654
 Trio super Herr Jesu Christ, dich zu uns wend, BWV 655
 O Lamm Gottes, unschuldig, BWV 656
 Nun danket alle Gott, BWV 657
 Von Gott will ich nicht lassen, BWV 658
・前奏曲とフーガ ハ短調 BWV 546

CD3
・オルガン小曲集 第1部 BWV 599-631
 Nun komm, der Heiden Heiland, BWV 599
 Gottes Sohn ist kommen, BWV 600
 Herr Christ, der ein'ge Gottessohn, BWV 601
 Lob sei dem allmachtigen Gott, BWV 602
 Puer natus in Bethlehem, BWV 603
 Gelobet seist du, Jesu Christ, BWV 604
 Der Tag, der ist so freudenreich, BWV 605
 Vom Himmel hoch, da komm ich her, BWV 606
 Vom Himmel kam der Engel Schar, BWV 607
 In dulci jubilo, BWV 608
 Lobt Gott, ihr Christen allzugleich, BWV 609
 Jesu, meine Freude, BWV 610
 Christum wir sollen loben schon, BWV 611
 Wir Christenleut, BWV 612
 Helft mir Gotts Gute preisen, BWV 613
 Das alte Jahr vergangen ist, BWV 614
 In dir ist Freude, BWV 615
 Mit Fried und Freud ich fahr dahin, BWV 616
 Herr Gott, nun schleuss den Himmel auf, BWV 617
 O Lamm Gottes, unschuldig, BWV 618
 Christe du Lamm Gottes, BWV 619
 Christus, der uns selig macht, BWV 620
 Da Jesus an dem Kreuze stund, BWV 621
 O Mensch, bewein dein Sunde gross, BWV 622
 Wir danken dir, Herr Jesu Christ, BWV 623
 Hilf Gott, dass mir's gelinge, BWV 624
 Christ lag in Todesbanden, BWV 625
 Jesus Christus unser Heiland, BWV 626
 Christ ist erstanden, BWV 627
 Erstanden ist der heilge Christ, BWV 628
 Erschienen ist der herrliche Tag, BWV 629
 Heut triumphieret Gottes Sohn, BWV 630
 Komm, Gott Schopfer, Heiliger Geist, BWV 631

CD4
・『おお、汝正しくして善なる神よ』 BWV 767
・オルガン小曲集 第2部 BWV 637-644
 Durch Adams Fall ist ganz verderbt, BWV 637
 Es ist das Heil uns kommen her, BWV 638
 Ich ruf' zu dir, Herr Jesu Christ, BWV 639
 In dich hab' ich gehoffet, Herr, BWV 640
 Wenn wir in hochsten Noten sein, BWV 641
 Wer nur den lieben Gott lasst walten, BWV 642
 Alle Menschen mussen sterben, BWV 643
 Ach wie nichtig, ach wie fluchtig, BWV 644
・コレッリの主題によるフーガ ロ短調 BWV 579
・前奏曲 ト長調 BWV 568
・レグレンツィの主題によるフーガ ハ短調 BWV 574
・オルガン小曲集 第2部 BWV 632-636
 Herr Jesu Christ, dich zu uns wend', BWV 632
 Liebster Jesu, wir sind hier, BWV 634
 Leibster Jesu, wir sind hier, BWV 633
 Dies sind die heil'gen zehn Gebot, BWV 635
 Vater unser im Himmelreich, BWV 636
・フーガ ト短調『小フーガ』 BWV 578
・『ああ罪人なるわれ、何をなすべきか』 BWV 770
・前奏曲 イ短調 BWV 569

CD5
・前奏曲とフーガ ト短調 BWV 535
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 716
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 715
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 717
・『今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ』 BWV 734
・トリオ ニ短調 BWV 583
・『イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ』 BWV 722
・『イエス・キリストよ、賛美をうけたまえ』 BWV 723
・『神の御子は来たれり』 BWV 724
・前奏曲とフーガ ト長調 BWV 550
・『暁の星のいと美しきかな』 BWV 739
・『甘き喜びのうちに』 BWV 729
・パストラーレ ヘ長調 BWV 590
・前奏曲とフーガ イ短調 BWV 543

CD6
・前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 545
・『われらが神は堅き砦』 BWV 720
・『われを憐れみたまえ、おお主なる神よ』 BWV 721
・『われ心よりこがれ望む』 BWV 727
・『ああ神よ、天より見そなわし』 BWV 741
・『われ汝に別れを告げん』 BWV 735
・前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532
・パルティータ『ようこそ、慈悲あつきイエスよ』 BWV 768
・前奏曲とフーガ ホ短調 『楔』 BWV 548

CD7
・『われ汝に別れを告げん』 BWV 736
・『キリストは死の絆につきたまえり』 BWV 718
・『主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ』 BWV 726
・トリオ・ソナタ第2番 ハ短調 BWV 526
・『わが魂は主をあがめ』 BWV 733
・『高き天より、われは来たり』 BWV 738
・『キリストのともがらよ、こぞりて神を讃えよ』 BWV 732
・トリオ・ソナタ第5番 ハ長調 BWV 529
・『おお、穢れなき神の子羊』 BWV 1085
・『最愛のイエス、われらここ集いて』 BWV 730
・『最愛のイエス、われらここ集いて』 BWV 731
・パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV 582

CD8
・トッカータとフーガ ヘ長調 BWV 540 - トッカータ
・幻想曲とフーガ ハ短調 BWV 537
・幻想曲 ハ長調 BWV 570
・幻想曲とフーガ ト短調 BWV 542 - 幻想曲
・幻想曲とイミタツィオーネ ロ短調 BWV 563
・トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV 564
・幻想曲 ハ短調 BWV 562
・ファンタジア ハ短調 BWV Anh. 205
・トッカータとフーガ ニ短調 『ドリア旋法』 BWV 538

CD9
・フーガ ハ短調 BWV 575
・『汝平和の君、主イエス・キリスト』 BWV 1102
・『かくも喜びに満てる日』 BWV 719
・『われらイエスのともがら』 BWV 1090
・『古き年は過ぎ去りぬ』 BWV 1091
・『主なる神よ、いざ天のとびらを開きたまえ』 BWV 1092
・『心より愛するイエスよ、たとえ罪を犯したもうとも』 BWV 1093
・『おおイエスよ、いかに汝の姿は』 BWV 1094
・『おお、穢れなき神の子羊』 BWV 1095
・『日にして光なるキリスト』 BWV 1096
・『苦しみを受けたもうキリストに栄光あれ』 BWV 1097
・『われらみな唯一なる神を信ず』 BWV 1098
・『深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる』 BWV 1099
・『汝明るき日なるキリスト』 BWV 766
・『ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ』 BWV 1100
・『ああ主なる神よ』 BWV 714
・『ああ主よ、哀れなる罪人なるわれを』 BWV 742
・『アダムの堕落によりてすべては朽ちぬ』 BWV 1101
・『主よ、われらに汝の言葉を守らせたまえ』 BWV 1103
・『天にいますわれらの父よ』 BWV 737
・『よし災いの襲いかかろうとも』 BWV 1104
・『イエス、わが喜び』 BWV 1105
・『神はわが救い、助けにして慰め』 BWV 1106
・『イエスよ、わが命の命』 BWV 1107
・前奏曲とフーガ ト長調 BWV 557

CD10
・前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 547
・『いざ来たれ、異教徒の救い主よ』 BWV 659
・『いざ来たれ、異教徒の救い主よ』 BWV 660
・『いざ来たれ、異教徒の救い主よ』 BWV 661
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 662
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 663
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 664
・『われらの救い主なるイエス・キリスト』 BWV 665
・『われらの救い主なるイエス・キリスト』 BWV 666
・『来たれ、創り主にして聖霊なる神よ』 BWV 667
・『汝の御座の前に、われ進み出で』 BWV 668
・前奏曲とフーガ ロ短調 BWV 544

CD11
・前奏曲とフーガ ヘ短調 BWV 534
・『永遠の父なる神よ』 BWV 672
・『すべての世の慰めなるキリストよ』 BWV 673
・『聖霊なる神よ』 BWV 674
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 675
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』によるフゲッタ BWV 677
・『これぞ聖なる十戒』によるフゲッタ BWV 679
・『われらみな唯一なる神を信ず』によるフゲッタ BWV 681
・『天にいますわれらの父よ』 BWV 683
・『われらの主キリスト、ヨルダン川に来り』によるフゲッタ BWV 685
・『深き苦しみの溝より、われ汝を呼ぶ』 BWV 687
・フーガ 『われらの救い主イエス=キリスト』 BWV 689
・アッラ・ブレーヴェ ニ長調 BWV 589
・カンツォーナ ニ短調 BWV 588
・デュエット第1番ホ短調 BWV 802
・デュエット第2番ヘ長調 BWV 803
・デュエット第3番ト長調 BWV 804
・デュエット第4番イ短調 BWV 805
・トッカータとフーガ ヘ長調 BWV 540 - フーガ

CD12
・トリオ・ソナタ第1番 変ホ長調 BWV 525
・前奏曲とフーガ ホ長調 BWV 566
・『イエス・キリスト夜に入りし時』 BWV 1108
・『ああ神よ、憐れみたまえ』 BWV 1109
・『おお主なる神よ、汝の神なる御言葉』 BWV 1110
・『今ぞわれらを体の憩いに入らせたまえ』 BWV 1111
・『わが命なるキリスト』 BWV 1112
・『わがことは神に委ねん』 BWV 1113
・『主イエス・キリスト、汝こよなき宝』 BWV 1114
・『心よりわれ汝を愛す、おお主よ』 BWV 1115
・『神のみわざは善きかな』 BWV 1116
・『人はみな死すべきもの』 BWV 1117
・『神よ汝の善行にわれをむかわしめよ』 BWV 957
・『目覚めよ、わが心よ』 BWV 1118
・『水の深きを求めるごとく』 BWV 1119
・『真実の光なるキリストよ』 BWV 1120
・トリオ・ソナタ第4番 ホ短調 BWV 528

CD13
・前奏曲とフーガ 変ホ長調 『聖アン』 BWV 552
・『永遠の父なる神よ』 BWV 669
・『すべての世の慰めなるキリストよ』 BWV 670
・『聖霊なる神よ』 BWV 671
・『いと高きところにいます神にのみ栄光あれ』 BWV 676
・『これぞ聖なる十戒』 BWV 678
・『われらみな唯一なる神を信ず』 BWV 680
・『天にいますわれらの父よ』 BWV 682
・『われらの主キリスト、ヨルダン川に来り』 BWV 684
・『深き苦しみの溝より、われ汝を呼ぶ』 BWV 686
・フーガ 『われらの救い主イエス=キリスト』 BWV 689
・前奏曲とフーガ 変ホ長調 『聖アン』 BWV 552

CD14
・オルガン協奏曲ハ長調 BWV 594(原曲:ヴィヴァルディの協奏曲二長調 RV 208)
・シンフォニア第4番ニ短調 BWV 790(オルガン編)
・トリオ ト長調 BWV 586(原曲:テレマン)
・Aus der Tiefen rufe ich, Herr, zu dir, BWV 131: Israel, hoffe auf den Herrn (arr. for organ)
・トリオ ハ短調 BWV 585(原曲:ファッシュのトリオ・ソナタ ハ短調)
・前奏曲とフーガ ニ短調 BWV 539
・ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第1番ト長調 BWV 1027(オルガン編)
・オルガン協奏曲第4番ハ長調 BWV 595(原曲:ザクセン=ヴァイマール公エルンスト)

CD15
・オルガン協奏曲ト長調 BWV 592(原曲:ザクセン=ヴァイマール公エルンスト)
・『目覚めよ、と呼ぶ声あり』 BWV 645
・『われいずこに逃れ行かん』 BWV 646
・『ただ愛する神の摂理にまかす者』 BWV 647
・『わが魂は主をたたう』 BWV 648
・『ああわがもとにとどまれ、主イエス=キリストよ』 BWV 649
・『汝イエスよ、今天より降りたもうや』 BWV 650
・オルガン協奏曲ニ短調 BWV 596(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ニ短調 RV 565)
・オルガン協奏曲イ短調 BWV 593(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲イ短調 RV 522)
・アリア ヘ長調 BWV 587(原曲:クープランの諸国の人々)
・音楽の捧げもの BWV 1079 - 6声のリチェルカーレ

CD16
・幻想曲 ト長調 BWV 572
・トリオ・ソナタ第3番ニ短調 BWV 527
・幻想曲とフーガ ト短調 BWV 542 - フーガ
・『イエス、わが信頼』 BWV 728
・トリオ・ソナタ第6番ト長調 BWV 530
・前奏曲とフーガ イ長調 BWV 536
・『高き天よりわれは来れり』によるカノン風変奏曲 BWV 769

CD17
・前奏曲とフーガ ト長調 BWV 541 - 前奏曲
・トリオ・ソナタ第4番ハ短調 BWV 528 - 第3楽章 トリオ
・前奏曲とフーガ ト長調 BWV 541 - フーガ
・前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 533
・前奏曲とフーガ ト短調 BWV 535
・幻想曲ハ短調 BWV 562
・前奏曲とフーガ ハ短調 BWV 546 - フーガ
・前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 545 - 前奏曲
・トリオ・ソナタ第5番ハ長調 BWV 529 - 第2楽章
・前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 545 - フーガ
・『バビロン川のほとりに』 BWV 653b
・前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532 - フーガ
・前奏曲, トリオとフーガ 変ロ長調 BWV 545b

CD18
・幻想曲ト長調 BWV 571
・『主よ、われらに汝の言葉を守らせたまえ』 BWV Anh. II 50
・Freu dich sehr, o meine Seele, BWV Anh. II 52
・『今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ』 BWV 755
・『神はなお生きたもう』 BWV Anh. II 49
・『高き天より、われは来たり』 BWV Anh. II 64
・『高き天より、われは来たり』 BWV Anh. II 63
・『主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ』 BWV 749
・『主イエス・キリスト、わが命の光』 BWV 750
・『今すべての森、静かなり』 BWV 756
・『至高の善に讃美と栄光あれ』 BWV Anh. II 62a
・『おお父、全能なる神よ』 BWV 758
・『まことの人にして神なる主イエス・キリスト』 BWV deest
・『まことの人にして神なる主イエス・キリスト』 BWV deest
・小さな和声の迷宮 BWV 591
・『われらみな唯一なる神を信ず』 BWV 765
・『イエスはつねにわが慰めならん』 BWV 702
・『イエス、わが喜び』 BWV Anh. II 58
・『アダムの罪によりすべては失われぬ』 BWV 705
・『われはわが財宝を神の御園にもつ』 BWV 707
・『われはわが財宝を神の御園にもつ』 BWV 708
・『われはわが財宝を神の御園にもつ』 BWV 708a
・『われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ』 BWV deest
・Komm heiliger Geist, erfull die Herzen, BWV deest
・『わが愛しき神に』 BWV deest
・『神のひとり子なる主キリスト』 BWV deest
・フーガ ヘ長調 BWV Anh. II 42

CD19
・トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565
・『天にいますわれらの父よ』 BWV 762
・Was Gott tut, das ist wohlgetan, BWV Anh. II 67
・『最愛のイエスよ、われらここに集いて』 BWV 754
・『イエス、わが喜び』 BWV Anh. II 59
・フーガ ハ長調 BWV Anh. II 90
・パルティータ『神のひとり子なる主キリスト』 BWV Anh. II 77
・『神のひとり子なる主キリスト』 BWV Anh. II 55
・『我らを幸せにするキリストよ』 BWV 747
・『ああ、主なる神』 BWV 757
・『神よ汝の善行にわれをむかわしめよ』 BWV deest
・『救いはわれらに来れリ』 BWV deest
・『われらみな唯一なる神を信ず』 BWV Anh. II 69
・パルティータ『われら悩みの極みにありて』 BWV Anh. II 78
・幻想曲とフーガ イ短調 BWV 561

CD20
・8つの小前奏曲とフーガBWV.553〜560
・25のコラール変奏曲第11番『甘き喜びのうちに』
・5つのコラール・トリオ
・3つのオルガン・コラールLM4843
・2つのオルガン・コラール
・4声のコラール〜古き年は過ぎ去り

CD21, CD22
・主なる神、我らの側(かたえ)にいまさずして BWV1128(世界初録音)
・フーガの技法 BWV1080(オルガン版)

 ゲルハルト・ヴァインベルガー(オルガン)
 使用楽器:
 Silbermann-Orgel Freiberger Dom
 Silbermann-Orgel St. Petri Freiberg
 Wagner-Orgel Dom zu Trondheim
 Haina & Rommel-Orgel Zella-Mehlis
 Wagner-Orgel Angermunde
 Treutmann-Orgel Grauhof
 Trost-Orgel Altenburg
 Schnitger-Orgel Martinikerk Groningen
 Thielemann-Orgel Grafenhain
 Doring-Orgel Bettenhausen
 Trost-Orgel Waltershausen
 Silbermann-Orgel Ponitz
 Wagner-Orgel Brandenburger Dom
 Hildebrand-Orgel St. Wenzel Naumburg
 Silbermann-Orgel Hofkirche Dresden, etc...

 録音:1997-2008年(デジタル)

予想はしていたのですが、ボックスセットということもあって、CDはボックスに入っていて、CDは薄っぺらい紙に入っています。幅をとってもいいから一枚ずつCDを入れて欲しかった・・・

そのかわり(?)に、分厚いブックレットがついています。当分はバッハのオルガン曲で楽しめそうです

クイケン・レオンハルトによるヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集を聴く

2008年12月04日

「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集(全6曲)」(シギスヴァルト・クイケン、グスタフ・レオンハルト、DHM、DVCD-1636-37)

ねむり猫のバッハ日記」さんの「ムローヴァ/ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集」を読んでいて、久しぶりに聴いてみたくなったので、CD棚から選んできました。

誰の演奏にしようかなと悩んだのですが、はやりこの二人のコンビが最強かなということと、この曲集の中でもっとも繰り返し聴いているものなので、クイケン・レオンハルト盤を選びました。

この6つの曲からなる曲集(BWV1014〜19)ですが、以前触れたように、実にいい曲ばかりなのですが、バッハの曲の中ではなぜだかあまり取り上げられませんね。チェンバロが通奏低音ではなくオブリガートで入っていて、ヴァイオリンとの掛け合いが絶妙なのですが・・・。

演奏速度も、今の時流に乗った早いものではなく、ゆったりとじっくりと聴かせてくれます。このところ浮気をしてポッジャー・ピノック盤を聴くことが多かったのですが(ポッジャーのヴァイオリンの音色は実に美しいですからね)、改めて聴いてみると、クイケンの素朴な音作りはやはりよいですね。この人からバロック・ヴァイオリンにはいったので、彼の演奏を聴くと落ち着きます。レオンハルトについては、言うことはありません。来年来日されるので、それが楽しみです。

なおレオンハルトは、ラールス・フリデンともこれよりも前に、同じ曲集の全曲録音を行っています。かなり古い録音なので、入手可能かはわかりませんが、今年発売になった「グスタフ・レオンハルト・エディション(21CD)」に含まれています


演奏;
シギスヴァルト・クイケン(バロック・ヴァイオリン=マッジーニ派、17世紀)
グスタフ・レオンハルト(チェンバロ、J. D. ドゥルケンのモデル(1745年、アントワープ)によるマルティン・スコヴロネク製(ブレーメン、1962年))

録音;
1973年6月13日、オランダ、アメロンゲン城

オリジナル編成で聴く三位一体後第27日曜日のためのカンタータ

2008年11月23日

「バッハ:カンタータ第147番・第140番」(アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、WANER、WPCS-21092)

アラン・ベルギウス(テルツ少年合唱団員、ソプラノ)
シュテファン・ランプフ(テルツ少年合唱団員、アルト)
クルト・エクヴィルツ(テノール)
トーマス・ハンプソン(バス)
テルツ少年合唱団
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
ニコラウス・アーノンクール指揮


私的CD評」さんの「バッハの三位一体後第27日曜日のためのカンタータ 」で、三位一体後第27日曜日のためのカンタータ として、「BWV140 目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」が紹介されていますが、それに影響を受けて、同じ曲を紹介したいと思います。

今回取り上げたCDは、毎週このブログで紹介している、レオンハルトとアーノンクールが20年近くに渡ってテルデックに録音した、オリジナル編成で演奏した最初のバッハの教会カンタータ全集からの抜萃です。

このブログでは、教会暦に沿ってではなく、この全集の1巻から順番に(つまり、BWV1から順番に)聴いているので、この曲を紹介するのはずっと先になるのですが、せっかくの機会なので、紹介します。

詳しいことは、上述のように「私的CD評」さんが書かれているので、そちらをご覧下さい。このCDですが、全集の中から、特に有名なカンタータ2曲

・BWV140;目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声
・BWV147;心と口と行いと生きざまもて

が収録されています。

「BWV140 目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」では、第4曲のコラールの旋律が有名でしょう。シュープラー・コラール集の第1曲、「BWV645 目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」。
また、「BWV147心と口と行いと生きざまもて」では、第6曲、10曲目の旋律が有名ですね。このカンタータ自体を知らなくても、

「主よ、人の望みの喜びよ」

という名前で、様々な楽器で演奏されています。

このCDですが、もとは上に書いたようにテルデックの全集に収録されているものですが、数年前に「WARNER CLASSICS BEST 100」というシリーズの「92」番というので売られていたもの。現在入手可能なのかは不明ですが・・・。

「私的CD評」さんも触れられていますが、このレオンハルト・アーノンクール盤は、オリジナル楽器で、しかも合唱もボーイ・ソプラノを使ったものとして、極めて貴重なシリーズです。現在でも古楽器を使ったカンタータの録音がたくさん出ていますが、ソプラノは女性が担当していることが多いので、当時ルター派の教会で女性が歌うことを禁止されていたという史実をふまえると、このボーイ・ソプラノを使うというところに、大きな意義があります。

これ以外にボーイ・ソプラノを使って、オリジナル楽器を用いて録音したものは、ブリリアントのバッハ全集だけだと思います(このシリーズの詳細は、「バッハ:教会カンタータ全集(ブリリアント)」をご覧下さい)。

レオンハルト・アーノンクールの全集は、CD60枚組、全10巻で80000円程度、一方のブリリアントの全集は16000円程度とかなり価格に差があります。レオンハルト・アーノンクールの全集は、国内盤でなければ、40000円弱くらいで売っています。ただ国内盤は、解説がしっかりしています。解説はこのブログでよく引用している「バッハ事典(東京書籍)」と基本的に同じことと、「バッハ事典(東京書籍)」では割愛された(?)「書簡章句」もきちんと載っているので、資料的な価値は高いと思います。

ブリリアント盤ですが、はやり演奏力はレオンハルト・アーノンクールには及びませんが、切って捨てる程レベルが低いということもないと思います。短期間で一気に録音しているので、比較的まとまっています。中には、「これは中々すごい」というものもありますからね

ではそろそろ礼拝へ行ってきます

ダントーネによるゴルトベルク変奏曲を聴く

2008年11月18日

「J. S. Bach Variazioni Goldberg」(オッターヴィオ・ダントーネ、DECCA、476 3016)

今日は体調不良で休みをとったので、のんびりと音楽を聴いて過ごしています。

今日紹介するのは、先日「ダントーネによるチェンバロ協奏曲を聴く」で紹介したチェンバロ奏者、オッターヴィオ・ダントーネによるゴルトベルク変奏曲 BWV988です。

演奏ですが、かなりアグレッシブです。装飾もかなり大胆で、自由奔放。エネルギーに満ち溢れた演奏と言えます。少しラテンの乗りが出ているかなという気がします。

以前紹介した「眠れないゴルトベルク変奏曲」でのFabio Bonizzoniほどではありませんが、この演奏でも眠ることは不可能でしょう。もちろん、この不眠症のため、という逸話を信じているわけではありませんが、この曲を聴く際の、個人的な一つの指標にしていますので、ついこの表現を使ってしまいます。普段レオンハルトの質実剛健な演奏に慣れていると、かなり異次元の世界で演奏されている感じがしますね。
それでもその「乗り」を別にすれば、演奏自体のうまさは流石です。録音も比較的よいと思います。

それにしても、この曲の録音は多いですね。チェンバロでの演奏も、他の曲に比べると多いので、聴き比べをする楽しみがある曲と言えます。

なお、演奏は繰り返しを行っています

演奏;オッターヴィオ・ダントーネ

使用楽器;クリシティアン.ツェル(Amburgo, 1728)の、Andrea Restelliによるコピー(1999)

ベルリン古楽アカデミーによる「管弦楽組曲」を聴く

2008年11月15日

「管弦楽組曲第1〜4番 ベルリン古楽アカデミー(エンハンスド・カタログ付き)」(harmonia mundi、HMX 2901578.9)

harmonia mundiに積極的な録音を行ってきたベルリン古楽アカデミーによる「管弦楽組曲」の全集です。

Disc 1.
・管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066
・管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
・管弦楽組曲第4番ニ長調BWV1069

Disc 2.
・管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
・CD-ROMカタログ

このグループの演奏は、とても落ち着いた味わい深いものであるところが特徴だと思います。過激さはなく、端正な演奏に好感が持てます。ラ・プティット・バンドの演奏に長年親しんだわたくしの耳にも、すっと入って来る実にいい演奏です。このグループの録音を最近あまり見かけなくなりましたが、いかにも旧東ドイツの精鋭という感じがします。かた苦しさは感じることはありません。テンポは相対的にゆったりしています。最近の他の録音を聴いていると、その演奏の早さに驚くことが多いのですがg、このグループの演奏はそれとはまったく逆で、じっくりと聴かせてくれるようになっていて、好感が持てます。

この録音は1996年にされたもののようで、それにCD−ROMカタログが付属しています(分厚い冊子になったものも添付されています)。CD-ROM版のカタログは、これまでのharmonia mundiの録音のすべてが検索できるようになっています

スコラーズ・バロック・アンサンブルによるモテット集を聴く

2008年11月14日

「J. S. バッハ・モテット集」(スコラーズ・バロック・アンサンブル、NAXOS、8.553823)

いつもCDを買いに行くお店の三条店のクラシック・コーナーの一角に、ナクソスのCDがどさっと置いてありました。バロック期までのCDだけを集めて、ちょっとした特集をやってみるみたいです。それで見つけたのが、今回紹介するCDです。

スコラーズ・バロック・アンサンブルは、David van Aschによって結成されたバロック期までの声楽曲を専門としている声楽団体です。ナクソスにかなりの録音をしていますが、どれも美しいものが多いですね。器楽パートは古楽器を採用しています。

1) 主に向かって新しい歌をうたえ BWV225
2) 聖霊はわれらの弱きを助けたもう BWV226
3) イエス、わが喜び BWV227
4) 恐れるなかれ、われ汝とともにあり BWV228
5) 来たれ、イエスよ、来たれ BWV229
6) 主をたたえよ、すべての異教徒よ BWV230

1パート1人、伴奏は通奏低音のみ、指揮者なしという最小編成です。それでもかなりしっかりとしていて、実に美しい演奏となっています。
これまでモテット集はいくつか紹介してきましたが、一ついいアルバムが増えたかなと思っています。若干録音の荒さが気になりますが、それを声楽陣がカヴァーしている感じです。


演奏;
スコラーズ・バロック・アンサンブル
ソプラノ;Anna Crookes, Kym Amps
カウンター・テナー;Angus Davidson, David Gould
テノール;Robin Doveton, Julian Podger
バス;Mattew Brook, David van Asch
オルガン;Terence Charlston
チェロ;Pal Banda
ヴィオロン;Jan Spencer

録音:
1996年2月、ロンドン、ロスリン・ヒル・チャペル教会

自筆譜を見ながら、クイケン・アンサンブルによる「BWV1079 音楽の捧げもの」を聴く

2008年11月11日

「J. S. バッハ:音楽の捧げもの」(クイケン・アンサンブル、DHM、BVCD-1663)

このブログで以前2度にわたって書きましたが(「BWV1079 音楽の捧げもの」(レオンハルトらによるもの)、「音楽の捧げもの(BWV1079)とフォルテピアノ」)、バッハの作品の中でも、「BWV1079 音楽の捧げもの」はとりわけ好きな作品です。その記事の中で触れましたが、バッハの持てる才能をいかんなく発揮した作品というだけでなく、たくさんの謎が仕掛けられている作品としても有名ですね。

国内でもいわゆる「解決譜」は売られていますが、この作品に対する愛着心から是非自筆譜が見たいと思っていました。以前、「ビブリオポリ」から、「バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(BWV1001-1006)」の自筆譜を取り寄せたのですが、やはり「音楽の捧げもの」の自筆譜も見てみたいという衝動にかられ、7月の頭に「ビブリオポリ」へ問い合わせをしました。この曲の楽譜は、ベルリン国立図書館に自筆譜があること、オリジナル出版譜が出ていることを「バッハ事典(東京書籍)」を見て知っていたので、取り寄せをお願いしていました。

それ以来一切連絡がなかったのですが、昨日仕事から帰ってきたら郵便局から不在通知が入っていました。それで今日の仕事帰りに取りに行ったのですが、中を見てにんまり。自筆譜と出版譜のコピーでした。A3用紙にコピーされていて、折らないようにとかなり厳重な入れ物に入っていました。

この曲の詳細については、様々な本を読んで知っていましたので、それなりに知識はあったのですが、自筆譜を見ながら演奏を聴くのはまた格別ですね

演奏はクイケン・アンサンブルによるものですが、クイケン兄弟にとっては2回目の録音となります。1回目は、レオンハルトと録音した「BWV1079 音楽の捧げもの」ですが、この録音に際して、シギスヴァルトは、この曲を録音するそうですねと聞かれて、

そう望んでいます。私たちはすでにこの曲を録音していますが(セオン盤のこと)、その発想に誤りがあったと思うからです。例えばカノンの楽器編成などで、オリジナルの楽譜の解釈が間違っていたと感じています。また、この作品が理論的なだけでなく、実際的な音楽であることも気がつきましたし。トリオ・ソナタやあるカノンにははっきりと編成が記されており、全曲もこの4つの楽器の編成で演奏されるべきで、それで十分なのです。ですからこのとてもシンプルな編成でコンサートでも演奏し、それに満足しているのです。
CDのライナー・ノーツより

と答えています。実際に演奏は、クイケン兄弟3人とローベル.コーネンの合わせて4人だけで演奏されています。個人的にはレオンハルト盤が大好きですが、この録音も実に優れており、さすが!と思わせるものです。

演奏;
バルトルド・クイケン(フラウト・トラヴェルソ)
シギスヴァルト・クイケン(バロック・ヴァイオリン)
ヴィーラント・クイケン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ローベル.コーネン(チェンバロ)

録音;
1994年2月22日〜25日、オランダ、ハーレム、ドープスヘヅィンデ教会

ダントーネによるチェンバロ協奏曲を聴く

2008年11月03日

「チェンバロ協奏曲集」(ダントーネ&アカデミア・ビザンティナ、L'OISEAU-LYRE、475 9355)

バッハの音楽」さんの「ダントーネのバッハ・チェンバロ協奏曲」で紹介されていて、前から気になっていたのですが、ようやく入手できたので、聴いてみました。

これは実によい!という録音です。ビオンディなどで見られるイタリア勢特有の「ラテン的悪乗り」が感じられず、落ち着いた演奏です。「じっくりと聴き込んで欲しい」という姿勢を感じることができる名演だと思います。

収録曲は以下の通り;

・BWV1053 チェンバロ協奏曲第2番 ホ長調
・BWV1055 チェンバロ協奏曲第4番 イ長調
・BWV1056 チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調
・BWV1052 チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 

今回の録音はこれだけですが、是非とも全曲録音を目指して欲しいものです。
恐らく最近出たこの曲集の録音の中では、傑出したものであると思います。編成もかなり小さいですが、その分全体のまとまりがしっかりしています。気心の知れたメンバーで、楽しく演奏している雰囲気が伝わってきます。気負ったところを微塵も感じさせず、恐らくかなり入念に調べて、録音に臨んだのではないかと思います。たまにテンポの早いところもありますが、苦にならない程度で、全体を通して何度も聴いていたいと思う演奏です。お勧めの一枚です
 
演奏:
アカデミア・ビザンティナ
オッターヴィオ・ダントーネ(チェンバロ、指揮)

録音:2007年3月31日-4月4日、ラヴェンナ

リフキンのカンタータ集を聴く

2008年11月02日

「J. S. BACH 6 Favourite Cantatas」(The Bach Ensemble, Joshua Rifkin, L'OISEAU-LYRE, 455 706-2)

リフキンによるカンタータ集を紹介したいと思います。彼の録音の特徴はなんといっても、「OVPP」を採用しているところでしょう。バッハの合唱曲は従来行われていたような、大編成のものではなく、各パートを一人で歌うという説で、「One Voice Per Part」から来ています(造語?)。

このOVPPの録音の最初は、リフキン自身による「BWV232 ミサ曲 ロ短調」だと思います。この説が出た当時は、かなり話題となり、議論の的となりました。そういう事情があり、実はこれまで彼の録音自体を買うことをしていませんでした。

しかし、ご承知のように、最近ではこのリフキン説を採り入れた録音が非常に多く、もはや当たり前のようになっている感じがします。まだまだ議論の余地は残っているとは思いますが、ずぼらなモダンの演奏者に比べて、実によく調べている古楽の精鋭達がこぞって採用しているということは、それなりに説得力のあるものであるのだと思います。

さて、実際に聴いてみた感想ですが、目新しく感じなかった、というのが正直なところです。これは否定的な意見ではなく、最近の録音が、上述のようにリフキン説を取り入れているため、OVPPでの録音をたくさん聴いているためだと思います。もちろん、彼がこの説を提唱してすぐに録音されたものを聴けば、かなりの衝撃があったと思います。

ただあえて今日取り上げたのは、OVPPを採用した最初のカンタータ録音(だと思います)を聴くことが大切であると考えたからです。こうした試みがあり、それが定説になり(つつ)、古楽の世界が発展していくといういい例だと思います。
これはリフキンに限ったことではなく、レオンハルトやアーノンクールらが、散々に非難をあびつつも、自分達の信念、しっかりとした検証をもって実践したからこそ、今の「古楽器による演奏」がもはや「異端」のものではなくなっていることからも明らかでしょう

さて収録曲は以下の通り;

CD1;
1)BWV147:心と口と行いと生きざまもて
2)BWV80:われらが神は堅き砦
3)BWV8:いと尊き御神よ、いつわれは死なん

CD2;
1)BWV140:目覚めよ、と われらに呼ばわる物見らの声
2)BWV51:全地よ、神にむかいて歓呼せよ
3)BWV78:イエスよ、汝はわが魂を

の全6曲です。

上で少し否定的な意見を書きましたが、小編成であるために、まとまった演奏となっていて、全体的にしっかりとしていると思います。欲を言えば、ソプラノはボーイ・ソプラノを採用して欲しかったというところでしょうか・・・

演奏:
The Bach Ensemble
Joshua Rifkin

オルガン作品全集 ヴァインベルガー(22CD)

2008年11月02日
BachOrganCopleteWeinbergercpo.jpg

「バッハ:オルガン作品全集」(ヴァインベルガー(22CD)、cpo)


このブログでもたまに取り上げているゲルハルト・ヴァインベルガー。彼はcpoにバッハのオルガン作品を1997年から2008年までの12年間に渡って録音してきました。

先日その最終巻Vol. 22が発売になり、そのCDには、「フーガの技法」とともに最近発見されたオルガン・コラール「BWV1128 主なる神、我らの側にいまさずして」が収録されています(その紹介記事はリンク先を参照してください)。

この人のCDは全部持っていないのですが、たまに見つけて数枚持っています。それが今回全集として発売になるとのことです。HMVの記事によれば

オンライン会員特価(税込): ¥15,929
一般価格(税込): ¥17,315

ですので、1枚が1000円しないのです(800円弱)。cpoのCDは結構価格が高いので、地道に買っていた者としてはかなり複雑な気分です。しかし、実際のところはほとんど持っていないので、今から一枚ずつ買うよりは安いかなと思っています。

このところ、昔発売になっていたものが、廉価盤としてまとめて売られることが多く、地道に買っていた者としてやりきれないところもあったのですが、今回は持っていないものが多く、安いということでとりあえず予約しました・・・

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための鍵盤練習帳 -2-

2008年11月01日

「Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach」(Hänssler、CD 92.137、Joseph Payne)


このブログを始めてから、定期的に巡回(?)しているブログがいくつかあります。中でも毎日心から楽しみにしているのが、

一日一バッハ」さんと
私的CD評」さんの

2つのブログ。お二人のブログを読んでいて、「あっ、このCD持ってない」ということも多く、実によく影響を受けて、その持っていないCDを注文することが多いのです。前置きが長くなりましたが、今日は「一日一バッハ」さんが、このところずっと紹介されている「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための鍵盤練習帳」のCDを紹介したいと思います。

この曲集については、以前「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための鍵盤練習帳」で、クリストフ・ルセによる演奏をすでに紹介しています。今回紹介するのは、ジョセフ・ペインによるものです。

この曲集の詳細については、すでに上述の記事に書いていますので、そちらを参考にして頂きたいと思います。また、詳しい記述が、「私的CD評」さんの「長男の音楽教育のために作製された音楽帖の全曲を聴く」に詳しく解説されています。

さて、ルセはチェンバロのみで演奏していましたが、ペインは、チェンバロ、クラヴィコード、オルガンの三つで弾き分けています。

このCDでも、断片となっている作品も収録されており、事実上、この曲集のすべての作品が網羅されています。


なんだかとりとめのない記事になってしまいましたが、お二人の影響をもろに受けやすいということを書きたかったというのが、今回の正直な気持ちです・・・。感謝しております

オリジナルの調弦で聴くリュート作品

2008年10月25日

「J. S. Bach The Works for lute in original keys & tunings」(Lutz Kirchhoh, VIVARTE, S2K 45858)

バッハが残したリュート作品は、

バッハのリュート作品として知られているのは、

・BWV995 リュート組曲ト短調
・BWV996 リュート組曲(第1番)ホ短調
・BWV997 リュート組曲(第2番)ハ短調
・BWV998 プレリュード、フーガとアレグロ 変ホ長調
・BWV999 プレリュード ハ短調
・BWV1000 フーガ ト短調
・BWV 1006a パルティータ ホ短調

の7曲とされています。このブログでも過去に2曲、リュートによる演奏を紹介しています。
BWV1000 フーガ ト短調」と「BWV997 リュート組曲(パルティータ) ハ短調」の2曲。

さて、バッハのリュート作品を演奏する際には、ある種の困難が伴うことがあるそうです。実際にリュートを演奏したことがないので、その困難さがわからないのですが、ある調で弾くと実に困難になるため、移調して演奏することがあるそうです。
その中でもよく知られている(?)のは、

・BWV996 リュート組曲(第1番)ホ短調
・BWV 1006a パルティータ ホ短調 

で、例えば、

「バッハ:リュート作品全集」(コンラート・ユングヘーネル、DHM 77097)

では、

・BWV996 リュート組曲(第1番)ホ短調  → ト短調
・BWV 1006a パルティータ ホ短調  → ヘ長調

と、それぞれ移調されています。

今回取り上げたキルヒホーフの演奏は、CDのタイトルが示しているように、移調をせず、調弦も変更しないで演奏しているのです。実際にユングへーネルの演奏と聴き比べてみると、響き方、明るさに顕著な違いで出ています。

移調や調弦の変更については、「バッハハウス バッハの音楽とドイツの旅」さんの「バッハとリュート(2) バッハのリュート独奏曲」に詳しく説明されているので、そちらを参照してください。

このCDに収録されているのは、下記の通りで、リュートよテオルボを弾き分けています。なおピッチは440Hzのようです。

Disc 1.
1. 組曲ト短調BWV995 (*)
2. フーガ ト短調BWV1000 (*)
3. 組曲ホ短調BWV996 (**)
4. プレリュード,フーガとアレグロ変ホ長調BWV998 (*)

Disc 2.
1. パルティータ ハ短調BWV997 (*)
2. プレリュード ハ短調BWV999 (*)
3. 組曲ホ長調BWV1006a (**)

* テオルボ
** バロック・リュート


なお、このCDは今では廃盤で、「ArkivMusic」から先日入手したのですが、中身をみて驚きました。解説もなにもなし。よく調べてみると、ArkivMusicがレーベルの許可をとって、複製販売をしているとのことでした。なんだか不思議なCDで、明らかにCD-Rに焼いたものといった概観をしています。


追記:
このCDですが、ネットで購入してから届くのに1月以上かかりました。水曜日に届いたのですが、ポストに入っていたパッケージを見て納得しました。

間違えてアメリカからジャマイカ経由で届いたようです

復元された「フルート協奏曲ロ短調」を聴く

2008年10月24日
FluteConcertosGatti.jpg

「J. S. バッハ:フルート協奏曲ロ短調(世界初録音)、三重協奏曲、管弦楽組曲第2番 」(ガッティ&アンサンブル・アウローラ、Glossa、GCD921204)

今回紹介するタイトルになっている「フルート協奏曲ロ短調(世界初録音)」ですが、バッハ作品番号はふられていません。この曲ですが、イタリアの音楽学者フランチェスコ・ジメイが長年にわたって研究し復元したものです。

復元にあたって、

BWV209カンタータ第209番「悲しみのいかなるかを知らず」の第1楽章(シンフォニア)
BWV173aカンタータ「いとも尊きレオポルト殿下よ」の第2楽章アリア
BWV207世俗カンタータ「鳴り交わす絃の相和せる競いよ」の第3楽章アリア

の3つの声楽作品がこのフルート協奏曲のもととなっていることを確認し、

Allegro - Andante - Allegro

の3楽章を構成することでこのフルート協奏曲を復元したとされています。

実際のところ、どこまでこの復元された曲の信憑性があるかはわたくしにはわかりません。しかし長年研究してきた結果の一つとして面白いと思います。

このCDには以下の3曲が収録されています。

・フルート協奏曲ロ短調(世界初録音)

・三重協奏曲ニ長調BWV1050a

・管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067

二曲目はブランデンブルク協奏曲第5番(BVW1050)の初期稿(第1楽章のチェンバロのカデンツァが短いもの)と管弦楽組曲第2番ロ短調(BWV1067)が収録されています。

演奏は大好きなヴァイオリニスト、エンリコ・ガッティ率いるアンサンブル・アウロラによるもの。これまで聴いてきた彼の演奏は、同じイタリア系の激しい録音とは一線を画していて、しっとりしてたのですが、このCDに限ってはかなり演奏速度が早いのです。それがかなりびっくりしました

マルチェロ・ガッティ(フラウト・トラヴェルソ)
エンリコ・ガッティ(ヴァイオリン&指揮)
アンサンブル・アウローラ;
ロゼッラ・クローチェ(ヴァイオリン)、ジョアンナ・フシチャ(ヴィオラ)、ジュディス=マリア・オロフソン(チェロ)、リッカルド・コエラティ(ヴィオローネ)、ミケーレ・バルキ(チェンバロ)

録音:2007年11月、イタリア、モデナ、サン・ミケーレ教会

眠れないゴルトベルク変奏曲

2008年09月18日

「J. S. Bach Goldberg Variations」(Fabio Bonizzoni, GLOSSA, GCD P31508)

不眠症であった伯爵の依頼を受けて、伯爵のおかかえのクラヴィーア奏者であったゴルトベルクのためにバッハがこの曲を作曲したという話しは、実際は眉唾ものであるとされていますね。この曲を演奏する技量が当時のゴルトベルクにはなかったであろう、というのがその理由の一つ。

さてそれはともかく、もしこれが不眠症であった伯爵の気持ちを落ち着かせる目的で書かれていたとしたら、今回紹介するCDはその方向からかなりかけ離れているのではないか?と思います。

かなりアグレッシヴな演奏なのです。しっとりした演奏とは逆で、装飾がかなり多く、演奏スピードもかなり早めです。実際のところ、これを子守唄代わりにきけるか?というと実際は逆でしょう。快活な演奏に聴き入ってしまい、逆に目が覚めてしまうのではないか?と思うのです。これは否定的な意見ではなく、こういう演奏スタイルも目新しく、斬新な感じがします。

もちろん冒頭で書いた通り、子守唄のために作曲したということ自体眉唾ものとされていますから、この演奏がその主旨から離れているという聴き方は間違っていると思います。ただ、ここで言いたいのは、かなり斬新なアプローチの演奏であるということです。演奏自体も思わず聴き入ってしまうほど、実にいい演奏だと思います。個人的に大好きなレオンハルトの演奏とはまったく逆のアプローチである分、新鮮な感じがしました。

なおこの演奏は、繰り返しをきちんと行っています。このCDについては、「バッハの音楽」さんの「ゴルドベルク変奏曲」に記事が書かれています。

なお、このCDはGLOSSAから発売になっていますが、このところこのレーベルからたくさんの古楽のCDが発売になっており、どれも演奏水準が高く、バッハの作品に限らずお勧めのCDが多いです。「ラ・ヴェネクシーア」による「モンテヴェルディのマドリガーレ集全集」などは、近年のモンテヴェルディの録音の中でも、傑出したものだと思います

演奏:Fabio Bonizzoni
使用楽器:Willem Kroesbergen after J. Couchet

ラウテンヴェルクによるリュート組曲を聴く

2008年09月14日

「J. S. バッハ:リュート=ハープシコードのための音楽集」(エリザベス・ファー、NAXOS、8.570470-71)
録音:2007音8月、アメリカ、マンチェスター、プロガー・ハウス

バッハのリュート作品として知られているのは、

・BWV995 リュート組曲ト短調
・BWV996 リュート組曲(第1番)ホ短調
・BWV997 リュート組曲(第2番)ハ短調
・BWV998 プレリュード、フーガとアレグロ 変ホ長調
・BWV999 プレリュード ハ短調
・BWV1000 フーガ ト短調
・BWV 1006a パルティータ ホ短調

の7曲です。バッハ自身がリュートを演奏したのかはわかりませんが、ヴァイスといったリュートの名手との親交があったことも知られていますし、彼らの演奏技術を知って作曲した可能性もあります。バッハの遺産目録には、リュートを所有したいたこともわかっています。
それ以外に目録に記載されている興味深い楽器が、今回紹介するラウテンヴェルク(ラウテンクラヴィーア、リュート−ハープシコードなどとも言われる)です。

7曲のリュート作品の内、BWV995 リュート組曲ト短調 は、BWV1011 (無伴奏チェロ組曲 第5番)の編曲、BWV 1006a パルティータ ホ短調は、BWV1006 (無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ 第3番)の編曲です。
これ以外の曲については、リュートに使用されていた「タブラチュア譜」の代わりに、鍵盤用の2段譜表が用いられていて,楽譜によって楽器の指定がされています。特筆すべきは、BWV996に関してで、

「リュート・クラヴィアーで Aufs lauten Werk」

と、楽器指定されていることです。上で述べたバッハの遺産目録には、このラウテンクラヴィーアを2台所有していたと書かれています。残念ながら、この楽器が現存しておらず、どのような楽器であるのかは定かではありません。
しかし、近年この楽器を復元する試みがされており、実際に復元された楽器を使った録音を見かけるようになりました。この楽器ですが、チェンバロと基本的には同じですが、「リュート・クラヴィーア」から想像できるように、金属弦の代わりにガット弦が張られています。

この楽器については、「The baroque LUTE-HARPSICHORD: A Forgotten Instrument」に詳しく記載されています。

さて今回紹介するCDですが、このバッハのリュート作品をラウテンヴェルクで演奏したものです。キース・ヒルがその復元にあたっており、それを用いて演奏したもの。上に挙げた7曲以外の曲も含まれます(収録曲は下記の通り)。

CD1
・組曲 ト短調 BWV995
・組曲 ホ短調 BWV996
・組曲 ハ短調 BWV997
・前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998
・前奏曲 ハ短調 BWV999
・フーガ ト短調 BWV1000
CD2
・組曲 ホ長調 BWV1006a
・ソナタ ニ短調 BWV964
・変奏を伴うサラバンド BWV990

上でこの楽器を用いた録音が出てきたと書きましたが、まとまって全曲録音したのはこれが初めてのような気がします。

演奏を聴いてみたのですが、明らかにチェンバロとは違う響きがします。生で演奏を聴いたことがないのでなんとも言えませんが、恐らく大きなホールで演奏するには不向きであると思います。ガット弦を使っているので、音がかなりマイルドになっています。
この曲については、いくつものリュートでの演奏を聴いているのですが、違和感なく聴くことができました。鍵盤楽器で演奏されても何の違和感も感じさせないことから、バッハが2台所有していて、愛用していたともされているので、作曲に際して、この楽器を想定してのかもしれないです(もちろん何の根拠もありません。あくまで演奏を聴いた個人的な感想です)。

演奏は、NAXOSにあまり録音されることのない作曲家を取り上げているエリザベス・ファーによるもの。HMVのサイトでは酷評されていますが、そこまでひどいとも思いません。むしろ子守唄の代わりに聴くのもいいと思いますし、じっくりと聴き入るにも適した演奏だと思います。

またHänsslerにもこの楽器を用いた録音がされています。

「Works for Lute-Harpsichord」(Robert Hill, Hänssler, CD 92.109)

なお、こちらは全曲ではなく、

BWV999, 921/1121, 998, 996, 908, 907, 823, 997が収録されています。ここで演奏しているロバート・ヒルは、今回紹介したCDで使用されているラウテンヴェルクを復元したキース・ヒル氏の兄弟らしいです

セリーヌ・フリッシュによるゴルトベルク変奏曲を聴く

2008年08月20日
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「J. S. バッハ ゴールトベルク変奏曲 BWV988」(セリーヌ・フリッシュ、Alpha014)

今日紹介するのは、先日「ラテン系の人達によるバッハ演奏を聴く」で紹介したカフェ・ツィンマーマンのチェンバリスト、セリーヌ・フリッシュによる「ゴルトベルク変奏曲」。この曲の説明はまたいずれ紹介するとして、詳細はすでに「私的CD評」さんの「グスタフ・レオンハルトによるゴルトベルク変奏曲 」に詳しく書かれていますので、そちらを参照してください(いつもながら、拡張高い記事で感服します)。
そこで指摘されていますが、この曲の録音は繰り返しを行っていないものが多いのですが、セリーヌ・フリッシュは繰り返しを行っています。

演奏はカフェ・ツィンマーマンの快活な演奏とは逆で、実に落ち着いた繊細な演奏です。それも力強い演奏で、やはりカフェ・ツィンマーマンらしさも兼ね備えています。この曲の名演の一つではないかと思います。

また、この曲以外に、以前に紹介した「BWV1087 14のカノン(「ゴルトベルク変奏曲」の主題に基づく)」も収録されています。以前に紹介したリチャード・エガーの演奏はチェンバロ独奏でしたが、ここではカフェ・ツィンマーマン(ヴァイオリン2、ヴィオラ・チェロ、コントラバス)が演奏しています。これも実にいい感じの演奏です。彼ら特有のスピード感のある演奏とは、まったく逆の演奏で、テンポはかなりゆったりしています。

そして面白いのが、二枚目のCDの最後に収録されている「ドイツ民謡2編〜「ゴルトベルク変奏曲第30変奏のクォドリベットの原曲」で、あのドミニク・ヴィスが参加しています。

このCD(2枚組)もあまり店頭で見かけないですが、実に心和むいい演奏ですので、機会があれば聴いてみて下さい

ラテン系の人達によるバッハ演奏を聴く

2008年08月18日
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「さまざまな楽器による協奏曲集I」(カフェ・ツィンマーマン、Alpha 013)
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「さまざまな楽器による協奏曲集II」(カフェ・ツィンマーマン、Alpha 048)
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「さまざまな楽器による協奏曲集III」(カフェ・ツィンマーマン、Alpha 071)

バッハの作品は膨大であり、それに比例して録音も数多くあるわけですが、それらの中でも「名盤」と言われるものもたくさんあります。古い録音ですと、カール・リヒターの名前は必ず出てきますし、古楽器によるものですと、レオンハルトの名前は必ず出てきますね。

若手でもかなり優れた演奏家がたくさん出てきており、聴く側としてはそれだけ選択肢が増えたということで喜んでいます。その中でも、かなり多くの人が「この演奏は優れている」と高い評価を与えているのが、今回紹介するカフェ・ツィンマーマンによるもの。

それぞれのCDの収録曲は以下の通り;

「さまざまな楽器による協奏曲集I」(カフェ・ツィンマーマン、Alpha 013)
1. チェンバロ協奏曲第1番二短調 BWV1052
2. オーボエ・ダモーレ協奏曲イ長調 BWV1055R (チェンバロ協奏曲第4番BWV1055の復元曲)
3. ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042
4. ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050
 録音:2000年8月、2001年8月、パリ、ノートル=ダム・ド・ボン・セクール病院礼拝堂

「さまざまな楽器による協奏曲集II」(カフェ・ツィンマーマン、Alpha 048)
1. 10声の協奏曲 ト長調(ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調) BWV 1048
2. 2つのヴァイオリン、弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲ニ短調 BWV 1043
3. 7声の組曲 ハ長調(管弦楽組曲第1番ハ長調) BWV 1066
4. オーボエ、ヴァイオリン、弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲ハ短調 BWV 1060a
 録音:2003年7月、メッツ(東フランス)、アルスナル音楽堂

「さまざまな楽器による協奏曲集II」(カフェ・ツィンマーマン、Alpha 048)
1. ブランデンブルク協奏曲 第4番 BWV1049
2. オーボエ・ダモーレ協奏曲 BWV1053
3. 3台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲 BWV1064
4. 序曲 ロ短調(管弦楽組曲 第2番)BWV1067
 録音:2004年8月、メッツ(東フランス)、アルスナル音楽堂

この「カフェ・ツィンマーマン」という名前は、ライプツィヒのツィンマーマンの珈琲ハウスにちなんでいます。
メンバーは、アルゼンチン生れのヴァイオリニスト、パブロ・ヴァレッティと、フランス生れのチェンバリスト、セリーヌ・フリッシュが中心となっていて、そこに弦楽器や曲によっては管楽器のメンバーが加わります。演奏は基本的に1パート1人という最小編成です。その分音が薄くなるのではという心配は全く不必要で、最小編成だからこそできる緻密なアンサンブルが堪能できます。演奏スピードは早めですが、各人の演奏は素晴らしく、まさにツィンマーマンの珈琲ハウスでは、こんな感じで楽しく演奏されていたのかな?と想像を膨らませてしまいます。現在の若手古楽器の団体の中でも、トップクラスだと思います。最近ですと、このブログでも紹介しましたが、レオンハルトとの共演で、世俗カンタータを録音しています(「J. S. バッハ いとも豪奢なる世俗カンタータ2編」(グスタフ・レオンハルト指揮、カフェ・ツィンマーマン、ヴェルサイユ・バロック音楽センター合唱団、Alpha118))。

このシリーズは、上に挙げた3作品がリリースされています。最近店頭で見かけなくなりましたが、実に見事な演奏ですので、是非取り寄せて聴いて下さい。

なお、このシリーズについては、様々なブログで紹介されています。
「私的CD評」さんの「ツィンマーマンのコーヒーハウスでは、このような作品が演奏された!?

「バロックな話」さんの「感動した!

「バッハの音楽」さんの「αレーベル-その2-

などです。「私的CD評」さんの「ツィンマーマンのコーヒーハウスでは、このような作品が演奏された!? 」で、非常に詳しい解説がされていますので、是非ご一読を

クイケンによるモテットを聴く

2008年07月25日

「JOHANN SEBASTIAN BACH Motetten」(La Petitte Bande・Sigiswald Kuijken, ACCENT, ACC 10087)

録音:Carolus Borromeuskerk, June 1992

バッハのモテットは、現存する数が少ないですが、秀逸な曲が多く、比較的録音が多い曲集です。わたしくもいくつかの演奏を持っていますが、古楽のレーベルの中でも一番と言っていいくらいに好きなレーベル「ACCENT」から、再発されたのでさっそく買ってきました。

このレーベルは、クイケンらのお膝元ベルギーで設立されこともあり、クイケン兄弟らが参加しているCDも多く、他のCDについても実に素晴らしい録音が多いです。そして何よりも、ジャケットが素晴らしい!拡張高いという言葉がぴったりなくらいに、印象的なジャケットです。飾っておくだけでも、部屋のインテリアになりそうな雰囲気のものが多いですね。このレーベルについては、「私的CD評」さんの「ノン=メジャー・レーベル頌(その1)」で紹介されています。

収録曲は以下の通り。

・来たれ、イエスよ、来たれBWV229
・恐れるなかれ、われ汝とともにありBWV228
・主をたたえよ、すべての異教徒よBWV230
・聖霊はわれらの弱きを助けたもうBWV226
・わが喜びなるイエスBWV227
・主に向かって新しい歌をうたえBWV225

このブログでは一日一曲ずつ聴いているので、あまりじっくりとまとめて聴く機会が少ないので、こうして落ち着いて聴いているのはちょっとした贅沢ですね。
このブログで、すでにユングヘーネルヘレベッヘヒリアード・アンサンブルの録音を紹介していますが、このCDもそれらと同様実に美しいですね。

なおクイケンらは、この後再録音を行っています。

「JOHANN SEBASTIAN BACH Motets」(La Petitte Bande, Challenge Classics, SACC72160)

音楽の捧げもの(BWV1079)とフォルテピアノ

2008年07月05日

「The Musical Offering BWV1079, Canons BWV 1072 - 1078, 1086 & 1087」(Martin Jopp, Michael Behringer, Gottfried Von der Goltz, Karl Kaiser, Ekkehard Weber, Daniela Helms, Petra Müllejans, Christian Goosses, Kristin Von der Goltz, Hänssler Classic, 92133)

以前レオンハルトらの演奏による「音楽の捧げもの(BWV1079)」を紹介しましたが、今日は興味深いとわたくしが感じている一枚を紹介したいと思います。Hänssler Classicから出ているものです。

興味深いというのは、チェンバロで演奏されるパートのいくつかをフォルテピアノで弾いているという点です。

この曲は以前に触れた通り、プロイセン大王フリードリヒ2世が提示したと単一主題に基づく曲集。1747年5月、ポツダムのフリードリヒ大王のもとをバッハは訪れました。大王はバッハにジルバーマン制作のフォルテピアノの試奏を請い、バッハが試奏。試奏の後、バッハは大王にフーガ主題の提示を求めます。そこで示したのが、この曲を通して聴かれる「王の主題」。これをもとに即興演奏を披露した、と言われています。後日、この主題による楽曲を楽譜にして1747 年7月7日付けに大王に献呈、さらにいくつかの楽曲をつけたして、同年の9月末に出版されました。この曲の構成は下記の通りです。

楽章編成:
1)3声のリチェルカーレ ハ短調 4/4

2)王の主題による無限カノン ハ短調 4/4(原譜には2段の譜表に記されている。上段が王の主題、下段の旋律がソプラノとバスの音域にわかれ、王の主題を取り巻いて無限に繰り返す)

3)王の主題による種々のカノン(5曲) 
a) 逆行カノン ハ短調 2/2
b) 同度のカノン ハ短調 4/4
c) 2声部反行のカノン ハ短調 4/4
d) 2声部反行の拡大カノン ハ短調 2/2(楽譜の欄外に、「のびゆく音とともに王の繁栄の栄えんことを(Notulis crecentibus crescat, Fortuma Regis)」と書き加えられている)
e) 螺旋カノン ハ短調 4/4(螺旋を描くように、一回演奏するごとに一全音高い調へ移行する。ハ短調→ニ短調→變ヘ短調→変イ短調→変ロ短調→ハ短調(1オクターブ上の元の調)となる。「昇りゆく旋律とともに王の栄光の昇りゆかんことを」と書き加えられている)

4)上方5度のフーガ・カノニカ ハ短調 2/2

5)6声のリチェルカーレ ハ短調 2/2

6)2声のカノン ハ短調 2/2(「尋ねよさらば見いださん」と欄外に記された「謎のカノン」)

7)4声のカノン ト短調 4/4(同様謎のカノン)

8)トリオ・ソナタ ハ短調(4楽章)
第1楽章:ラルゴ ハ短調 3/4
第2楽章:アレグロ ハ短調 2/4
第3楽章:アンダンテ 変ホ長調 4/4
第4楽章:アレグロ ハ短調 6/8

9)無限カノン ハ短調 2/2

この内、王の主題による種々のカノンの「同度のカノン」、トリオ・ソナタと最後の無限カノン以外は楽器編成の指定がありません。
さて今回紹介するCDでは、

1)3声のリチェルカーレ
8)トリオ・ソナタ ハ短調(4楽章)
9)無限カノン ハ短調 2/2

の三曲でフォルテピアノが使用されています(それ以外の鍵盤パートはチェンバロ)。手元に楽譜がなりので、楽器が指定されているという部分に「チェンバロ」と記載されているのかわからないのですが、一曲目の3声のリチェルカーレをフォルテピアノで演奏するというのは、ある意味事実に即していると思われます。というのは、この曲は、ポツダムでの即興演奏を楽譜にしたものと見られているからです。となると、バッハはジルバーマン制作のフォルテピアノに対していい印象を持っていなかったと言われているものの、最初にポツダムで演奏された時の「響き」はこのCDで演奏されているようなものであったのではないか?と思われます。
「一般にチェンバロで演奏されるが、ヴォルフによれば、フォルテピアノに適した楽句が多く見られる(バッハ事典(東京書籍))」ともされています。

謎に満ち溢れた曲ですし、上述のように一般的に普及おらず、バッハがいい印象を持っていなかった楽器フォルテピアノをわざわざ想定して作曲するか?という疑問は当然ありますが、当時の「響き」を意図した試みとしては面白いのではないか?と思います

ヴィオロン・チェロ・スパッラによる無伴奏チェロ組曲を聴く

2008年06月28日

「J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲(全6曲)」(寺神戸亮、ヴィオロン・チェロ・スパッラ、DENON、COGQ-32-3)

「無伴奏チェロ組曲( BWV1007−1012)」は、チェロを演奏する人達の一つの到達点となっています。カザルスの歴史的な録音に始まり、古楽器の演奏ではアンアー・ビルスマの決定的な名盤があります。
さて、最近この曲を演奏するのに、新しい試みがなされています。それが今回紹介する「ヴィオロン・チェロ・スパッラ」です。フォルケルは、バッハの著書の中に、

「『チェロ独奏のための6つの組曲』(但し組曲第6はヴィオラ・ポンポーザのためのもの)」

と記載しています。
この楽器自体が残っていないため、実際どんな楽器であったのかは謎ですが、この数年でその再現が試みられてきました。この楽器の試作ですが、日本に在住しているドミトリー・パディアロフ氏がそれを行っています。この楽器は、ストラップをつけて肩からつって演奏します。小型のチェロですが、それでもかなり大きいですね。この楽器はすでに、シギスヴァルト・クイケンがACCENTで進めているカンタータ集でも使っていますし、同レーベルでリリースしたヴィヴァルディの「四季」でも演奏しています。この楽器の詳細については、寺神戸亮氏のブログの中で紹介されていますので、そちらを参照してください。

さて、ヴァイオリン奏者がバッハの無伴奏チェロ組曲を演奏するというのは、一見かわった印象を受けます。実際に聴いていると、はやりチェロとは響きが異なりますね。このCDを聴いた印象は、寺神戸亮氏のキレのあるヴァイオリンの演奏が、そのままヴィオロン・チェロ・スパッラに乗り移った感じです。実にキレがあって、アグレッシブな演奏と感じました。

なお第6番は、5弦チェロ用ですが、ここでは4弦にも5弦にも対応できように制作されたヴィオロン・チェロ・スパッラを用いていて、第6番のみ5弦で演奏されています。

演奏:寺神戸亮
使用楽器:ヴィオロン・チェロ・スパッラ(ドミトリー・パディアロフ、2005年、ブリュッセル)、弓;Mashiko, Isao (2003年、千葉)
ピッチ:a≒415
録音:2008年2月5〜7日、18〜19日、東京、Hakujuホール

アレッサンドリーニによる「フーガの技法」を聴く

2008年06月21日
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「THE ART OF FUGUE KEYBOARD CONCERTOS」(Concerto Italiano, Rinaldo Alessandrini,
Naïve, OP 20011)

「フーガの技法(BWV1080)」は、「音楽の捧げもの(BWV1079)」と並んでバッハ晩年の大作として知られています。未完であるとも言われ、指定楽器が楽譜に記載されていないことから、これまで様々な楽器で録音されています。

レオンハルトは、独自の研究からこの曲が鍵盤楽器用に作曲されたものであるとし、更にこの曲は未完ではなく完結した作品であるとして、録音では「未完のフーガ」と言われている部分を録音していません。

「フーガの技法&クラヴィーア練習曲集 第2巻」(グスタフ・レオンハルト、DHM BVCD-7007-08)

最初にこの曲を聴いたのがレオンハルトによる上のCDであったので、これまであまり他の演奏を聴くことはありませんでしたが、今回はちょっと浮気をして、鍵盤楽器以外で演奏されたCDを選びました。
ここでは、アレッサンドリーニは自分の手兵であるコンツェルト・イタリアーノを率いて演奏しています。チェンバロの演奏に慣れていたので、最初は違和感があったのですが、やはりこの団体は実に演奏がうまいですね。落ち着いた演奏で好感が持てます。
このCDは二枚組で、一枚目が「フーガの技法」、二枚目にはチェンバロ協奏曲BWV1052、1057、1054、三重協奏曲BWV1044が収録されています。こちらも中々優れた演奏。イタリア勢のバッハは?という印象が大きかったのですが、ヴィヴァルディなどのイタリアの作曲家に対する演奏とは異なっていますね。その辺りもきちんと区別しているのでしょう。彼らの「ブランデンブルク協奏曲」もかなり秀逸な演奏で、お勧めです。
なお、このCDですが、以前は「OPUS111」から出ていたようですが、わたくしの所有しているCDには「Naïve」と記載されています(吸収しましたからね)。

基本的にこのブログでは、バッハの意図した楽器で演奏したものを紹介するようにしていますが、たまにはこういうCDを聴いてみるものも楽しいですね。

なお、上で挙げたレオンハルトの「フーガの技法」に関する文献は、「The art of fugue, Bach's last harpsichord work : an argument」(Gustav M. Leonhardt、The Hague : M. Nijhoff, 1952)で、日本ですと国立音楽大学から入手できます。実際手元にあるのですが、これを読んだだけでは中々レオンハルトの主張するところが理解しずらいのです。なぜなら複数の楽譜を比較しながら議論を進めているので、実際に引用されている楽譜がないとピンときません。彼の主張は、上で紹介したCDの解説で簡潔にわかりやすく書かれているので、そちらの方が手っ取り早いかもしれません。

また「フーガの技法研究所」というサイトで詳しく述べられているので、そちらも参照してみてください

バッハの偽作を聴く

2008年06月15日

バッハ作品番号(BWV)の一覧表などを見ていると、「偽作」と書かれたものがいくつか見られます。バッハの全集を録音したり、個別に録音する場合でも、「偽作」もしくは偽作の疑いのあるものについては、録音されないことが多いです。しかし、偽作とわかっていても、BWV1から全部聴いてみたいというのも正直なところ。今回はそうした「偽作」とされるものばかりを集めたCDを紹介します。

「The Apocryphal Bach Cantas BWV 217-222」(Wolfgang Helbich, cpo, 999 139-2)

収録曲;
BWV217 (作者不詳)
BWV218 (テレマン作曲)
BWV219 (テレマン作曲)
BWV220 (作者不詳)
BWV221 (作者不詳)
BWV222 (ヨハン・エルンスト・バッハ作曲)

「The Apocryphal Bach Cantas II BWV 15, 141, 142 & 160」(Wolfgang Helbich, cpo, 999 985-2)

BWV15(ヨハン・ルートヴィッヒ・バッハ作曲)
BWV141(テレマン作曲)
BWV142(J. クーナウ作曲?)
BWV160(テレマン作曲)

「The Apocryphal Bach Motetss BWV Anh. 159-165」(Wolfgang Helbich, cpo, 999 235-2)

BWV Anh. 160(バッハ/テレマン)
BWV Anh. 165(ヨハン・エルンスト・バッハ)
BWV Anh. 164(ヨハン・クリストフ・アルトニコル)
BWV Anh. 159(バッハ?)
BWV Anh. 163(?)
BWV Anh. 162(ゲオルグ・ゴットフリート・ワグナー)

「Bach Organ Works Vol. 18」(Gerhard Weinberger, cpo, 777 135-2)


・ 幻想曲 ト長調 BWV 571
・ オルガンコラール(Orgelchoräle aus der Berliner Sammelhandscrift Mus. ms. Bach P 285)
・「おお父、全能なる神よ」 BWV 758
・ Orgelchoräle aus der Rudorff-Sammlung
・ 小さな和声の迷宮 BWV 591
・ Orgelchoräle aus unterschiedlicher Überlieferung
・ Orgelchoräle aus der Sammelhandschrift Yale LM 4843
・ フーガ ヘ長調 BWV Anh. II 42


「Bach Organ Works Vol. 19」(Gerhard Weinberger, cpo, 777 186-2)

・トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
・幻想曲とフーガ イ短調 BWV.561
・コラール(BWV.747, 754, 757, 762)
・フーガ ハ調 BWV Anhang II 90
・パルティータ『神のひとり子なるキリスト』 BWV Anhang II 77
・パルティータ『われら悩みの極みにありて』 BWV Anhang II 78
・コラール(Anhang II 55, 59, 67, 69)


「Bach Organ Works Vol. 20」(Gerhard Weinberger, cpo, 777 212-2)

・8つの小前奏曲とフーガBWV.553〜560
・25のコラール変奏曲第11番『甘き喜びのうちに』
・5つのコラール・トリオ
・3つのオルガン・コラールLM4843
・2つのオルガン・コラール
・4声のコラール〜古き年は過ぎ去り

という内容。
今回紹介したのはすべて「cpo」から出ているもので、今回紹介していない偽作もまだいくつかあります。それらも録音されていて入手可能です。
今回は声楽曲とオルガン曲でしたが、なぜか見つからないのがクラヴィーア曲の偽作集。ブリリアントのバッハ全集に結構収録されているのの、手に入らないものもあります。まとめて録音してくれるとありがたいのですが・・・

後探して見つからないのが、「サンクトゥス ニ短調 BWV239」です。コルボが録音していたという情報を持っているのですが、廃盤で入手不可能。色々他の録音を探してみたのですがないのです。バッハ本人の作品でないので、そこまで追求することに意味があるのかは疑問ですが、なんとなく揃えてみたいのです

スイス・バロック・ソロイスツによるブランデンブルク協奏曲

2008年06月14日

「J. S. バッハ ブランデンブルク協奏曲 第1番〜第6番他」(スイス・バロック・ソロイスツ、NAXOS、8.557756-6)

バッハの曲の中でも有名なこの曲集。CDショップに行けばたくさん並んでいますね。恐らく「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」と同じくらい録音数が多いのではないかと思います。

クラシックを聴く醍醐味の一つは、一つの曲を様々な演奏家が演奏をしているのを聴く比べるというところだと思います。この曲集も大好きなので、古楽器による演奏を見つければつい買ってしまいます。CD棚に一群にまとめてあるのですが、「今日はどの演奏を聴こうかな」と思案しているのも結構楽しいものです。一番最初に買ったのは、ブリュッヘン、クイケン兄弟、ビルスマ、レオンハルト他による名演です(SONY, SRCR 2107-8、わたくしの中ではこれが未だにベストです)。

今回紹介するのは、ナクソスから少し前に発売になったもの。スイスの若い古楽の団体によるものです。演奏は極めて高速です。ただ羽目をはずしているということは感じられず、心地よい快速さです。寝る前に子守唄代わりにすると目が冴えてきそうですが、昼間聴いている分にはいい感じではないでしょうか。単に早いというだけでなく、かなりうまいです。このところナクソスの古楽器による演奏を聴く機会が多いのですが、優れた録音が増えていますね。

ブランデンブルク協奏曲全曲以外に、

・音楽の捧げ物よりトリオ・ソナタ ハ短調
・協奏曲 ト短調(チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV1056より、ステファーヌ・レティによるフルートと弦楽用編曲)

の二曲も収録されています。

このCDでバロック・トランペットを演奏しているのが、名手ニクラス・エクルンドで、この人はナクソスに

「バロック・トランペットの技巧」(第1集〜第5集、8.553531、8.553593、8.553735、8.554375、8.55099)

という録音を残しています。どれも演奏困難とされるバロック・トランペットの素晴らしさを教えてくれるCDです。

普段はどちらかというと、ずしっと重たい感じの演奏を好んで聴いていますので、たまにこうした演奏を聴くと新鮮ですね

なおこのCDですが、「バッハの音楽」さんの「ブランデンブルグ協奏曲を久しぶりに頻回に.....」でも紹介されています

演奏:スイス・バロック・ソロイスツ
音楽監督:アンドレス・ガベッタ
録音:2005年4、5月、フランス、ミュールズ、サン・ジャン寺院

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための鍵盤練習帳

2008年06月12日
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「J. S. バッハ ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのための鍵盤練習帳」(クリストフ・ルセ、Ambroisie、AMB 9977)

成立:1720年、ケーテン
基本資料:ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集

バッハは優れた作曲家、優れた演奏家であるとともに、優れた教師であったと言われています。その教え子の中でも、バッハが特にその才能に目をつけていたのが、長男であるヴィルヘルム・フリーデマン・バッハでした。その長男のために書いた作品が「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」で、9歳の誕生日のすぐ後にこの練習の編纂に取りかかっています。

ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集、1720年1月22日ケーテンにて記し始める

とその冒頭に書かれています。優れた教師であったと書きましたが、バッハはこうした練習を非常に重要視していたことがうかがえます。3年間に渡って編集されたと考えられています。この小曲集は「インヴェンションとシンフォニア」の基になっています。

この音楽帖は、長年ヴィルヘルム・フリーデマンの手元にあり、とても大切にしていたとされています。彼がドレスデンやハレに移り住んだ時でさえ手放しませんでした。50代になって、ヨハン・クリスチャン(後に「クラヴィーアのバッハ」と呼ばれた)に授けたとされていましたが、その後消息が絶たれていました。1932年にイェール大学がオークションで購入して、その存在が明るみに出ました。購入当時は数ページが消失していましたが、一部は復元されています。

バッハは、鍵盤演奏のテクニックをヴィルヘルム・フリーデマンに教えるにあたり、二つの表を用意することから始めています。
最初の表が、ト音記号、アルト記号、ソプラノ記号、そしてなるべく加線を防ぐための五線上の音部記号の位置を表しています。
二つ目の表には、様々な装飾音(トリル、モルデント、アポジャトゥーラ等)の13の記号とそれらの正しい演奏方法を示しています。

この練習帳に含まれる62曲の内、二つの断片はJ. C. リヒターの組曲《クラブサンのための作品 第25番》からで、第47番はテレマンによるイ長調の組曲、G. H. シュテルツェルの《パルティータ》も含まれています。最後の曲は、バッハがトリオ部を書き足したトリオを含んでいます(BWV929)。
また、二つのアルマンド(第6、7番)、第26〜28番の三つのプレリュード(それぞれハ長調、ニ長調、ホ短調)の5曲については、ヴィルヘルム・フリーデマンがバッハの手引きで始めて書いた作品と見られています。

第29番のプレリュード イ短調、第11番(メヌエット、ト長調)と第12番(メヌエット、ト短調)についてはバッハの作品であるか疑問視する声もあります。

バッハはこの練習帳の最初の音楽が始まる最初のページに、十字架を表す

「INJ (In nomine Jesu;イエスの御名において」

と書いていて、すべての音楽が、神の恩寵の現れであるという彼の信念を表しています。

この2枚組のCDには「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」が断片も含めて全部収録されています。

収録曲;

プレルディウム BWV.846a, 847, 851, 850, 855a, 854, 856, 848, 849.853, 857(後の「平均律クラヴィーア曲集」の前奏曲
プレアンブルム(小前奏曲)BWV.924, 926, 927a, 930, 928(9つの小前奏曲 から)
プレアンブルム BWV.772, 775, 778, 779, 781, 784, 786, 785,783, 782, 780, 777, 776, 774, 773(後の「インヴェンションとシンフォニア」)
ファンタジア BWV.787, 790, 793, 794, 796, 799, 801, 800, 798,797, 795、792、791、789、788(後の「インヴェンションとシンフォニア」)
プレルディウム BWV.924a, 925, 932, 931(「9つの小前奏曲」から)
アップリカツィオ(運指練習曲) BWV.994
2つのアルマンド BWV.836, 837
3声のフーガ ハ長調 BWV.953
3つのメヌエット BWV.841-843
ト長調による低音スケッチ BWV.なし
コラール:尊き御神の統べしらすままにまつろい BWV.691
コラール:イエス、わが喜び BWV.753
パルティータ BWV.929(シュテルツェル作曲)
組曲 イ長調 BWV.824(テレマン作曲)
J. C. リヒターによるチェンバロ曲

なお、この記事は、「私的CD評」さんの「長男の音楽教育のために作製された音楽帖の全曲を聴く」を読んで書きました。そちらで紹介されているCDはHänsslerからリリースされているもので、Joseph Payneがチェンバロ、クラヴィコード、オルガンを使って演奏しているそうです。とても素晴らしい記事ですので、是非訪問してください。

なお今回紹介したルセのCDも、Hänssler盤も入手可能なようです。

演奏:クリストフ・ルセ(チェンバロ)
使用楽器:ヨハネス・リュッカース1632年製(1787年フォン・ナーゲル改修)
録音:2004年11月25〜27日、ヌーシャテル(スイス)

ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ集;アーポ・ハッキネン、ミッコ・ペルコラ)

2008年06月11日

「J. S. バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとハープシコードのためのソナタ集」(アーポ・ハッキネン、ミッコ・ペルコラ、NAXOS、8.570210)

収録曲;
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ 第1番 ト長調 BWV1027
トリオ ニ短調 BWV583
トリオ ト短調 BWV584
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ 第2番 ニ長調 BWV1028
ソナタ イ短調 BWV967
ソナタ ニ長調 BWV963
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ 第3番 ト短調 BWV1029

今年ナクソスから発売されたCDですが、実に落ち着いた演奏です。若い演奏家によるものなので、早いテンポかと思っていましたが、実にゆっくりとしていて、貫禄充分な演奏です。ヴィオラ・ダ・ガンバの音色の魅力を存分に引き出していると思います。
これまでは、ヴィーラント・クイケンとレオンハルト盤を愛聴してきましたが、一枚また優れた録音が増えたなという感じです。廉価レーベルで知られるナクソスですが、このところこうした優れた録音が増えてきましたね

オルガン用の「トリオ ニ短調 BWV583」「トリオ ト短調 BWV584」が含まれていますが、どちらもヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロで演奏されています。

このCDについては、「バッハの音楽」さんの「ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ集」でも紹介されています。

今週は体調を崩して、月曜日から寝込んでいるので、今日はゆっくりと午後バッハの曲を聴いて心を落ち着けています。どうも毎年春先から体調を崩して、ぐずぐずとしてしまいます。

毎日一曲ずつバッハの曲を紹介していますが、こうしてたまにCDを紹介していこうと思います

演奏:
アーポ・ハッキネン(チェンバロ)
ミッコ・ペルコラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

使用楽器:
ヴィオラ・ダ・ガンバ:Guy Harrison, Toronto, 1998, after Michel Colichon, Paris, 1691
チェンバロ:Joel Katzman, Amsterdam, 2002, after Padcal Taskin, Paris, 1769

録音:
St. Peter's Church, Siuntio, Finland, 2006年10月15日〜17日

ピッチ、音律;
Pitch : A = 403 Hz ; Temperament : Sorge, 1758

教会カンタータ集

2008年01月30日

バッハの作品の中でもオルガン曲、クラヴィーア曲などとならんで、一群をなしている教会カンタータ。すでにレオンハルト・アーノンクールの不朽の名作、ブリリアントから出ているカンタータ全集を持っているのですが、欲はつきないもので、色んな演奏を聴いてみたいということで地道に買っております。

現在買い進めているカンタータ全集で完結しているのは(古楽器によるものに限ります)、コープマンのものだけで、もう一つガーディナーによるものが、録音自体(演奏旅行でカンタータの全曲演奏を行った!)は終了していて目下CD下が進められています。なんせCD60枚近くになるものなので、一気に購入できないので、毎月乏しいお小遣いをはたいて、この二つのシリーズを1巻ずつ買っています。

今日その二つが届きました。

「Complete Cantatas Vol.7: Koopman / Amsterdam Baroque.o」

CompleteCantatas7Koopman.jpg


「カンタータ集 第7巻(17・19・25・50・78・130・149) ガーディナー&EBS、モンテヴェルディ合唱団」

BachCantatas7Gardiner.jpg

毎月地道に買っては、その一月楽しんでおります。それぞれの指揮者の個性が出ていて面白いですね。
これに加えて、全集ではないですが、シギスヴァルト・クイケン率いるラ・プティット・バンドが約100曲のカンタータ録音を目指して、アクサンレーベルで録音を進めていますね。こちらは年に2,3枚程度のリリースですので、まだまだかかりそうですね。

また今回届いたものは、2月のお楽しみということで・・・

それにしても、ガーディナーのジャケットは、ドイツとまったく無縁の絵(写真?)ばかりなのですが、何か意図があるのでしょうか?不思議です。ある意味インパクトがありますね

ブリリアント全集の修正

2008年01月18日

今日はCDを二枚買いました。

「バッハ:ブランデンブルク協奏曲」(ムジカ・アムフィオン、ピーター=ヤン・ベルダー(指揮)、ブリリアント)

BrandenburgConcertosMusicaAmphionBelder.jpg

二枚組で1190円。さすがにブリリアントは安い・・・


「バッハ:管弦楽組曲全集」(ラ・ストラヴァガンツァ・ケルン、有田正広)

有名な曲集なので、今更なのですが、理由があります。数年前にブリリアントが出したバッハ全集というCD160枚組の驚異的なシリーズがあるのです。その内、上の二つの曲集とクリスマス・オラトリオ、2台、3台のチェンバロのための協奏曲集、無伴奏チェロ組曲全曲が新しい録音に置き換えられて再発になったのです。新全集では偽作を除いて155枚組になったそうですが、さすがにそれを買う程のことはないなと思って、変ったところだけを買い求めたのです。
後はクリスマス・オラトリオ、2台、3台のチェンバロのための協奏曲集、無伴奏チェロ組曲全曲ですが、無伴奏チェロ組曲全曲は持っていて、それ以外の二つは店頭で見つけることができませんでした。

ブリリアントの全集ですが、演奏のよしあしで賛否が分かれるにしても、2万円ちょっとでバッハの全曲が聴けるというのは、ある意味魅力的ではあるなと思います。カンタータも全曲聴けますからね。ちゃんとボーイ・ソプラノを使っていますし

アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳

2008年01月17日

「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」は、バッハの二番目の妻。バッハは彼女のための音楽帳を書いています。全てがオリジナルではなく、他の作曲家の作品の転用もあります。
1巻と2巻があるのですが、1巻は消失したらしいです。この音楽帳の中に、フランス組曲の原型があることでも有名ですね。

あまりたくさんの録音がないので、見つければすぐに買うことにしています。今日たまたまCDを見に行ったら並んでいたので買いました。


「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」(シュトルテ(S)、ライプ(Br)、 コルム(cemb)、Berlin Classics)

BachMagdalenaStolte.jpg

録音が古いですね・・・