「TILGE, HOCHSTER, MEINE, SUNDEN BWV1083 (AFTER PERGOLESI'S STABAT MATER)」(Holland Boys Choir, Netherlands Bach Collegium, Peter Jan Leusink, BRILLIANT, 99376/5)
成立;1746/47年頃、ライプツィヒ
歌詞;作者不詳。詩篇51の書き換え
編成;ソプラノ、アルト、弦合奏、通奏低音
基本資料;自筆総譜、オリジナル・パート譜
第1曲;アリア(二重唱)
第2曲;アリア(ソプラノ)
第3曲;アリア(二重唱)
第4曲;アリア(テノール)
第5曲;アリア(二重唱)
第6曲;アリア(二重唱)
第7曲;アリア(ソプラノ)
第8曲;アリア(アルト)
第9曲;アリア(二重唱)
第10曲;アリア(二重唱)
第11曲;アリア(アルト)
第12曲;アリア(二重唱)
第13曲;アリア(二重唱)
第14曲;アリア(二重唱)
今日聴くのは、バロック時代の作曲家で、「夭逝」という言葉で恐らくまず最初に出てくると思われる、ペルゴレージ(1710 - 1736)のスターバト・マーテルを編曲したもの。このオリジナルについては、「私的CD評」さんの「ペルゴレージの「スターバト・マーテル」をオリジナル編成で聴く」を参照してください。
この曲の歌詞は、詩篇51を書き換えたものです。
51:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。
51:2 ダビデがバト・シェバと通じたので預言者ナタンがダビデのもとに来たとき。】
51:3 神よ、わたしを憐れんでください/御慈しみをもって。深い御憐れみをもって/背きの罪をぬぐってください。
51:4 わたしの咎をことごとく洗い/罪から清めてください。
51:5 あなたに背いたことをわたしは知っています。わたしの罪は常にわたしの前に置かれています。
51:6 あなたに、あなたのみにわたしは罪を犯し/御目に悪事と見られることをしました。あなたの言われることは正しく/あなたの裁きに誤りはありません。
51:7 わたしは咎のうちに産み落とされ/母がわたしを身ごもったときも/わたしは罪のうちにあったのです。
51:8 あなたは秘儀ではなくまことを望み/秘術を排して知恵を悟らせてくださいます。
51:9 ヒソプの枝でわたしの罪を払ってください/わたしが清くなるように。わたしを洗ってください/雪よりも白くなるように。
51:10 喜び祝う声を聞かせてください/あなたによって砕かれたこの骨が喜び躍るように。
51:11 わたしの罪に御顔を向けず/咎をことごとくぬぐってください。
51:12 神よ、わたしの内に清い心を創造し/新しく確かな霊を授けてください。
51:13 御前からわたしを退けず/あなたの聖なる霊を取り上げないでください。
51:14 御救いの喜びを再びわたしに味わわせ/自由の霊によって支えてください。
51:15 わたしはあなたの道を教えます/あなたに背いている者に/罪人が御もとに立ち帰るように。
51:16 神よ、わたしの救いの神よ/流血の災いからわたしを救い出してください。恵みの御業をこの舌は喜び歌います。
51:17 主よ、わたしの唇を開いてください/この口はあなたの賛美を歌います。
51:18 もしいけにえがあなたに喜ばれ/焼き尽くす献げ物が御旨にかなうのなら/わたしはそれをささげます。
51:19 しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を/神よ、あなたは侮られません。
51:20 御旨のままにシオンを恵み/エルサレムの城壁を築いてください。
51:21 そのときには、正しいいけにえも/焼き尽くす完全な献げ物も、あなたに喜ばれ/そのときには、あなたの祭壇に/雄牛がささげられるでしょう。
バッハはペルゴレージの曲の編曲に際して、
ドイツ語の歌詞を採用、第12、13曲の順序を入れ替え、第2ヴァイオリンとヴィオラのパートに加筆したほか、歌声部のリズム、装飾音、アーティキュレーション等の細部に手を加えている。ヘ短調を主調とする。
バッハ事典(東京書籍)
演奏は、かなり快速ですが、様々な趣向が凝らされています。モテットに分類されていますが、聴いている限りでは、かなり熱の入ったオペラのような感じを受けます。ソプラノの歌い方が、いかもにロマン派的なオペラ風の歌い方で、好き嫌いに差が出るかもしれません(声質のせい???
ライブ録音です
演奏;
ソプラノ;Marjon Strijk
アルト;Sytse Buwalda
指揮;Peter Jan Leusink
ヴァイオリン;Pieter Affourtit, Eva Scheytt
ヴィオラ;Oscar Hoogland
チェロ;Frank Wakelkamp
ヴィオロン;Maggie Urquhart
オルガン;Vaughan Schlepp
録音;1999年12月〜2000年1月、St. Nicolaschurch, Elburg
「J. S. バッハ・モテット集」(スコラーズ・バロック・アンサンブル、NAXOS、8.553823)
いつもCDを買いに行くお店の三条店のクラシック・コーナーの一角に、ナクソスのCDがどさっと置いてありました。バロック期までのCDだけを集めて、ちょっとした特集をやってみるみたいです。それで見つけたのが、今回紹介するCDです。
スコラーズ・バロック・アンサンブルは、David van Aschによって結成されたバロック期までの声楽曲を専門としている声楽団体です。ナクソスにかなりの録音をしていますが、どれも美しいものが多いですね。器楽パートは古楽器を採用しています。
1) 主に向かって新しい歌をうたえ BWV225
2) 聖霊はわれらの弱きを助けたもう BWV226
3) イエス、わが喜び BWV227
4) 恐れるなかれ、われ汝とともにあり BWV228
5) 来たれ、イエスよ、来たれ BWV229
6) 主をたたえよ、すべての異教徒よ BWV230
1パート1人、伴奏は通奏低音のみ、指揮者なしという最小編成です。それでもかなりしっかりとしていて、実に美しい演奏となっています。
これまでモテット集はいくつか紹介してきましたが、一ついいアルバムが増えたかなと思っています。若干録音の荒さが気になりますが、それを声楽陣がカヴァーしている感じです。
演奏;
スコラーズ・バロック・アンサンブル
ソプラノ;Anna Crookes, Kym Amps
カウンター・テナー;Angus Davidson, David Gould
テノール;Robin Doveton, Julian Podger
バス;Mattew Brook, David van Asch
オルガン;Terence Charlston
チェロ;Pal Banda
ヴィオロン;Jan Spencer
録音:
1996年2月、ロンドン、ロスリン・ヒル・チャペル教会
「JOHANN SEBASTIAN BACH Motetten」(La Petitte Bande・Sigiswald Kuijken, ACCENT, ACC 10087)
録音:Carolus Borromeuskerk, June 1992
バッハのモテットは、現存する数が少ないですが、秀逸な曲が多く、比較的録音が多い曲集です。わたしくもいくつかの演奏を持っていますが、古楽のレーベルの中でも一番と言っていいくらいに好きなレーベル「ACCENT」から、再発されたのでさっそく買ってきました。
このレーベルは、クイケンらのお膝元ベルギーで設立されこともあり、クイケン兄弟らが参加しているCDも多く、他のCDについても実に素晴らしい録音が多いです。そして何よりも、ジャケットが素晴らしい!拡張高いという言葉がぴったりなくらいに、印象的なジャケットです。飾っておくだけでも、部屋のインテリアになりそうな雰囲気のものが多いですね。このレーベルについては、「私的CD評」さんの「ノン=メジャー・レーベル頌(その1)」で紹介されています。
収録曲は以下の通り。
・来たれ、イエスよ、来たれBWV229
・恐れるなかれ、われ汝とともにありBWV228
・主をたたえよ、すべての異教徒よBWV230
・聖霊はわれらの弱きを助けたもうBWV226
・わが喜びなるイエスBWV227
・主に向かって新しい歌をうたえBWV225
このブログでは一日一曲ずつ聴いているので、あまりじっくりとまとめて聴く機会が少ないので、こうして落ち着いて聴いているのはちょっとした贅沢ですね。
このブログで、すでにユングヘーネル、ヘレベッヘ、ヒリアード・アンサンブルの録音を紹介していますが、このCDもそれらと同様実に美しいですね。
なおクイケンらは、この後再録音を行っています。
「JOHANN SEBASTIAN BACH Motets」(La Petitte Bande, Challenge Classics, SACC72160)
「J. S. バッハ モテット集(全曲)BWV225-230・anh159」(ヒリアード・アンサンブル、UCCE-2058)
成立:1712/13年、ヴァイマール
歌詞:創世記32、26。作者不詳のコラール「汝なにゆえにうなだるるや、わが心よ」(1560年頃)第3節(定旋律=BWV420)
編成:二重合唱
楽章構成:
第1楽章:二重合唱(創世記32、26、3/2)
第2合唱:4声コラール編曲(作者不詳のコラール、2/2)
基本資料:一部自筆の総譜
基本テキスト:創世記32、26
32:26 ところが、その人はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、格闘をしているうちに腿の関節がはずれた。
バッハの父の従兄、ヨハン・クリストフ作として伝えられてきた作品ですが、伝承経路、一部分がバッハが直接関与している総譜(作曲者の名前なし)の存在、ヘ短調という調の採用、和声、様式的特徴から、J. S. バッハの作である可能性も高い(「バッハ事典」(東京書籍)、とされています。
5分弱の短い演奏。演奏はヒリアード・アンサンブルによるもの。器楽はなしで、声楽のみ。リフキン説にしたがって、1パート一人ですが、やはり薄っぺらさが感じられず、きちっとまとまった合唱。これまでモテットについては、カントゥス・ケルンとヘレベッへによるものを紹介しましたが、昨日買ったこのCDは中々のもの。器楽パートなしという特徴がありますが、実に美しい。お勧めです
演奏:ヒリアード・アンサンブル
コラールI:
ソプラノ:Joanne Lunn
カウンターテナー:David James
テノール:Steven Harrold
バリトン:Gordon Jones
コラールII:
ソプラノ:Rebecca Outram
カウンターテナー:David Gould
テノール:Rogers Covey-Crump
バス:Robert Maccdonald
録音:2003年11月、聖ゲーロルト教会
「J. S. バッハ:モテット集」(フィリップ・ヘレベッヘ、シャペル・ロワイヤル、コレギウム・ヴォカーレ、harmonia mundi France、KKCC-523)
機会:葬儀用(1729年10月16日逝去のトーマス学校校長、J. H. エルネスティの、大学教会における葬儀で演奏)
初演:1729年10月20日、ライプツィヒ
基本資料:自筆総譜、オリジナル・パート譜(一部自筆)
歌詞:
第1部:ローマ信徒への手紙8、26−27
第2部:ルターのコラール「来れ、精霊、主なる神よ」(1524年)定旋律=BWV59
構成:二重合唱、オーボエ2、ターユ、ファゴット、弦合奏、通奏低音
第1部:変ロ長調(3/8)ーヘ短調(4/4)ー変ロ長調(2/2)
第2部:コラール 変ロ長調(4/4)
第1合唱を弦楽器が、第2合唱を管楽器が重複。合唱を重複する伴奏楽器は、本来第一部のみで用いられ、第2部は墓地で歌われたものと思われる(バッハ事典、東京書籍)。
基本テキスト:
8:26 同様に、"霊"も弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが、"霊"自らが、言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからです。
8:27 人の心を見抜く方は、"霊"の思いが何であるかを知っておられます。"霊"は、神の御心に従って、聖なる者たちのために執り成してくださるからです。
ヘレベッへが統率しているせいか、すごくかちっとまとまっていますね。冒頭の二重合唱は実にお見事。葬儀用ということですが、哀しみみ満ちた曲という印象がありません。
この手の曲を手がけると、ヘレベッへは実に見事ですね(ヘレウェーヘが正しい発音だそうで・・・)
演奏:
アニエス・メロン、グレダ・ド・レイグル(ソプラノ)
ヴィンセント・ダラス(カウンターテノール)
ハワード・クルック(テノール)
ペーター・コーイ(バス)
指揮:フィリップ・ヘレベッヘ
シャペル・ロワイヤル、コレギウム・ヴォーカレ
録音:1985年11月(ヘント)
「バッハ:モテット集(全曲)」(コンラート・ユングヘーネル、カントゥス・ケルン、DHM, BVCD38118)
成立:1726年6月〜1727年4月
構成:3部より成る
第1部:変ロ長調(3/4)
第2部:変ロ長調(4/4)
第3部:変ホ長調-変ロ長調(4/4 - 3/8)
2重合唱用。歌詞は詩篇149より。
実に晴れやかで華麗な曲です。バッハの6曲のモテットの内、唯一葬儀用ではないと言われています。
モーツァルトが1789年4月にライプツィヒの聖トマス教会を訪れた際に、この曲を聴いて感激したと伝えられています。
演奏はユングヘーネル率いるカントゥス・ケルンによるもの。リフキン説を取り入れて、各パート一人で合唱、演奏しています。この団体の合奏はまさに「少数精鋭部隊」というにふさわしいと思います。実に美しいですね。
合唱:カントゥス・ケルン
指揮、リュート:コンラート・ユングヘーネル
録音:1995年10月19日〜23日、マンデスロー、聖オスダーク(ドイツ)